表と裏の顔を持つ執事と、お嬢様が巻き起こすラブコメディ。箱入り娘の椿はワガママ放題で、品行方正な執事の和巳は苦労が絶えない。そんな和巳のストレス発散は変装してギャンブルや女遊びに興じることだった。だが、ひょんなことで、椿は和巳とは知らずに、変装した姿の和巳に恋をする。椿に迫られ、和巳はとっさに「歳三」と名乗るのだった。
『執事たちの沈黙』というタイトルは、サスペンス映画の名作として名高い『羊たちの沈黙』をもじったものだろう。主人公の和巳は美形で品行方正、有能な執事だ。彼が執事の仕事をしているのは給料が良いからだ。本来の和巳は、ギャンブルと女遊びが大好きなクズ男であった。仕事中は七三のかっちりしたヘアスタイルでスーツ姿だが、遊びに行くときは髪をぼさぼさにし、ラフなジーンズ姿にメガネをかけて変装。そんな時に椿と遭遇。困っていた椿を助けてしまい、椿から恋心を抱かれる。私生活がバレたら執事をクビになるかもしれない和巳は、偽名「歳三」を名乗り、椿を避ける。しかし一途に恋心を向けられ、和巳の方も椿に惹かれていく。正体を明かすに明かせない「沈黙」する執事とお嬢様の恋の行方に注目だ。
ブラック過ぎる企業に勤務するサラリーマンの日々を描いたギャグ漫画。武辣苦商事東京本社に勤めていた図画コーサクは、左遷されてFuckokaの墓多死社へ。だがそこは修羅の国だった。木にはパイナップル(手榴弾)がなり、ボスの反感を買ったものははりつけの刑に。そのような中、出勤した彼を待ち構えていたのは、数々の試練であった。
『社畜!修羅コーサク』の元ネタは『島耕作』シリーズである。1巻の帯には『島耕作』シリーズの作者である弘兼憲史から「許した」という旨の言葉が載せられた。本作はサラリーマンとして成功していく島耕作とは正反対の、社畜として理不尽かつ横暴な風習を乗り越えていく主人公・図画コーサクの姿が描かれている。物語の舞台は修羅の国・Fuckokaの墓多。こちらも福岡県の博多がモデルだが、同県の風習や名物がかなり過激なギャグ・コンテンツに改変されている。また図画に横暴な無茶ぶりをする周囲の人間もかなり個性的で、人外(ゴリラ)のお局から、実在の人物をモデルにしているような名前まで多岐にわたる。タイトルでも内容でもツッコミを入れずにはいられない一作だ。
地獄を舞台にした【暴食王】ベルゼブブと彼の従者・ソウの日常を描いたシュールなギャグ漫画。地獄の七大公爵のひとり、ベルゼブブは温厚で美形の青年。しかし彼は地獄でも類のない同種さえも食す「暴食」の性質を持つ。彼に仕えるソウはかつてベルゼブブに命を与えられた存在。ソウは主のために日々、食事を用意するのだった。
『Bの食卓』から想起されるのは往年の有名ホラーゲーム『Dの食卓』だ。本作は「D」ではなく「B」、主人公である「ベルゼブブ」のBが冠されている。ベルゼブブは産まれた瞬間に母親を食べてしまうほどの暴食の悪魔。そのために彼の性質を知る者は決して近寄らない。そんな彼の世話を一手に引き受ける従者の少年・ソウ。彼はギロチン台であったが、ベルゼブブが命を吹き込んだのだった。元々が道具だったために感情の起伏の少ないソウは、そんな恐ろしい主にも淡々として仕えている。また、ベルゼブブが同種喰いをするのは、愛した相手だけである。ただし簡単に相手に好意を持つベルゼブブは、クーポン券をくれたピザ配達員さえも食べてしまうのだった。
女子高生・イナホと吸血鬼のモスキートンが織りなすラブコメディ。イナホは祖母から受け継いだ魔導書を元にモスキートンと血の盟約を結ぶ。ふたりは伝説の宝「Oパーツ」を手に入れるために、共に冒険へと赴く。1996年に発売されたOVA『マスターモスキートン』のコミカライズ作品。また、1999年に『マスターモスキートン'99』のタイトルでTVアニメ化。
『マスターモスキートン』は往年の名作漫画『MASTERキートン』を連想させるタイトルだ。本作の主人公は容姿端麗、頭脳明晰、品行方正で生徒たちの憧れの的である女子高生のイナホと、タイトルに名を冠している「吸血鬼M」ことモスキートンだ。モスキートンはとてつもない力を秘めている吸血鬼だが、血の契約によってイナホに従っている。モスキートンは温厚な性格で、良家の令嬢なのにお金に対して執着心が強くパワフルなイナホに振り回されることが多い。イナホは伝説の宝「Oパーツ」を手に入れるため、モスキートンをボディーガードとして冒険に連れ出す。しかしその宝を狙う者は多く、さらにはモスキートンの長年の宿敵・サンジェルマン伯爵までもが立ちはだかるのだった。
ミステリアスでクールな美少女「小泉さん」が、愛するラーメンを食べまくるグルメ漫画。ある日、女子高生の大澤悠は転校生の小泉さんがラーメン屋の行列に並んでいるのを見かける。普段はクールなのにラーメンに情熱を注ぐ小泉さんに興味をおぼえた悠は、彼女と友人になろうと追いかける。2015年にTVドラマ化、2018年にTVアニメ化。
『ラーメン大好き小泉さん』は、藤子不二雄作品に登場する名物キャラクター「ラーメン大好き小池さん」を連想させるタイトルだ。またTVドラマ化の際には、かつてシャ乱Qがリリースした曲「ラーメン大好き小池さんの唄」をリメイクした「ラーメン大好き小泉さんの唄」(歌:こぶしファクトリー)が使用された。本作の主人公である小泉さんはクールでミステリアスな美少女。クラスメイト達との間には一線を引き、自由気ままにラーメンライフを楽しんでいる。ラーメンに対する知識も他の追随を許さない。さらには大盛りラーメンも苦なく食せる無自覚な大食漢でもある。また、他のキャラクターはフルネームが明かされているが、主人公である小泉さんは下の名前が不明で、ミステリアスな雰囲気の演出に一役かっている。