ラーメン大好き女子高校生が、ラーメン店を開拓していくグルメ漫画。小泉は、とある高校に転入してきた無口な女子高生。ミステリアスな存在とは裏腹に、無類のラーメンマニアだった。実在する店舗がモデルのラーメン店を訪ね歩いては、美味しそうに食べまくる。クラスメイトの大澤悠も、次第にラーメンの魅力にはまっていく。2015年にテレビドラマ化。2018年1〜3月にかけてはテレビアニメが放送された。
「ラーメンはつるんで食べるものではない」とは、小泉の言だ。とはいえ、女子高生が1人でラーメン店に入る姿はなかなか見かけない。それが、ロングヘアのクールビューティで、他者を寄せ付けない雰囲気であればなおさらだ。そんな彼女がサラリーマンに混ざり、制服姿でラーメン店の行列に並んでいる姿はやや異質。しかし、ラーメンが出てくれば、髪を一つに束ねて袖をまくり、恍惚とした表情で麺を啜る。読者は、汁も飲み干した彼女の充足しきった表情に共感すると同時に、胃袋も刺激されるだろう。作中に登場するお店が実在することもあり、漫画を片手に小泉が味わった一杯が追えるのも嬉しい。
落ちこぼれ商社マンが、ラーメン関連事業の担当となり成長していくグルメ&ビジネス成長物語。藤本浩平はラーメンへの造詣が深く、いつか自分の店を開業したいと夢見るサラリーマン。会社でもラーメンに関連するプロジェクトを担当することになり、実力を発揮していく。食べ比べやレシピ開発のエピソードも盛りだくさんだが、ラーメン店経営やチェーン店の展開について等、飲食業のビジネス面に触れる内容も多い。2004年10月にテレビドラマ化。スピンオフ作品に『らーめん才遊記』がある。
藤本は、残業は一切せず遅刻とサボりの常習で、「不良社員の三冠王」と呼ばれている問題社員。周囲からはリストラの心配をされているが、実は退社後、会社に秘密でラーメン屋台を引いているのでどこ吹く風だ。仕事にはイマイチ身が入らないが、ラーメンに関しては別で、知識も技術も豊富。いざ作らせてみると、プロを唸らせるほど巧みに極上ラーメンを作り上げる。そんな藤本の夢は、脱サラしてラーメン店を開くことだ。しかし、味には自信があるが経営と両立しないのが難しいところ。彼が参加するラーメン関連の業務を通じ、現実の厳しさもたっぷりと描かれている。細部まで描きこまれたラーメンを見ていると、藤本が作り上げた1杯を食べたくなる。
主人公が各地でラーメンを作るグルメロード漫画。源田義経は暴走族の総長で、実家は、市内で随一と絶賛されるラーメンの名店「がんてつラーメン」。父はラーメン作りに対してこだわりが強く、客に媚びを売ることなど一切しない頑固一徹。ある日、父が倒れ代わり店に立った義経は、ラーメン作りに目覚め修行の旅に出る。ラーメン批評やライバルとの調理対決シーンなど、グルメ漫画の要素もしっかりと押さえられているが、ホームドラマ要素も盛り込まれている。
義経は、父の仕事への頑固な姿勢に反発し、暴走族総長となって毎夜爆音を鳴り響かせていた。だが、インスタントラーメンの最も美味しい食べ方を見極めるなど、もともとは料理好き。ラーメン作りのセンスは抜群だ。常連客から「がんてつラーメンならもう1杯食える」と言われてきたご自慢のラーメンは、シンプルなビジュアルながら、素材はこだわりの店で仕入れた逸品だ。店を潰そうとするライバル店や、跡地を狙うヤクザと対決することになるが、暴走族時代の血が騒ぎながらも、ラーメンで勝負をつけようとするところに義経の深いラーメン愛が感じられる。
天才的なラーメン作りの腕を持つ男の生き様を描いたグルメ漫画。潮崎朗馬(ろうま)は、うだつの上がらないサラリーマン。彼女にフラれた後、街角のラーメン店「来来軒」に立ち寄り、ラーメンを「マズい」と豪快に評する男と居合わせる。朗馬は、そのまま代金を踏み倒して消えた男が妙に印象に残り、再び同じ店を訪れ、その男・榊原麺太(めんた)と再会。彼との出会いをきっかけにラーメン屋になる決意をし、型破りな麺太に振り回されながらも成長していく。
朗馬が「マズい」と感じたラーメンを、麺太は「痛快ラーメン」と称した。それは、「最後の一滴まで変わらぬまずさが痛快」という意味だ。しかし、口が悪いだけではないのが彼のすごいところで、厨房に立つと、店でいつも使われている材料にひと手間を加えるだけで極上の1杯を作り上げる。どこから来たのか、何をしているのかは不明な麺太だが、ラーメンに関する技術は本物だ。特にこだわりをもっているのが麺を湯から上げる際に行う「湯切り」で、「湯切りの良し悪しでラーメンの全てが決まる」と語る。ラーメンについて独自の理論を持つ麺太と、彼に見込まれた朗馬。ラーメンに対して真摯な2人の生き様に引き込まれるだろう。
中国を舞台に、拳法継承者の修行と戦いの旅を描いた格闘漫画。作者・ゆでたまごの代表作『キン肉マン』の人気キャラクターの1人、ラーメンマンを主人公としたスピンオフ作品だ。主に短編で構成されており、ラーメンマン誕生秘話や、ラーメンマンが継承した「超人拳法」の技術を狙う敵との戦いが描かれている。『キン肉マン』本編との直接的なつながりはなく「パラレルワールドである」と言明されており、1988年1〜9月にかけてテレビアニメが放送された。
タイトルの読みは「たたかえラーメンマン」。頭頂部から三つ編みになった辮髪(べんぱつ)に細長い口髭、加えて、額に掲げられた「中」マーク、というビジュアルに見覚えのある人も多いはずだ。本作では、彼がいかにして拳法の達人となったかが描かれている。超人ラーメンマンも、生まれた時から強かったわけではない。賊に父を殺されたという辛い過去がきっかけで、超人拳法の達人・陳老師の元、厳しい修行を積んできた。後に「中国拳法史上最強の1人」と呼ばれるまでになるラーメンマンが、己の甘さを認めより高みを目指す姿に、1つの道を究めようとする男の覚悟がうかがえる。