好きになった「人」は「人間」じゃなかった78 Pt.

『人外さんの嫁』が2018年10月にテレビアニメ化。人と人ならざる者の物語にほっこり癒され、切なく涙し、感動に酔いしれる（かもしれない）作品を特集。種族を越えた絆のストーリーをご覧あれ。

本作は、「人外さん」と呼ばれる生物と人間が共存している世界が舞台だ。人外さんから選ばれた者は、性別問わず「嫁」と呼ばれる。主人公・泊もごく普通の男子高校生だが、人から言われるがままに人外さんの嫁になる。泊の意志を無視した婚姻のように思われるが、泊は夫となるカネノギにメロメロになってしまう。カネノギは2メートルもある巨大なケモノ系の人外さんで、見事なまでにフサフサなその魔性の体毛に包まれると、人々は思わず魅了されてしまう。話すことも字を書くこともできないカネノギは会話ができないため、泊の頭をまるごと甘噛みすることで愛情を表現する。幸せな人外さんとの生活に、ほっこり笑って癒されることだろう。

犬夜叉は、目の前に現れた少女・かごめのことを嫌っていた。なぜなら、かつて犬夜叉と恋人関係にあり、自分を裏切って封印した巫女・桔梗に、かごめが瓜二つだったから。行動を共にしていくうちに、割り切れぬ過去を抱えながらも、かごめに恋心を抱ていく犬夜叉。一方のかごめもまた、口喧嘩をしつつも、どんどん彼に惹かれていく。作中では、人と妖怪の血を持つ犬夜叉の苦難が度々描かれるが、それを乗り越え、犬夜叉とかごめが絆を結んでいくストーリーは、まさに感動の一言だ。

本作の主人公・チセ（本名：羽鳥智世）は、特殊な力を持つために母に命を奪われかけ、家族から置き去りにされ、自ら人身売買に身を投じたという壮絶な過去を持つ。その人身売買がきっかけで、チセの夫であり師となる、骨頭の魔法使い・エリアスと出会う。チセはエリアスの外見に怯えることもなく、彼とともに事件に巻き込まれても、淡々としている。彼女がもっとも恐れるのは、自分が再び見放されることなのだ。エリアスも自分が人間ではないから、チセにあえて明かさないことも多々あり、それが原因ですれ違ったりもする。だがそんな2人は、周囲の協力もあり、次第に絆を深めていく。静かな感動を呼ぶ名作だ。

主人公・シーヴァは幼い少女で、呪われた者が棲む「外」の世界でもいつも明るく、楽しいことを探している。異形の者である「せんせい」は、そんなシーヴァに呪いが移らないよう、細心の注意を払っていた。それはシーヴァが、いつか「内」の世界の「おばさん」が迎えに来てくれると信じているからだ。せんせいは、彼女が「外」の世界に捨てられたことを知っている。だが、無邪気に迎えを待っているシーヴァに、せんせいは事実を伝えることはできない。せんせいは人知れずシーヴァのことを想い、苦悩する。せんせいのシーヴァに対する愛情と、それゆえにいずれ訪れるだろう孤独に、読み進める手が止まらなくなる作品だ。

主人公・公人はモンスター娘たちにモテモテ。最初に公人の家にホームステイすることになったミーアは、蛇の半身ゆえに寒さに弱く、ことあるごとに公人に抱きつき、混浴を迫ってくる。その後も、ハーピーやケンタウロスなど、さまざまな種族のヒロインたちがホームステイし、公人の家はさながらハーレムのようになる。彼女たちは、面倒見が良くて他種族への偏見を持たない公人のことが、大のお気に入りなのだ。お色気要素が満載の本作だが、ヒロインたちがモンスターであるため、描かれるシーンはどこかコミカルである。