オタク文化が盛んな国は今では世界中にありますが、中でも盛んなのはフランスで、1970年代頃には既にファンが生まれていたとされます。
1970年代末期、日本でも人気となった「UFOロボグレンタイザー」は視聴率70%オーバーという驚異的な数字を記録し、日本のアニメのテレビ放送は一大ブームとなりました。1980年代以降は「ドラゴンボール」、「聖闘士聖矢」、「キャプテン翼」などの少年漫画ものが爆発的ヒットを飛ばし、ファンたちがコスプレ衣装を着て集まる「ジャパンエキスポ」などのイベントも多数催されるようになりました。
女性に人気なのはもっぱら「美少女戦士セーラームーン」シリーズで、こちらもコスプレ衣装をはじめとしたグッズが大変な人気を博しました。
フランスのファンたちの特徴として、昔からあるものをとても大切にする点が挙げられます。
フランスが長い歴史の中で培ってきた風土は現在のアニメ文化の在り方にも色濃く表れており、21世紀に入った今でも先述したような作品が愛され続けています。
また、美術伝統が根付いているフランスでは造形物として日本のフィギュアを高く評価している人も多く、市場もとても活発であるようです。
一方、北米も負けてはいません。
最近ではそれまでフランスで催されてきたジャパンエキスポが初めて米国のカリフォルニア州、サンタクララで行われるなど、負けず劣らずの熱気を見せています。
ここでは、「ソードアート・オンライン」や「進撃の巨人」など、日本でも人気の作品に注目が集まっていたようです。
まだまだ解決していかなければならない問題も多いようですが、今後の開催にも期待されます。
また、北米では日本のアニメのDVDやBlu-ray Discが格安で流通し、人気を博しているのも特筆すべき点です。
大手ショッピングサイトamazonから日本でも簡単に購入できるため、今では日本のファンからも受け入れられています。
フィギュアでは、ヴァーチャルアイドル「初音ミク」をはじめとした美少女フィギュアの人気が特に高く、取り扱っているお店もたくさんあります。
ただ、米国に支店を出す紀伊国屋が、日本のアニメは米国のどこかの州の法律に抵触するおそれがあるとして、自主規制をかけたような問題も話題となっているようです。
異国の地では、広く知れるようになればなるほどこういった文化の違いから起こる問題があることを忘れてはいけません。
フランスでもアメリカでも、せっかくこうしてアニメ文化を通して互いに触れ合えているわけですから、今後も上手に共存、繁栄させていくことが期待されます。