隠れた名作『半分の月がのぼる空』とは?159 Pt.

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作品の舞台は「三重県伊勢市」。作中では、実際の町並みがほぼ忠実に再現されており、ファンによる聖地巡礼が盛んである。
肝炎を患った主人公「戒崎裕一」（えざきゆういち）が、病院で出会った美少女「秋庭里香」（あきばりか）と親交を深めていく所からはじまる。出会った当初は、「裕一」は「里香」の破天荒ぶりに振り回され大変な思いをするが、彼女はいつ死んでもおかしくない、心臓の重い病気であることを知る。
死ぬのは明日かもしれない、いつかもわからない恐怖と焦りの中、彼女への気持ちを自覚していく「裕一」。「里香」もまた、自分自身の境遇と残りの人生について考えていく――。
「里香」の主治医「夏目吾郎」、元ヤンキー看護師「谷崎亜希子」など、個性豊かな人間関係と複雑な想いが交錯する中、二人の恋の物語は進んでいく。

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「秋庭里香」は校内一の美少女という設定であるが、グラフィックを見てもわかるように、長い黒髪に可憐な容姿で視聴者をときめかせてくれる。「里香」のグラフィックを見て本作を視聴しようと思ったユーザーは、確実に多かったのではないかと推測できる。
実際に本作を見てみると、「里香」のかわいさは裏切らないことがわかる。前半の快活で天真爛漫な姿もかわいいが、後半の次第に弱っていく姿、気に悩む姿も、前半の「里香」とは大きく対比があって引き込まれていく。本作は、病弱な美少女と主人公が出会って恋が生まれるという、比較的どこにでもありそうな恋物語であるが故、もどかしいと思う視聴者もいるかもしれないが、「秋庭里香」のかわいさだけでも十分に楽しめるであろう。そのくらい、魅力的な登場人物である。

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主人公の「裕一」は、病弱でいつ死んでもおかしくない「里香」との関係の中で、様々な試練に見舞われ自暴自棄になっていく。
しかし、その時に支えてくれるのは、昔馴染みの友人たちや、周囲の大人たちである。時に「裕一」を叱咤激励し、時に「裕一」のために一肌脱いでくれる、そんな熱い気持ちをもった友人や協力者たちの援助によって、最終的に「裕一」はなにをしていくのかという部分が、本作の大きな見所である。日常にある「生死」を題材にした恋愛物語だが、読者それぞれに「生きていくことはなにか」を考えさせられる作品となっている。登場人物のセリフに重みがある。
テレビドラマや実写映画にもなり、様々なメディアで展開された本作。入り口は広いので、ぜひ興味をもって見てほしい。