配達人が活躍する漫画28 Pt.

手紙を運ぶ郵便屋さん、荷物を運ぶ配達人など、依頼人の思いや夢を運ぶお仕事。そんな配達人たちが活躍する作品を紹介。

本作で「テガミバチ」と呼ばれる郵便配達員たちの業務は、皆から一目置かれている国営の事業だ。テガミバチは、人々の大切な「こころ」を配達する。ラグは、依頼人から預かった「こころ」を受取人に伝えるため、こころを映し出す力を持つ「心弾銃」を使用する。しかし、テガミバチの本当の仕事は、人々から集めた「こころ」を使い、人工太陽の光が届かない地にいる巨大な生物・鎧虫（がいちゅう）を倒すことにある。鎧虫との激しいバトルと、人々の思いが紡がれる様々な「こころ」のドラマが、ハートを暖かくする物語だ。

「サンタクロース」を現代の職業で置き換えるならば、良い子にプレゼントを運ぶ宅配業者だ。伝説では、悪い子にお仕置きをして回る、黒いサンタクロース（クネヒト・ルプレヒト）がいる。黒いサンタクロースが悪い子に渡すプレゼントは、石炭やじゃがいも、臓物など。もっと悪い子については、鞭でお仕置きして、袋に詰めてさらってしまうそうだ。そんな黒いサンタクロースから勧誘された三春の初仕事は、悪い子に与えるプレゼントを決めるというもの。子どもごとにガッカリさせる指数が決められていて、その数字に見合ったプレゼントを選ぶのだ。楽しいクリスマスのために、かなりブラックな職場で賢明に働くというギャップが面白い作品になっている。

そのものズバリ、「宅配便」がテーマになっているギャグ漫画だ。ただし一般的な宅配便とは異なり、紅男は、大きな荷物も手持ちで運ぶことが多い。近所だからといって、会社から配達先まで荷物を持ち歩くのは、ギャグ漫画ならでは。「株式会社まごころ便」は、社名のとおり「荷物だけでなく“まごころ”もお届けすること」を社是としている。中規模の宅配業者で、個人宅への戸口宅配を主に取り扱っている。ライバル会社との競い合いや、顧客と織りなすドラマも面白い作品だ。

宅配業務の基本は、依頼主から荷物を預かり、指定の場所まで配達することだ。本作は、主人公・唐津が、依頼者（死体）のぼんやりとした残留思念を聞き出し、荷物（死体）の運び先を推測するという、宅配業務がミステリーの謎解き要素にもなっている異色の漫画。さらに、依頼者自身は死んでしまっているため、送料を支払えない。荷物の配達先が正しいか、送料が手に入るかどうかは、仕事をしてみなければ判らないというリスキーな一面もある。コメディチックな部分もありながら、先の展開が気になる作品だ。