冒険心あふれる作風が魅力！「田村由美」特集6 Pt.

主人公の巴がローラースケートアクションを繰り広げながら、巨大な陰謀に立ち向かう物語。友人を亡くしたばかりの巴はスタントマン養成所「緑の船」の教官である上総に依存していた。だがその後、養成所の仲間から「緑の船」がスパイやゲリラの養成所であることを知り、この問題を解決するために謎めいた男性、東条伊織の元へ行けと言われる。上総に騙されていたことを知った巴は、伊織の元へ向かう。伊織は養成所のスポンサーである東条家総帥の隠し子であり、彼は隠匿生活を捨て東条家の次期総帥として名乗りを上げる。巴はそんな伊織に命懸けで仕えると決意。それは主君とともに戦場を疾駆した美しき女武者「巴御前」のようであった。

物語の舞台は二十世紀に一度滅びを迎え、それから三百年が過ぎた日本。この世界では「日本王国」による圧政で人々は苦しんでいた。主人公の更紗と彼女の双子の兄・タタラは山陰地方の村に産まれる。だが予言で「運命の子」と人々から信望されたタタラは、日本王国国王で西国を担当する「赤の王」の軍に殺されてしまった。更紗は男装して兄のフリをし、人々を導くことに。その後彼女は朱理という青年と偶然出会い、恋に落ちるが、彼の正体は兄の仇であり敵軍の将「赤の王」だった。更紗と朱里は互いに正体を知らないまま惹かれ合い、やがて残酷な闘いの運命に導かれていく。

本作は天変地異によって滅びかけた地球で生き残るために抗い続ける若者たちを描いた群像劇。タイトルの「7SEEDS」とは、本作において各国の政府が行ったプロジェクトの名前である。近い未来に天変地異で氷河期と同じ状況になると予測された世界。各国から健康状態や特殊技能などの条件から選ばれた若者たちが冷凍睡眠にかけられ、目覚めた世界で生きていくことに。日本では7人ずつの5チームに分かれていて、物語はそのうちのひとつ「夏のBチーム」の視点から始まる。わけもわからず海上に放り出された岩清水ナツと青田嵐、麻井蟬丸、早乙女牡丹の4人は、流れ着いた島で生き延びるため必死にサバイバル生活を送っていく。そんな彼らを待ち受けるのは絶望と恐怖、別離、そして未来を生きるという希望であった。

古風な家の令嬢だがマイペースで、野球と「つるちゃん」が大好きな女子高生の「のーこ」。「つるちゃん」はのーこの父親に世話になったことから、のーこのお目付け役として奮闘する青年だ。のーこの日々は波乱に満ちており、ある日はペットの亀がきっかけで誘拐犯を追い掛けることになり、またある時は爆発に巻き込まれてタイムスリップして織田信長の妻の身代わりになり、ときには幽霊に取り憑かれて行方不明となったつるちゃんを探して殺人事件に巻き込まれたりする。一方つるちゃんがメインの物語もあり、そちらでは彼の過去のエピソードが綴られている。かつて彼はやんちゃなバイク乗りだったが、優しく仲間想いな性格から抗争を止めようと通報。結果仲間から離れることになるのだった。

本作の主人公である久能は鋭い観察力と記憶力をもつが、どこまでも冷静でマイペースな大学生。殺人事件の容疑者にされた際も、取り調べをする警察官との会話の中からヒントを得ては彼の中で推理を組み立てていく。そうしながらも、事件とは関係のない警察官の悩みや心に寄り添い、信頼や協力を得ることに成功する。豊富な知識と、集めた情報から、久能は取り調べ室の中にいながらにして鮮やかな推理を披露。真犯人を見つけ出し、事件を解決するのだ。その後、久能を見込む警察官や、事件で知り合った人物がさまざまな謎を持ち込んでくるようになり、彼は否応なしに事件に巻き込まれていくのだった。