たった1人で高座に上がり、話術と身振りのみで無限の世界を紡ぎ出す落語家。その芸の道は奥深く、漫画の題材としても魅力的だ。今回はそんな落語の世界を描いた作品をピックアップ。
江戸の笑いと粋を継承する伝統話芸の魅力に浸ろう!
出典:講談社
たった1人で高座に上がり、話術と身振りのみで無限の世界を紡ぎ出す落語家。その芸の道は奥深く、漫画の題材としても魅力的だ。今回はそんな落語の世界を描いた作品をピックアップ。
出典:マンガペディア
運命的な出会いをした師弟を中心に、昭和初期から平成初期に掛けての落語界の変遷を描いたヒューマンドラマ。昭和最後の大名人と謳われた落語家・有楽亭八雲。彼が慰問に訪れた刑務所で演じた「死神」に感銘を受けた与太郎は、出所と同時に弟子入りを志願する。弟子は取らないと決めていた八雲だが、自由奔放な弥太郎にある人物の面影を感じ、弟子入りを承諾。やがて2人の間には、強い絆が生まれていく。
有楽亭八雲は、妻も娶らず弟子も取らず、落語と心中すると言い放ち、芸に全てを捧げる孤高の落語家だ。そんな八雲が、突然転がり込んできた与太郎の弟子入りを認めたのには、理由があった。それは与太郎が、かつての八雲の盟友・有楽亭助六を忍ばせる雰囲気を醸し出していたからだ。八雲と助六は、同じ日に同じ師匠に入門。対照的な性格ながら不思議と馬が合い、始終一緒で悪さをしつつ、話芸で凌ぎを削っていた。しかし、助六は志半ばにして事故で死亡。以後、八雲は孤高の道を歩んできた。物語は、八雲と与太郎の出会いを皮切りに、八雲の修業時代から晩年に至るまでを描いていく。芸に打ち込む師弟の絆と周囲の人情、噺家の粋、時代の流れと落語界の変遷。様々な要素を絡めながら進むドラマティックな落語漫画だ。
出典:小学館
寄席を観て感動した青年が落語家に弟子入り。噺家として成長していく姿を描いたヒューマンドラマ。保育園で働く関谷翔太は、園児たちに披露する出し物の幅を広げるため、園長先生に連れられて寄席を訪れる。そこで翔太は、惜春亭銅楽の落語に衝撃を受ける。話芸の奥深さに感動した彼は、その日から落語の魅力に取り憑かれていく。やがて翔大は、惜春亭銅楽に弟子入りを志願する。
『夏子の酒』で日本酒の魅力を広めた作者・尾瀬あきらが、日本の伝統芸・落語を深く掘り下げた意欲作。主人公・関谷翔太は、保育園に居心地の良さを感じながらも、自分にとって一生の仕事ではないとも思っていた。そんな翔太は、惜春亭銅楽の話芸に感動。落語に人生を賭けようと心に決める。本作の特徴は、落語のネタを漫画として表現していること。「時そば」「寿限無」等の滑稽噺から、「文七元結」のような人情噺まで、様々な落語が情景豊かに描かれている。ちなみに本作は、実力を高く評価される落語家・柳家三三を監修に迎えている。コミックスの巻末には、各エピソードで語られるネタの解説があり、落語の入門書としても好適な内容だ。
出典:マンガペディア
落語家の家庭に生まれ育った女性と、その周囲の人々が織りなす賑やかな日常を綴ったハートフルな人生劇場。主人公・丸山珠子は、上方落語界の重鎮・桜花亭春福を父に持つ、19歳の女子大学生である。物心つく頃から父の弟子たちに囲まれて暮らしていた珠子は、騒々しい環境にうんざり気味。そんな珠子だが、住み込みの弟子たちと触れ合ううちに、少しずつ芸の世界に興味を持ち始める。
偉大な親を持つ子どもは、多かれ少なかれコンプレックスを抱くもの。本作の主人公・丸山珠子は、まさにそんなコンプレックスを抱える女性である。父は上方落語界の大名跡を継ぐ、五代目・桜花亭春福。珠子は、落語に興味はないものの、父のように夢中になれる何かを探していた。彼女は、バレエ、ロック、漫画、劇団など、様々なものに手を出す。しかし、熱しやすく冷めやすい性格も災いして、全てがモノにならず終い。そんな中、珠子は父の内弟子の1人、桜花亭春々に目を止める。春々が内弟子になって5年。鳴かず飛ばずの状況にもめげず、真摯に努力を続ける春々の姿は、珠子の心に小さな変化をもたらしていく。
出典:講談社
高校の落語研究会(落研)を舞台に、落語に青春を賭ける男女の姿を描いた、ユニークな学園コメディ。物語の主人公・坂井日菜子は、内気な性格で運動音痴、友達もいない平凡以下の女子高校生。日菜子は、ある日、寄席見物の帰り道で、転入生・有川真帆とバッタリ遭遇する。真帆は、成績優秀でスポーツ万能。オマケにモデル並みの容姿を備えた「完璧女子」である。あらゆる面で対照的な2人だが、お互い落語が好きだと知って意気投合。盛り上がった日菜子と真帆は、落語研究会の創設に向けて動き出す。
主人公・坂井日菜子と転入生・有川真帆は、「落語好き」であることから意気投合。落語研究会の創設を目指す。しかし、同好会として認められるには、最低3人のメンバーが必要だ。そこで日菜子と真帆は、3人目のメンバー候補を探し始める。彼女たちが目を付けたのは、同学年の少年・梶浦悠太。日菜子は、寄席で何度か彼の姿を目にしていたのだ。校内でも指折りのイケメン男子の悠太だが、実は名門W大学・落語研究会入りを目指す根っからの落語好き。ところが悠太は、「高校でのお遊び落語には付き合えない」というつれない態度。日菜子と真帆は、悠太をその気にさせるべく、思い切った手段に出る。立場や性格は違えども、落語への情熱は誰にも負けない3人。日菜子たちは互いの落語観をぶつけ合い、芸道中心のスクールライフを送っていく。
出典:双葉社
大学の落語研究会を舞台に、女子3人が和気藹々と過ごす日常を描いた4コマ・コメディ。加藤茶子は、芸達者だが、内気で人前では喋れない。京マチコは、落語家の孫でありながら、落語の理解はサッパリ。北大路アンナは、偶然入った寄席で落語に目覚め、落研入会を決意した津軽弁女子。個性豊かな3人の女子大生は、それぞれのスタンスで落語と向き合い、成長していく。
大学の落研は、落語界への登竜門のひとつ。プロとして活躍している有名落語家の中にも、大学の落研出身者は多い。六代目・三遊亭円楽、立川志らくも落研出身だ。また、落語界だけでなく、落研出身のタレントや芸人も数多く存在する。もっとも、かつては隆盛を誇った落研も、落語人気の斜陽化で、他のサークルに押され気味。本作の立川大学・落研も、部員の確保に四苦八苦する状況だ。顧問がプロの落語家という恵まれた環境にも関わらず、部員は加藤茶子と京マチコの2名のみ。そんな中、津軽弁女子・北大路アンナが加わったことで、新たな化学反応が生まれていく。
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