悪を司る悪魔が主役のバトル漫画！オススメ漫画５選78 Pt.

元々、主人公の明は内気で純粋な心を持った少年だった。彼がデーモンと合体しデビルマンとして戦うことを選んだのは、彼に人間を守りたいという優しい気持ちがあったからに他ならない。ところが、そんな彼を待ち受けるのは過酷で残酷な運命だ。デーモンと合体した結果、性格が強気で好戦的なものに変化した明。かつての自分を捨ててまで守ろうとした人間は、誤った情報に踊らされ、デーモンの可能性がある者を片っ端から排除していくデーモン狩りを行うようになる。疑心暗鬼に陥った人間の行いは、本物の悪魔よりも悪魔的だ。本作には、デビルマンとデーモン族の戦いを通し、人間の残酷さや醜悪さも描かれている。容赦なく畳み掛けてくる絶望的な展開に、読者は身震いすることだろう。

本作の舞台となるのは、悪魔が当たり前のように存在する世界だ。一口に悪魔と言っても、その姿や能力は千差万別。「ゾンビの悪魔」や「トマトの悪魔」など、様々な悪魔が存在し、人間の脅威となっている。注目すべき点は、全ての悪魔が動植物や概念などの名前を持って生まれ、その名前に対する人間の恐怖心の度合いによって悪魔の力が変化する、ということだ。例えば、トマトに恐怖心を抱く人間はそうはいないだろう。よってトマトの悪魔はあまり強くない。一方、ゾンビは多くの人間が恐怖心を抱くものだ。よってゾンビの悪魔は強い、ということなのだ。「チェンソーの悪魔」に変身できるようになったデンジが、様々な強さを持つ悪魔たちとどのように対峙していくのかに注目しよう。

「悪魔くん」と名のつく作品は複数あるが、ここで紹介するのは山田真吾を主人公とした少年マガジン版の『悪魔くん』だ。悪魔くんは悪魔召喚の儀式を行い、悪魔メフィストを喚び出すことに成功する。しかしメフィストはやる気がなくケチな悪魔で、喚び出した悪魔くんに無条件で忠誠を誓ってくれるわけではない。何かを頼むごとに料金を請求してくるのだ。そんなメフィストと付き合っていくために必要不可欠なものが、ソロモンの笛だ。ソロモンの笛は悪魔を操る力を秘めた笛で、ファウスト博士から悪魔くんに託された。悪魔くんはソロモンの笛を利用しながらメフィストを使役し、目的の前に立ちはだかる悪しき存在を退治していく。悪魔くんの目的は達成されるのか、その結末を見届けよう。

悪魔凱戦とは数世紀に1度行われる悪魔たちの催事で、総勢496体の悪魔が各々の人間に力を与え戦わせるというものだ。宿った人間が最後まで生き残れば、それは悪魔にとって最高の名誉となる。そして生き残った人間には、どんな願いでも1つだけ叶える権利が与えられるのだ。しかし人間側のメリットを提示したにもかかわらず、ゆこは悪魔凱戦に対して欠片も興味を示さなかった。学生である彼女にとって最も大切なことは勉強。それゆえに、ギギラが戦闘を始めたところで気づきもしない。ゆこが自分に意識を向けてくれないと戦えないギギラは、一生懸命ゆこの気を引こうとする。必死なギギラと、そんなギギラを無自覚にスルーするゆこのギャップが愉快な作品だ。

50年ほど前、人間の行為と天変地異が原因で、砂漠こそが世界の全てになってしまった。残った僅かな人間は懲りずに争いを続け、やっと争乱が落ち着いたと思ったのも束の間、今度は砂漠の命であるたった1本の川の流れが止まってしまう。残った僅かな水は胡散臭い国王が独占して国民に販売し、ほとんどの者が水にありつけなくなってしまった。そんな世界で生きている悪魔の王子ベルゼブブは、実に悪魔らしくない少年だ。彼は人間がいなくなったらつまらないと言い、その生命を奪うどころか、手に入れた水を渇きに苦しむ人間に分け与えることさえしていた。好感が持てて魅力溢れる悪魔ベルゼブブが、人間のラオと共に旅をすることでどんな成長を遂げるのか、最後まで目が離せない。