親を亡くした男四人兄弟の日々を描いた人間ドラマ。二年前に両親を喪った柚木家の息子たちは、四人で協力しながら生活している。だが三男の湊は最近不満を持っている。それは長男で家族の親代わりの隼が、次男の尊ばかりを頼りにしていることだった。
本作の主人公である柚木家の四人兄弟は、二年前に両親を喪った。長男の隼が社会人になりたてで、次男の尊と三男の湊は中学生、末っ子の岳はまだ小学生。弟たちの親代わりを務めようとする隼が、しっかり者の尊ばかりを頼りにしていることを湊は不満に思っている。彼なりに家族の役に立とうと張り切る湊は、末っ子の岳が花火大会に行きたがっていることに気づく。両親が死んだ後、岳は花火大会に行っておらず、花火をちゃんと見た記憶がなかったのだ。そんな岳の気持ちに気づいた湊は、ふたりだけでお祭りに行き、花火を見ようと計画するのだった。
常識人の兄と変人の弟の日常を描いた仲良し兄弟コメディ。幼い頃に両親を、さらに育ての親であった祖母も亡くして高校生ふたりで暮らす本橋貴也と智也。彼らは今日もちょっと過剰な愛情表現をしながら兄弟仲良く暮らしている。そして兄弟の周囲は隠れ腐女子、魔法少女マニア、おまけにストーカーなど、ちょっと変わった人たちばかりだった。
本作はBL読者層をターゲットにした作品だが、基本は主人公兄弟をメインとした人々のおかしな日常を描いたコメディである。常識人な兄の貴也と、変人な弟の智也、彼ら本橋兄弟は身寄りを亡くしてふたり暮らし。そんな環境からか弟の智也は貴也にいつもべったり。何かと兄のスマホにメッセージを送ってくるが、それもあまりに量が多いので返信するのが面倒になった貴也が、ハムスターの画像を送るだけで済ませてしまうほどだ。他にも智也は「キャラ弁」ならぬ「俺弁」を作ったり、変なポーズで兄の気を引いたりしようと試行錯誤とする。兄にかまってほしい弟の行き過ぎた行動が、シュールながらも微笑ましい作品だ。
唯一の身内である兄を喪った女子高生と、未亡人となった兄の嫁の切なく優しい日々を描いた物語。女子高生の岸辺志乃は、幼い頃に事故で両親を、そして半年前に唯一の肉親である兄を喪った。彼女は今、兄の妻であった希と二人で暮らしている。たったひとりの家族と最愛の夫を喪ったふたりは、本当の姉妹のように寄り添って生きていた。
本作に登場するきょうだいは、血の繋がらない義理の姉妹である岸辺志乃と希である。幼い頃に両親を喪った志乃は、唯一の肉親である兄の大志と暮らしていた。そんな大志が高校生の時、恋人となったのが希だ。それからふたりは付き合い続け社会人になって入籍、志乃は高校生となった。だがまもなく大志は過労と体調不良から会社で仕事中に急逝。以来、志乃と希は大志の思い出を語りながら暮らしている。志乃まだ若い希に新しい幸せを得てほしいと思う一方、一人きりになるのを恐れていた。また希は長い間ずっと想い続けた最愛の人を喪い、たったひとりの忘れ形見の志乃に依存していく。互いを繋ぐ兄という存在を失った不安定な関係ながらも、ふたりはその絆を深めていく。
両親の再婚によって姉妹となった女子ふたりの、の食事を通じた交流を描いた物語。女子高生のサチは明るく陽気で、同じく女子高生なあやりは人見知りする性格。そんなふたりは、両親の再婚によって姉妹になってしまう。しかも両親は、長期の海外出張に出てしまった。なかなか打ち解けられないふたりだったが、料理をきっかけに仲を深めていく。
親の再婚で義理の姉妹となったサチとあやりは、正反対な性格をしている。人見知りで表情が硬いあやりに対して、陽気なサチはどう接して良いのかわからなかった。そんなある日、出張中の父親から生ハム「ハモン・セラーノ」の原木が届く。それをみたあやりは目を輝かせ、慣れた手つきで調理を始めるのだった。あやりが料理好きだと知ったサチは、ふたりで美味しいご飯を食べながら、お互いに仲良くなりたいという気持ちを打ち明け、少しずつ仲を深めていく。料理が苦手だったサチはあやりに教わりながらプリンなどのお菓子作りに挑戦するようになったり、あやりの人見知りが少しだけ改善され、学校でも友人が出来ていくなど、料理を通して成長するふたりの姿も描かれる作品だ。
外では完璧、内ではグータラな女の子の姿を描いた日常系コメディ。アパートで兄の土間太平(タイヘイ)と暮らす妹の埋(うまる)。彼女は学校では容姿端麗で文武両道な、完璧な女子高生である。だが、ひとたび家に帰るとうまるはわがままでジャンクフード大好きなグータラ妹「干物妹(ひもうと)」に変身するのだった。2015年TVアニメ化。
本作の主人公であるうまるは、十歳上の兄タイヘイとアパートでふたり暮らしをしている。外では才色兼備な優等生のうまるだが、家ではグータラでワガママ放題。漫画とゲームにハマって夜更かしをし、大好物はジャンクフードとコーラという不健康な日々を送っている。そんな妹の世話と家事、仕事に追われる兄のタイヘイだが、有能で心優しい彼はそれらをてきばきとこなしてしまう。うまるのワガママについても、彼女の将来を心配して叱りつけるが、最後にはなんだかんだ彼女を甘やかしてしまう。そしてうまるもそんな兄を軽んじているように見えながら、彼の事をとても大切に思っている。基本的にはうまるに振り回されるタイヘイという構図でストーリーが展開されるが、そういった中でもきょうだいの仲の良さが感じられる作品だ。