『邪神ちゃんドロップキック』で話題の美少女絵師「ユキヲ」特集！オススメ漫画５選31 Pt.

邪神ちゃんは悪魔である。ゆるくウェーブのかかったふわふわの金髪を瞳と同じ空色のリボンで結んでいる。まつげは長く瞳はぱっちりと大きい。どこからどう見ても完璧な美少女なのだが、下半身はコブラのような尾になっている。全身をみると、人外であることがしっかりとわかる。普段はお嬢様口調なので容貌と相まって天使にすら思えるのだが、性格は狡猾かつ残忍。まさに悪魔である。そんな悪魔と同居することになってしまったゆりねは大丈夫なのかと心配になるが、一切の心配ご無用。ゆりねは悪魔以上に悪魔的な性質を持っているのだ。召喚者が死亡すれば、悪魔は魔界に帰ることができる。その法則を利用して邪神ちゃんは帰還を試みるのだが、ゆりねは邪神ちゃんの攻撃を全て返り討ちにし、お仕置きとばかりに尾を斬ってしまう。人間が悪魔よりも強いという状況、邪神ちゃん的には辛いだろう。しかし、屈辱に耐え現代の日常に対応しようとする姿はいじらしい。

ランは大学を首席で卒業、一流商社の内定を蹴っているという驚きの経歴の持ち主だが、基本的にはダメ人間である。しかも自身が世間に認められていないということに不満を持っており、ブログの閲覧数で一喜一憂している。物語の舞台はSNS大流行の現代からは少し前だが、SNS時代だったら相当感情の揺れ幅が大変だろうなと想像に難くない。美人で優秀で大金持ちでもダメなものはダメ、という珍しいタイプだ。そんな姉の面倒を一手に引き受けているのがパンドラだ。受験や就職に失敗し、コミュ症を拗らせて引きこもっていた。同年代の女の子が働いている姿に刺激を受けたこと、そして姉がこれ以上ダメ人間にならないようにと働くことに。大変健気である。ランは様々なことに悪態をつくが、姉としてパンドラのことは心配している。姉妹には確かな絆があるのだろう。とはいえランはパワフルでよく先走り、パンドラの気苦労は絶えない。

九鬼まりかはいわゆる、「不思議ちゃん」である。不思議ちゃんと呼ばれてしまう人間の多くは、独特な世界観を持つことで、多くの人から「ちょっと変わっている子」と認識されている。マイペースで世間から少しズレた言動をしてしまうからこその分類だ。多くの不思議ちゃんがふわっとした柔らかいイメージをもっているのに対し、まりかはふわふわ天然の不思議ちゃんというわけではない。不思議な言動という意味では該当するのだが、気の置けない関係の人に対しての言動には容赦がないのである。人を困らせたり、驚かせたりすることが好きな一方、ガキ大将的なところもあって小学生男子のようだ。外見はかわいいだけに、ギャップがものすごい。言動に翻弄されるとは思うが、慣れてくればどこかでサプライズを仕掛けてくる、愉快な友人というポジションになるだろう。付き合い方にコツは必要だが悪気はない。振り回されるが楽しい日常が送れそうだ。

クレオパトラは通称パトラ、プトレマイオス星からやってきた王女である。黒髪のおかっぱ頭にシンプルな王冠、服装も古代のエジプト人のもののようだが、異星人なのである。けして古代エジプト人ではない。地球は生命の存在している星の中で最も文明レベルが低いらしく、まだ幼いパトラでも容易に侵略できるだろうとの理由で、夏休みの自由研究を実行するターゲットとして選ばれた。地球、大変なピンチである。とはいえ大戦争が勃発するわけではない。逆に捕らわれの身となってしまったパトラは、地球人姉妹、れあとのあの家で同居生活を送るようになる。地球侵略というよりは、異星間ホームステイだ。技術の発達レベルとしては、確かにプトレマイオス星のほうが進んでいるようだ。しかし、どんな場所でも住んでいて楽しいことはたくさんある。さながら地球は田舎の祖父母の家ポジションか。パトラが姉妹と共に、地球での夏休みを満喫してくれると嬉しい。

ごっパラは神様が住む世界である。ゼウスやポセイドン、ハーデスや学園の王であるガイアはギリシャ神話の神々だが、天照大神といった日本人にとってお馴染みの神様も登場する。ごっパラにはすべての神様は美少女になるという共通点はあるが、国境はないらしい。当然、神様が住んでいる場所なのでヒトは存在しないはずだった。そんなごっパラでヒトが生活することになるのだから、生徒たちが興味津々なのも無理はない。しかも、転校初日にゼウスに襲い掛かり、制服一式を奪い去るという事件が発生している。嫌がらせではなく理由はちゃんとあるが、これも神々の気まぐれかと大地に同情を禁じえない。しかし、大地の女神ガイアの加護を受けたことで、神様以上の力を持ってしまっており、「普通」のヒトではない。神様っぽい無茶ぶりはあるものの、見た目は同年代の少女たち。神様の青春も、人間の女の子と大きく変わらないのかもしれない。