生徒たちを「病魔」から守る養護教諭の戦いを描いた学園ホラーコメディ漫画。主人公は、常伏中学校に赴任してきた新任養護教諭・派出須逸人(いつひと)。恐ろしげな風貌の彼は、生徒たちから「ハデス先生」と呼ばれ恐れられている。そんな彼には、人の弱き心に巣食う「病魔」という存在から生徒たちを守るという使命があった。派出須は「病魔」の存在を知った一部の生徒たちと交流しながら、今日も「病魔」に立ち向かい、人々をその脅威から救っていく。
「病魔」とは、人に取り憑いて悪さをする存在だ。人間は誰でも「悩み」や「迷い」を抱えており、日常生活における様々な場面でストレスを感じている。ストレスに耐えきれず精神が弱ったとき、人は「病魔」につけ込まれてしまうのだ。「病魔」の目的は取り憑いた人間を支配すること。一口に「病魔」と言っても種類は様々で、変貌型・影響型・空間影響型・複合型などが存在する。そんな「病魔」を祓い生徒たちを守る役目を担っているのが、主人公の派出須だ。彼は見た目はホラーだが優しい心を持った人物。派出須が生徒たちと交流しながら「病魔」を屠っていく様が、本作の大きな見どころだ。何故、彼が「病魔」と戦う術を持っているのか。その秘密にも注目したい。
地味なメガネ男子と、彼にちょっかいを出すギャルのラブコメディを描いた作品『やんちゃギャルの安城さん』のスピンオフ漫画。やんちゃなギャル・安城アンナが通う高校の保健室には、セクシーな養護教諭・小牧先生がいる。彼女は思春期の生徒たちの様々な悩みを聞き、その成長を見守ってくれる存在だ。そしてその保健室には、毎日のように悩みや葛藤を抱えた生徒たちがやってくるのだが、小牧先生はそんな生徒たちに向き合い、彼らを導いていく。
養護教諭の仕事は、具合が悪かったり怪我をしたりした生徒への対応だけではない。学校生活の中で様々な悩みを抱えている生徒の話を聞き、ストレス軽減に協力することも大切な仕事の1つだ。本作の主人公である養護教諭の小牧先生も、保健室を訪れる生徒たちから毎日様々な相談を受けている。彼女はサバサバした人間で、優しく親身に話を聞き生徒の全てを肯定してくれるというタイプではない。しかし、生徒を思う気持ちは本物であり、アドバイスも的確。小牧先生のおかげで、悩みを抱えていた生徒たちは救われ、それぞれが前を向いていく。『やんちゃギャルの安城さん』との繋がりもあるため、本編を読んだことがある人ならより楽しむことができる作品だ。
とあるマンモス校に赴任した養護教諭のハチャメチャな日常を描いたコメディ漫画。物語の舞台となるのは、燕舞台学園。小学校・中学校・高校があり、総生徒数は4000人という超マンモス校だ。主人公は、この学校に養護教諭として赴任してきた女性・南園若葉。彼女は生徒たちとともに過ごす青春をとても楽しみにしていた。ところが、若葉の夢見た未来は呆気なく崩れ去ることになる。燕舞台学園には13もの保健室が存在しており、そのいずれにおいても、養護教諭の雰囲気はおかしいものだった。
生徒数4000、東京ドーム10数個分という広大な敷地を持つ超マンモス校・燕舞台学園。この学園には複数の保健室がある。保健室の1つ1つにそれぞれ養護教諭がいるのだが、養護教諭たちは皆個性豊か。競泳水着に白衣姿の養護教諭や、SM女王様な養護教諭、アイドル養護教諭などが存在しており、保健室の内装もそれぞれの個性が反映されている。生徒数が多いため、保健室が複数必要であることはまだ理解できる。しかし、何故こうも差別化されているのか。実は燕舞台学園では、保健室が生徒たちの支持率によってランク付けされているのだ。若葉にあてがわれているのは、最下位である「第12保健室」。若葉は学校内で巻き起こる養護教諭たちの人気争奪戦に巻き込まれていくことになる。
隠れオタクな保健室の先生を中心に描かれるオタ充日記。とある中学校に赴任してきた新任養護教諭・桃山虹子。美しくクールな彼女は、瞬く間に生徒たちの注目の的となった。そんな虹子には、ある秘密がある。それは、ガチのオタクであるということ。2次元のことになると、冷静さを保っていられず熱く語り出してしまうのだ。ある日、虹子が隠れオタクであるということが、保健委員を務めている中学2年生の少年・栗田保にバレてしまうところから物語が始まる。
中学1年生の頃から保健委員をしている少年・保。彼はその立場ゆえに、新しい養護教諭・虹子と一緒にいることが多い。ある日、いつものように保健室で保健委員の仕事をしていた保は、虹子の白衣のポケットから何かが落ちたことに気がついた。拾い上げてみると、それはソシャゲキャラのぬいぐるみ。アニくじの景品で、入手するのがとても大変だという代物だった。その出来事がきっかけで、虹子が隠せていない隠れオタクであることを知った保。虹子は自身の秘密を知る保の前ではオタクっぷりを出すようになり、そんな虹子に保は恋心を抱くようになる。本作の魅力は、虹子を通して数々のオタクあるあるが描かれている点だ。多くの人がオタクの内情を知り、物語を楽しむことができるだろう。
学生たちが自身の心と向き合う「特別授業」に参加させられる様子を描いた、ダーク・ファンタジー漫画。自身の体についてあるコンプレックスを抱えている高校1年生・一条真白。ある日、真白は白衣を身に纏った見覚えのない女性から「一緒に保健室まで来てほしい」と声をかけられ、地下の保健室へと誘われる。そこでは、学校を「卒業」するための「特別授業」が週に1回行われていた。真白も「特別授業」に参加することになり、その中で自身が抱える問題に向き合っていくことになる。
真白にはある秘密があった。それは、上半身は男だが下半身は女であるということ。ずっと男性として生活してきた真白であったが、最近になって初潮が訪れ、大きなショックを受けていた。そんな真白が地下の保健室で「特別授業」を受けることになるところから物語は動き出す。その保健室は毎週木曜日の放課後にだけ現れる不思議な場所。「特別授業」を受ける者はベッドに横たわり、夢の中でそれぞれの課題をクリアすることで学校を「卒業」できる。真白の課題は「性別」だった。授業に参加している生徒は真白だけではない。生徒たちは夢の中で自身の闇と向き合いながら「卒業」を懸けて戦うことになる。真白は無事に「卒業」することができるのか。ページをめくる手が止まらなくなる作品だ。