プロの漫画家が多数参加する同人サークル「作画グループ」によって制作された合作漫画。、漫画を製作するうえで、映画のように監督、脚本、演出、衣装と細かい役割分担を行い、各キャラクターを「キャスト」として複数の漫画家が執筆している。数十人の漫画家が参加しているが、いわゆるお祭り企画とは一線を画す、統一感のある内容に仕上がった作品。
2016年に解散しているが、「作画グループ」は、50年以上の歴史を誇った老舗同人サークル。大塚英志、清原なつの、聖悠紀、六田登など多数のプロ漫画家が所属し、最盛期には会員数1000人を超える大所帯でもあった。本作の原作と監督は、グループの代表であるばばよしあき、演出と衣装デザインは聖悠紀、そして脚本と監修をみなもと太郎が務めている。その他にもキャスト、効果などで多数の会員が制作に参加。その内容は、民間宇宙船の遭難事故から始まる壮大なSF冒険漫画だ。勇敢な民間パイロットのアキラと、軍の長官の娘であるミオは、多くの人間と共に謎の惑星に不時着をし、惑星の現住民たちの争いに巻き込まれていくことになる。
『月刊アフタヌーン』創刊10周年を記念して、同誌の連載作家たちが参加し執筆した合作漫画。この企画は好評を博し、後に14周年ではその第二弾が行われていた。この単行本には、第一弾『大合作』と第二弾の『大合作2』両方が収録されている。ちなみに『大合作』はトニーたけざきが、『大合作2』は園田健一が構成及び製作指揮を行い、そして両作品ともにあさりよしとおがスーパーバイザーを担当している。
本作は数ある合作漫画の中でも、参加人数が桁外れに多い作品だ。なにしろ、第一弾、第二弾共に40名以上もの漫画家が、それぞれの作品のキャラクターを持ち寄り、ひとつの漫画を創りあげている。ちなみに『大合作』は、テレビ番組をザッピングする形でマラソン大会、クイズ番組、通販番組などに各キャラクターが登場するという内容。そして『大合作2』は、『砲神エグザクソン』の登場キャラ「加農砲介」が院長を務める、大病院を舞台にしたスラップスティックコメディとなっている。両作品とも、それぞれのキャラが本来の立ち位置とは異なる振る舞いをしており、そこが大きな見所だ。
本作の作者である「U・マイア」とは、水野英子、赤塚不二夫、石森章太郎の3人が合作を行った際に使用したペンネームだ。3人はこの合同名義で、『赤い火と黒かみ』『星はかなしく』『くらやみの天使』という3編の作品を発表している。また、赤塚不二夫と石森章太郎の2人は、「いずみあすか」という名義でも合作を行っている。この単行本には、表題作を含むU・マイア名義の2編と、いずみあすか名義の2編が収録されている。
『星のたてごと』『ファイヤー!』といった野心的な作品を数多く発表し、女性版手塚治虫とも称される水野英子。『おそ松くん』『天才バカボン』などのヒット作を生みだし、ギャグ漫画帝王と謳われる赤塚不二夫。そして、『人造人間キカイダー』『仮面ライダー』シリーズなどの特撮ヒーローを誕生させただけでなく、幅広いジャンルの作品を世に送り出した漫画の王様・石ノ森章太郎。彼らが若かりしトキワ荘時代、U・マイアのペンネームで合作したのが本作だ。ちなみに表題作である『赤い火と黒かみ』の内容は、旧約聖書のサムソンをモチーフにした物語。若き日の巨匠たちの情熱が詰まった、漫画史でも特別な意味を持つ合作漫画だ。
高橋留美子とあだち充という、1980年代以降の『週刊少年サンデー』の屋台骨を支える二大巨頭による合作漫画。『週刊少年サンデー』の創刊50周年を記念する特別企画として、2009年3月18日発売の『週刊少年サンデー』16号に掲載された。両作者が漫画家としてデビューするまでの経緯や、『週刊少年サンデー』との関わりなどを語る自叙伝的な作品だ。単行本では『高橋留美子短編集 鏡が来た』に収録されている。
高橋留美子は『うる星やつら』の大ヒット以降、数多くのアニメ化作品を手掛けた巨匠。ドタバタ系のコメディを得意とするが、サスペンスや伝奇ファンタジーなど、幅広いジャンルの作品を発表している。また、あだち充は『ナイン』を皮切りに『みゆき』『タッチ』とヒット作を連発。ラブコメとスポーツを融合させた作品を得意とする。増刊を含め『少年サンデー』で30年以上にも渡って活躍を続ける両巨匠が、デビュー前から現在までの歴史を振り返りつつ、お互いの関わりを綴ったのが本作だ。ちなみに物語は、「少年編(幼年編:高橋留美子)」「高校編(中高生編:高橋留美子)」「上京編」「近況編」という4辺に分れている。
古くから親交のある漫画家のとり・みき、ゆうきまさみが、単行本で対談を行ったことをきっかけに立ち上げられた合作漫画。とぼけたギャグ描写と独特の視点からマニアックな人気を誇るとり・みき。『機動警察パトレイバー』『鉄腕バーディ』などで知られる人気漫画家、ゆうきまさみ。本作は、1980年代に人気を博してテレビドラマシリーズ「土曜ワイド劇場」をモチーフにした、サスペンス仕立ての推理ギャグコメディだ。
とり・みきとゆうきまさみは、古くから親交があり、とり・みきの『クルクルくりん』をゆうきがヘルプでアシスタントをしたこともある。そんな経緯から、とり・みきの単行本の巻末企画として両者の対談が実現した。この際、ゆうきまさみの冗談がきっかけで、ふたりの合作漫画が制作された。2人は、半ば編集者に騙されるような形で、「土曜ワイド劇場」の舞台になりそうな谷川岳の温泉宿に取材を兼ねて合宿。そこでのネタを元として、両者が共同でネームを制作、下書きをゆうきまさみ、ペン入れをとり・みきが担当することで本作が完成した。息の合ったコンビによる、ノリの良さが光る合作漫画だ。