味噌汁でカンパイ!

味噌汁でカンパイ!

中学校に通う女子生徒は、母親を早くに亡くした幼なじみの男子中学生の家に、毎朝朝食を作りに行くことを決める。「お腹だけじゃなく心も満たされる朝ごはん」を自分の手で作ろうと日々努力する少女と、彼女に密かな想いを寄せる少年の姿を、味噌汁を中心に描くハートフル料理漫画。「ゲッサン」2015年7月号から連載の作品。

正式名称
味噌汁でカンパイ!
ふりがな
みそしるでかんぱい
作者
ジャンル
料理
レーベル
ゲッサン少年サンデーコミックス(小学館)
巻数
既刊14巻
関連商品
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あらすじ

第1巻

9年前に母親を亡くし、父子家庭で育った四位善一郎は、父親・四位冬吾からもらった金でおにぎりやパンを購入し、簡単に朝食を済ませる味気ない日々を送っていた。そんな善一郎の姿を目撃した幼なじみの隣人・三井野八重は、が口にした「誰かに作って貰った朝ごはんは、お腹だけじゃなく心も満たす」という言葉に感銘を受ける。そして、善一郎の家に通って朝食を作ってあげようと決意する。翌朝、すぐさま行動を開始した八重は、手始めにと善一郎が大好きなしじみの味噌汁に挑戦。しかし、しじみの砂抜きをしなかったため、大失敗に終わってしまう。それ以降、善一郎の母親に代わっておいしい朝ごはんを作るため、八重は善一郎を巻き込んで、料理について日々勉強と努力を重ねていくようになる。(1杯目「君の味噌汁が、食べたい?」。ほか、4エピソード収録)

第2巻

5月になり、母親を亡くした四位善一郎にとって一番縁のない「母の日」が近づいて来た。花屋にはカーネーションがあふれ、教室は母の日に何をプレゼントするかという話題で賑わっていたが、善一郎はそれに対して特に何の感慨も抱かずにいた。そんなある日、三井野八重は、日々善一郎の朝食を作って母親代わりを務めて来た自分にもプレゼントがほしいと、自作自演の「母の日計画書」を持参し、肩もみやお礼の食事、プレゼント購入のためのショッピングを善一郎に提案する。そして迎えた母の日、八重は困惑気味の善一郎に、少し強引に計画書を実行させていく。肩こり知らずの八重に肩もみは無意味だったものの、八重からのリクエストで今日は善一郎が味噌汁を作る事になった。そして合わせて作ったのは、チャーハン。予想以上に料理ができる善一郎の姿を目の当たりにし、八重は少々ショックを受けるのだった。その後、予定通りに食事も済ませ、ショッピングモールに向かった二人は、次第に本来の目的を忘れ、普通にショッピングを満喫する。計画失敗だと嘆く八重に善一郎は、母の日を意識したとっておきのプレゼントを贈る。(6杯目「花のお味噌汁」。ほか、5エピソード収録)

第3巻

夏休みまであと少しと迫った頃、学校では、期末テストで赤点を取った者は夏休み返上で補習に参加する事が義務付けられると発表された。それを聞いた三井野八重が、人一倍青い顔をしている事に気がついた四位善一郎は、学校帰りに八重に声を掛ける。八重は最近、自分の事はお構いなしに朝食用の味噌汁の事で頭がいっぱいで、勉強などすっかりほったらかしになっていたのである。成績悪化により、善一郎の母親代わりとして毎朝の朝食を作る事にストップがかかる事を恐れた八重は、善一郎に勉強を教えてもらう事にするのだった。勉強に励むうちに夜も更け、お腹を空かせた二人は、夜食用にネギ味噌の焼きおにぎりを作る。そこで、すっかり変わってしまったと思い込んでいた善一郎に、小さい頃とまったく同じ部分を発見した八重は、なんだかホッとするのだった。(12杯目「変わるものと、変わらないもの」。ほか、5エピソード収録)

第4巻

三井野八重は朝から準備万端整えて、四位善一郎の誕生日をいい夜にしてあげようと張り切っていた。しかし夜になって母方の祖母が倒れてしまい、急遽病院に向かう事になった八重は、善一郎の誕生日を祝ってあげる事ができなくなってしまう。結局、祖母は大事には至らなかったが、日付が変わってから帰宅した八重は、せっかくの誕生日に善一郎を一人にしてしまった事を気にかけていた。そこでに善一郎の亡くなった母親がよく作っていたという「おとしいもの味噌汁」の話を聞かされた八重は、善一郎にとって「本当のお母さんの味」を再現してあげたいと、奔走し始める。一方、母親を亡くしてからというもの、誕生日のたびに当時の記憶を甦らせていた善一郎は、今年も一人辛い誕生日の夜を過ごしていた。(18杯目「セピア色の憧憬」、19杯目「ほんとうのおふくろの味」、20杯目「いい夜」。ほか、3エピソード収録)

第5巻

12月下旬。四位善一郎三井野八重が通う市立第一中学校では、2学期最後の課外実習として、山形県の蔵王でのスキー教室が行われていた。日常的に朝善一郎を起こし、朝食をいっしょに食べていた八重だったが、いざ「母親業」を封印されてしまうと、クラスメイトとして善一郎とどう接していいかわからなくなってしまう。一方で、いつもどおりの日常から離れ困惑していたのは、善一郎も同様だった。そんな中、善一郎は六角浩見を通して、クラスメイトの十部万里一ノ瀬紗夜に思いを寄せている事を知る。六角の発案で、一ノ瀬と仲がいい八重に声を掛け、十部との仲を取り持つ役を任された善一郎だったが、いざ声を掛けようとすると、いろいろな思いが交錯し、八重を何と呼ぶべきかわからなくなってしまう。その結果、いつもは「八重」と名前で呼んでいるところ、「三井野」と苗字で呼んでしまった事で微妙な距離感が発生し、二人はいつも通りに接する事ができなくなってしまう。(24杯目「スキー実習・初日『レンアイイベント発生!?』」、25杯目「スキー実習・二日目『呼べない名前』」、26杯目「スキー実習・三日目『善と八重』」、27杯目「スキー実習・お土産『ふたりのひみつ』」。ほか、2エピソード収録)

第6巻

四位善一郎四位冬吾の部屋で、父親にお見合いを勧める手紙を発見してしまう。手紙には、お見合い相手となるたくさんの若い女性の写真が同封され、実際に日程も記されていた。善一郎は、父親が再婚を考えていた事にショックを受けるが、自分の存在のせいで再婚話を進められないのかもしれないと思い悩む。冬吾が帰宅したタイミングできちんと話を聞こうとしたものの、週末に外出する理由についてはぐらかされた善一郎は、父親に嘘をつかれた事に逆上し、家を飛び出してしまう。一方、ちょうど善一郎が家を飛び出していくところに出くわした三井野八重は、彼を心配してあとを追う。善一郎から、父親が再婚するかもしれないと聞いた八重は、善一郎に新しい母親ができれば、母親代わりを務めてきた自分がもう必要なくなってしまうとショックを受ける。善一郎に「大人のお母さん」ができる方がいいという考えと、いつまでも自分が善一郎の母親代わりでいたいと思う気持ちの板挟みとなり、八重は家で悶々としてしまう。そんな八重の様子に、何も知らないは、「思い立ったらすぐ行動!」と八重の背中を押す。しぶしぶ善一郎の家に向かった八重は、そこで善一郎を探す冬吾に遭遇。八重は冬吾に、自分が朝ごはんを善一郎といっしょに食べる事になったきっかけを話し、きちんと話し合うようにと、善一郎がいるであろう河川敷の場所を教える。(33杯目「余韻と降る雪」、34杯目「嘘と約束」。ほか、4エピソード収録)

登場人物・キャラクター

三井野 八重 (みいの やえ)

市立第一中学校に通う中学2年の女子。四位善一郎とは家が隣同士の幼なじみ。善一郎が朝ごはんをないがしろにしていることを知り、「善一郎のお母さんになる」という、幼稚園の頃にした約束を果たすためにも、毎日、善一郎の家に朝食を作りに通うことを決める。料理に関する知識は乏しく、味噌汁1つ作るにも、出汁の存在を知らない超初心者。 そのため、善一郎とともに勉強を重ねる日々を送ることとなる。恋愛に関する話題は苦手で、まだまだウブな一面を持つが、それを友達にいじられることも多い。

四位 善一郎 (しい ぜんいちろう)

市立第一中学校に通う中学2年の男子。三井野八重とは家が隣同士の幼なじみ。9年前に母親を亡くして以降、父子家庭で育った。父親、四位冬吾とは生活のサイクルが合わないため、朝食はもっぱらコンビニのおにぎりとインスタント味噌汁だった。これを見かねた八重の申し出で、毎朝、八重手作りの朝ごはんを食べるようになる。八重に対しては幼い頃から想いを寄せており、小学生の頃にはお嫁さんになってほしい、とプロポーズもしているが、あえなく撃沈。 毎朝通って「お母さん」になろうとする八重に照れながらも、この先の展開を期待している。

お母さん (おかあさん)

三井野八重の母親。いつも明るい笑顔の可愛い人物で、朝食が大切であることを八重に教えた。「誰かに作ってもらった朝ごはんは、お腹だけじゃなく心も満たす」という理念を持ち、毎朝八重が四位善一郎の家に朝食を作りに行くことを応援している。

四位 冬吾 (しい とうご)

四位善一郎の父親。商社に勤めているため、朝早く夜遅い生活スタイル。出張も多く、日本全国はもとより、海外まで飛び回る日々を送っているため、不在なことが多い。たまに善一郎と顔を合わせた時には、出張のお土産を渡すことがある。しかし、「北海道みやげに菜の花」など、そのセンスは少々ずれている。眼鏡をかけて口ひげを生やした、ノリの軽い人柄で、ダジャレとミニスカートが好きなちょいエロ親父。

一ノ瀬 紗夜 (いちのせ さや)

市立第一中学校に通う2年生の女子。三井野八重や四位善一郎のクラスメイト。八重と百田とは仲がよく、学校ではいつも行動を共にしている。ロングヘアで大人びた雰囲気を漂わせている。視力がよくないため、日常的にコンタクトレンズを使用しているが、家庭科教師の二見涼子へのあこがれから、眼鏡をかける事が増えた。八重と善一郎の関係を察しており、八重を応援してその背中を押してあげる事が多い。八重をはじめとする友達からは「いっちゃん」と呼ばれている。

(あおい)

三井野八重のいとこにあたる少年。八重のことが大好きで、理由を作ってはべったり甘えて、八重にくっつきたがる。小学校2年生でまだまだ幼いが、何かにつけて自分が「イチニンマエノオトコ」であることを主張したがる。四位善一郎に対してライバル心を持っている。両親が共働きのため、あまり甘えることができない日常を送っており、つっぱっているが、実は寂しがりやの甘えん坊。 夜は1人で眠ることができない。

千野 (ちの)

市立第一中学校に通う中学2年の女子。三井野八重のクラスメイト。髪型はポニーテール、顔にそばかすがある少女で、一之瀬と特に仲が良い。新聞部に在籍しており、常日頃からネタ集めには余念がない。噂が大好きで、遠足や夏祭りなどのイベント時には、何か起こらないかと胸をときめかせている。

柚花 (ゆずか)

三井野八重のお母さんの妹の子供。八重の従妹にあたる幼女。梅花とは双子の姉妹。いつも長い髪をポニーテールにしており、梅花にくらべてはっきりした性格。「サクランボぐみのしょうくん」と結婚の約束をしているらしい。

梅花 (うめか)

八重のお母さんの妹の子供。三井野八重の従妹にあたる幼女。柚花とは双子の姉妹。いつも長い髪をおろしているので、柚花との区別がつく。日頃から兄を欲しがっていたこともあり、四位善一郎に一目惚れ。以降、何かと善一郎にくっついていることが多い。

二見 涼子 (ふたみ りょうこ)

市立第一中学校で、家庭科の教師を務める女性。眼鏡をかけ、左目尻にほくろがある。クールでおちついた印象の美女で、生徒たちの憧れの的となっている。しかし、外見の印象とは違い、甘いセリフに弱い乙女チックな内面を持っている。三井野八重は、二見涼子が四位善一郎の亡き母親に似ていると感じている。

クロエ

エリック・ラクロワの娘。年齢は16歳。フランス人だが、日本語はペラペラ。四位冬吾の家に家族で招かれた際、四位善一郎との初対面の挨拶で、ついうっかりハグをしながら頰にキスするふりをするフランス流の挨拶をした。その際に三井野八重が動揺する様子を見て、のちにきちんとフォローをするなど、友達思いで優しい性格の持ち主。

三井野 七緒 (みいの ななお)

三井野八重の6歳年上の姉。現在は単身北海道へ渡り、大学で農業を学んでいる。明るい性格で、一人で何でもこなす行動派。何事にも縛られない自由奔放さが魅力で、八重からも尊敬され慕われている。最近ちょっと増えた体重を気にしている。

六角 浩見 (ろっかく ひろみ)

市立第一中学校に通う2年生の男子。三井野八重や四位善一郎のクラスメイト。善一郎と十部万里とは仲がよく、学校ではいつも行動を共にしている。考えるより先に行動するタイプ。恋にも興味がなく、好きな人もいない。しかし友達思いなところがあり、十部が一ノ瀬紗夜に片思いしている事を知った際には、十部のため善一郎に協力を要請した。

エリック・ラクロワ

四位冬吾の友人の男性。フランス人で、妻と娘のクロエ、息子のルカの四人家族。日本に滞在中、冬吾の家に招かれ、家族揃って遊びに来た。日本語はかなり上手で、ダジャレが大好き。味噌汁に興味を持っており、柔道家である事も影響してか、日本食に限らず、かなりの日本びいき。新しい事を受け入れ、変化する事の大切さを語り、冬吾に影響を与えた。

百田 (ももた)

市立第一中学校に通う2年生の女子。三井野八重や四位善一郎のクラスメイト。八重と一ノ瀬紗夜とは仲がよく、学校では行動を共にしている事が多い。短めのボブヘアで、眼鏡をかけている。運動はあまり得意ではない。

十部 万里 (とべ ばんり)

市立第一中学校に通う2年生の男子。三井野八重や四位善一郎のクラスメイト。善一郎と六角浩見とは仲がよく、学校ではいつも行動を共にしている。まじめでちょっと気の小さい性格。日直の仕事を一人で片づけていた時、一ノ瀬紗夜がだまって手伝ってくれた事がきっかけで、一ノ瀬の事が好きになった。しかし、そのお礼を言うタイミングを逃したまま現在に至り、ただ見ている事しかできない状態。デートや手作り弁当、手をつなぐ事などにあこがれを持っており、スキー教室で何とか一歩前進したいと考えている。初恋真っただ中。

一之瀬 (いちのせ)

市立第一中学校に通う中学2年の女子。三井野八重のクラスメイト。八重とは仲が良く、学校ではよく一緒にいる。八重が恋愛系トークを苦手としていることを知りながら、わざと話を振って反応を楽しんでいる節がある。少々Sっ気の強い性格。一之瀬自身は、恋愛の噂話や雑誌の恋愛ネタなどが大好き。

書誌情報

味噌汁でカンパイ! 14巻 小学館〈ゲッサン少年サンデーコミックス〉

第1巻

(2016-01-12発行、 978-4091270061)

第2巻

(2016-07-12発行、 978-4091273499)

第3巻

(2017-01-12発行、 978-4091274724)

第4巻

(2017-08-10発行、 978-4091277282)

第5巻

(2018-02-09発行、 978-4091281548)

第6巻

(2018-07-12発行、 978-4091284013)

第7巻

(2019-03-12発行、 978-4091290847)

第8巻

(2019-08-08発行、 978-4091293602)

第9巻

(2020-02-12発行、 978-4091295699)

第10巻

(2020-09-11発行、 978-4098502387)

第11巻

(2021-04-12発行、 978-4098504947)

第12巻

(2021-10-12発行、 978-4098507429)

第13巻

(2022-04-12発行、 978-4098510658)

第14巻

(2022-11-10発行、 978-4098513741)

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