概要・あらすじ
王様ランキングとは、高名な騎士を多く従え、国民が多く街が発展しているかどうか、そしてなにより王様自身が勇者のごとく強いかどうか、を尺度に各国の王様を格づけしたものである。
ボッス王国では、王が病に倒れまだ幼い王子二人のどちらが次期の王になるか注目されていた。亡くなった前王妃の息子である第一王子ボッジは耳が聞こえず、口も利けないうえに剣もまともに振れないほど非力だったため、家来や国民からの支持は薄かった。かたや、第二王子のダイダは剣術に長け人気が高く、次期国王に推す声が多かった。
ある日、ボッジは影のような姿をした謎の人物カゲと出会う。はじめはお人好しのボッジを利用していたカゲだったが、民衆や母にすら馬鹿にされても人前では明るく振る舞っていたボッジの深い悲しみを知り、「自分だけはどんな時も味方になる」と心に誓うのだった。
やがてある日、国王ボッスは「ボッジを世継ぎとする」と遺言を残してこの世を去ってしまう。その言葉通り新たな王となるはずのボッジだったが、王妃ヒリングの計らいでダイダが次期国王であると公表されてしまう。ボッジは一時は意気消沈するも、再び前を向いて旅に出ることを決意。一方、ダイダは謎めいた鏡の助言に従い、どんな手段を用いてでも力ある王様を目指すように変貌してしまうのだった。
メディア化
2021年、初のテレビアニメ化。10月14日より、フジテレビ「ノイタミナ」枠にて放送。アニメーション制作はWIT STUDIO。主人公のボッジを日向未南、カゲを村瀬歩が演じる。2023年4月13日『王様ランキング 勇気の宝箱』のタイトルで続編が放送。
登場人物・キャラクター
ボッジ
ボッス王国の第一王子。王様になることを夢見ている。強大な力を持つ巨人族の両親の間に産まれた子だが、ショートソード一本すら持ち上げられないほど非力。その上、生まれつき耳が聞こえないため、言葉も話すことができない。普段のコミュニケーションは手話で行っているほか、読唇術を習得しているため相手の言っていることは理解できる。身のこなしの素早さと動体視力の良さには驚異的なものがあり、実力ある騎士の本気の攻撃をすべて回避できるほどである。シャイな性格で言葉が話せないため、家来たちや国民からは軽んじられてしまっている。しかしながら、傷ついた者を見過ごせない心優しさと、どれだけ非力でも王様になることをあきらめない心の強さを持つ。ずっと孤独に過ごしていたが、ある日カゲと出会い、大事な友人となった。その後、父であるボッスが亡くなったことをきっかけに、旅に出ることになる。冥府で出会ったデスパーのもとで修行し、レイピアを武器として素早さと観察眼を活かした戦法を身につける。
カゲ
呪いによって姿を変えられた暗殺一族「カゲの一族」の生き残り。黒い影に目と腕を付けたような姿をしている。カゲの一族はボー王国のお抱え暗殺団として働いていたが、王を殺そうとしたという疑いをかけられ、一族皆殺しにされてしまった。自身も幼い頃に母を殺されてしまったため、盗みなどを働いて孤独に生き延びていた。ある日、ボッス王国でボッジと出会い、はじめは彼の優しさにつけ込んで高価な衣服を奪っていた。ボッジのことは大金持ちでのんきに暮らしていると思っていたが、実は国民や家来に嘲られ深く傷ついていることを知る。そこで「自分だけはどんな時も味方になる」と心に誓い、友人となった。影のような姿をしているため、さまざまなところに忍び込むことに長けているほか、口の中に道具を隠し持つことができる。
ダイダ
ボッス王国の第二王子。剣の腕に長けているため、家来や国民からの人気が高く、次代の王に推す声も多い。やや傲慢なところがあり、特に兄のボッジのことは見下している。父ボッスの死後は次代国王となるが、偉大な父にはかなわず大幅にランキングを落としてしまう。それでさらに苛烈な性格となり、自分を国王に推さなかったアピスとサンデオを追い出したり、ボッジの暗殺を企ててしまう。これらの行動は謎の鏡の助言に従ってのことだが、一方で自分の力で偉大な王になるという信念は強く抱いている。
ヒリング
ボッス王国の王妃。ダイダの実の母。高圧的な物言いのため冷徹で厳しい人間に思われがちだが、性根は心優しい女性。ボッジにも厳しく接し、王になる資格がないと口にしているが、それはボッジの優しさを知っているが故に静かに暮らしてほしいと願っているからである。元僧侶であり、治癒魔法の使い手。ただし、魔法を使うとひどく体力を消耗してしまうため、まずいマジックポーションの摂取は欠かせない。カゲからは「ヒステリックボインババア」と呼ばれている。
ボッス
ボッス王国の国王。王様ランキング7位。巨人族であり、圧倒的な強さを誇る。かつて、村を襲った魔物の群れをたった一人で壊滅させ、そこに国を築いた。自信にあふれ慈愛に満ちており、国民からは愛されていた。しかし、病に倒れ、世継ぎをボッジとすると遺言を残して亡くなってしまう。若かりし頃に、自身の寿命と引き換えに「血の繋がりのある者の力を奪い、その力を与える」という契約を魔神と結んでいた。
シーナ
ボッス王国の前王妃。ボッジの実の母で、ボッスと同じく巨人族。ボッジが幼い頃に死亡している。若かりし頃、ボッスに世界一強い女と見込まれ求婚された。
ドーマス
ボッス王国四天王の一人。「ソードマスター」の異名を持つ。剣の天才であり、国一番の腕前と称される。ボッスの強さに憧れて仕えており、ボッスのように敵の剣をすべて受け、決して引かない力の剣を信条としている。ボッジの剣術指南役に指名され、はじめは熱心に指導をしていたが、何年たってもショートソードすら持てない非力さにあきらめてしまい、代わりに自分がボッジを剣で守ればいいと考え、自分自身の修行に打ち込んでいた。ボッジが旅に出た際は護衛として同行したが、密かにダイダからボッジを暗殺するように命令されており、ボッジを冥府へと繋がる穴に突き落としてしまう。そのことを知った部下のホクロに挑まれ、切りつけられた右腕を自らの手で切り落とした。
ドルーシ
ボッス王国四天王の一人。「王妃の盾」の異名を持つ。両手に持ったスパイクの付いた盾を武器とする。かつてボッスからヒリングの護衛に指名された。はじめはヒリングを気性の激しい人物だと思っていたが、心根の優しさを知ってからは、絶対に守ると心に誓っている。
アピス
ボッス王国四天王の一人。「王の角」の異名を持つ。槍使い。国に仕えはじめた頃は、才能にあふれてはいたものの、臆病だったため力を発揮できずにいた。しかし、ある日ボッスに側近に抜擢されてからは、表情が消え、冷徹な戦士へと成長した。ボッスの死後、ボッジを世継ぎに推挙したため、国を追われてしまう。
ベビン
ボッス王国四天王の一人。「蛇使い」の異名を持つ。蛇腹剣を武器とする。常にニヤニヤとした笑みを浮かべており、不気味な印象の男。ダイダの剣術指南役を務める。若い頃、傷を負った蛇のミツマタを助けたところをボッスに見られ、王直属の精鋭部隊に配属された。その後、デスパーに鍛えられ、鉄を両断するほどの剣技を身につけた。常に笑みを浮かべているのも、デスパーの「無理にでも笑顔を見せろ」という教えを守っているからである。 ある日、城に侵入したカゲを捕えたが、ボッジの友人であることを知ると解放し、ボッジが何者かに狙われていることを教え、彼を守るように依頼した。その後、ダイダの命令でアピスを暗殺しようとするも、返り討ちにあってしまう。
サンデオ
ボッス王国の法相。ボッスの死後、世継ぎにボッジを推挙したため免職となってしまう。
ソリー
ボッス王国の宰相。
ホクロ
ボッス王国の騎士団に所属する騎士。手話ができるため、ボッジの旅にドーマスとともに同行する。ボッジの心優しさを知っており、彼を慕っている。まっすぐな性格の青年。
ミツマタ
三つ首の巨大な蛇。頭は一つ失われている。幼い頃、人間に襲われ傷を負っていたところをボッジとヒリングに治療されて助けられた。その後、ベビンにかくまわれて生き延びた。そのため、ボッジとベビンのことを命の恩人として慕っている。
鏡 (かがみ)
謎の鏡。ダイダにボッスの力を手にさせようと目論んでいる。
デスハー
冥府の王。王様ランキング2位。傲慢な性格だが、力と統率力を持ち合わせ民からも慕われている。顔がコンプレックス。
デスパー
デスハーの弟。本人はあまり強くない様子だが、人を育てることにかけては一流で、平凡な男を王様にまで育て上げたと噂されるほど。ただし、ナルシストでお金に汚いところがある。かつての弟子ベビンからの手紙を持って現れたボッジの師匠となり、彼を鍛え上げた。モットーは「勇気」。
場所
ボッス王国 (ぼっすおうこく)
ボッスを国王とする国。かつてボッスが村を襲っていた魔物を退け、建国した。現在は国王ボッスが病に倒れ、幼い二人の王子、ボッジとダイダのどちらが次期の王になるか、注目されている。
その他キーワード
王様ランキング (おうさまらんきんぐ)
各国の王様を格づけしたもの。高名な騎士を多く従え、国民が多く街が発展しているかどうか、王様自身が勇者のごとく強いかどうか、を尺度にランク付けしている。定期的に協会員が視察をして、ランクを決めている。ランク1位になると神の宝物庫に入る権利が得られ、そこで何か一つを選び取ることができる。歴代の王は、皆同じものを選び取ったらしい。しかし、その後1位となった王様は行方不明になるか気が狂ってしまうと噂されている。。
書誌情報
王様ランキング 18巻 KADOKAWA〈ビームコミックス〉
第1巻
(2019-02-12発行、 978-4047355170)
第2巻
(2019-02-12発行、 978-4047355187)
第3巻
(2019-04-12発行、 978-4047355996)
第4巻
(2019-06-12発行、 978-4047356849)
第5巻
(2019-08-10発行、 978-4047357198)
第6巻
(2019-12-12発行、 978-4047358072)
第7巻
(2020-04-11発行、 978-4047358546)
第8巻
(2020-08-12発行、 978-4047362284)
第9巻
(2020-12-11発行、 978-4047364585)
第10巻
(2021-04-12発行、 978-4047366022)
第11巻
(2021-08-12発行、 978-4047367432)
第12巻
(2021-12-10発行、 978-4047368682)
第13巻
(2022-04-12発行、 978-4047370074)
第14巻
(2022-08-12発行、 978-4047371545)
第15巻
(2022-12-12発行、 978-4047372849)
第16巻
(2023-04-12発行、 978-4047374461)
第17巻
(2023-08-12発行、 978-4047375987)
第18巻
(2023-12-12発行、 978-4047377424)