くーねるまるた ぬーぼ

くーねるまるた ぬーぼ

高尾じんぐの『くーねるまるた』の続編。日本へと舞い戻ってきたマルタが、日本各地の新たな文化とさまざまな美味しい食べ物に触れていく姿を描くグルメ漫画。また、前作の「笑明館」の仲間たちも引き続き登場し、装いも新たにマルタの新たな日常が描かれる。作中でマルタが訪れるのは実在する店舗も多く、登場した店舗の情報も紹介されている。また前作と同じく、作中に登場した料理のレシピも掲載されている。「週刊ビックコミックスピリッツ」2018年第13号から連載の作品。

正式名称
くーねるまるた ぬーぼ
ふりがな
くーねるまるた ぬーぼ
作者
ジャンル
グルメ
 
日常
レーベル
ビッグ コミックス(小学館)
巻数
既刊13巻
関連商品
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あらすじ

第1巻

「日本文化」と「美味しい食べ物」が大好きなポルトガル人の女性のマルタは、一時ポルトガルに帰国していたが、家族を説得して再び来日した。そしてマルタは、新しく勤めることになったショップ「サウダージ」のオーナーのイリーナと共に、店で取り扱う陶器を買い付けるため、京都の山奥にある陶芸工房「蕗釜」へと向かう。京都駅で借りたレンタカーで悪路をひた走り、たどり着いた二人を陶芸家の松原とその妻が出迎える。イリーナが惚れ込んだという、桜の釉薬を使った陶器の説明に聞き入るマルタたちだったが、話の途中で空腹からマルタは大きなお腹の音を鳴り響かせてしまう。長旅でお腹が空いたのだろうと、気を使った松原の好意で二人は昼食に招かれ、ふきのとうやハモを使った料理の数々に舌鼓を打つ。そんなマルタの様子に松原はペットの「ハナコ」のようだと口にする。首を傾げたマルタを松原は家の前にある河原へと案内。そこにいたのは、天然記念物に指定されているオオサンショウウオの「ハナコ」だった。その異容に怯えるマルタだったが、昔は珍味として食べられていたと紹介されると態度を一変させて接近する。しかし、触ろうと手を差し伸ばしたところ、突然威嚇されてマルタは思わず尻餅をついてしまう。川に転んでしまい、ズボンをびしょびしょに濡らしたマルタの様子と、食欲に負けてオオサンショウウオに近づいたマルタの食いしん坊っぷりに、一同は思わず失笑するのだった。

第2巻

マルタは、かつて住んでいたおんぼろアパート「笑明館」の大家である前田の離れを住まいに、日本での生活を再開した。そしてマルタは、かつていっしょに「笑明館」に住んでいたメンバーを集めて、10月21日に月見を行う。マルタの提案で行われることとなった「十三夜月見会」は、彼女の作った「バカリャウクロケット」という団子に見立てた創作料理を肴に大いに盛り上がる。話はマルタが実家から送られてきたという、アニメのキャラクターが描かれたTシャツの話に及び、そこから、かつてみんなが見たというセーラー服で変身して敵をやっつけるアニメの話につながっていく。マルタはその話についていけずに困惑するが、ふとあることをきっかけにそのアニメに思い至る。そして彼女がそれを口にしようとした瞬間、庭の隅から物音とともに怪しい人影が飛び出す。突然のことに怯える一同の前、塀の上にのぼった人影は月を背にポーズを取ると唐突に外国語で大声を上げる。声色からその人物の正体に気がついたマルタは、愕然としながら人影へと近づく。その相手は、マルタが作品に思い至ったきっかけであり、今はポルトガルで大学に通っているはずのマルタの妹、ラケルだった。

第3巻

日本のアニメ文化に触れるため、ワーキングホリデーを利用して日本を訪れたラケルは、姉のマルタと共に暮らすこととなった。そんなある日、日本のサブカルチャー好きなラケルに連れ出されたマルタは、初めて秋葉原を訪れる。そこでマルタは、フィギュアや漫画のショップ巡りをし、カプセルトイのガチャガチャなど、今まで知らなかった日本の新たな一面を目の当たりにする。さらには高架下に設けられた「ものづくり」をテーマとして工房やショップが建ち並ぶ空間「2k540」を発見したマルタは、アニメや電気街として知られる秋葉原の新たな側面を知り、深い感銘を受けるのだった。自分ではない誰かに連れて行かれることで新たな発見ができる喜びを見いだし、今日は一日ラケルに付き合うとマルタは告げる。しかしその後、ラケルに連れて行かれたカラオケショップで、マルタは一晩中ラケルの歌を聴かされる羽目になるのだった。

第4巻

マルタと妹のラケルは、由佳に誘われて行った薬草学の公演で、偶然にも講師として招かれていた姉のエリザと再会を果たす。しかし、大学を休学して来日したことをエリザにだけ秘密にしていたラケルは、家に帰ったところでついてきたエリザに厳しく問い詰められる。わざわざワーキングホリデーを利用して、日本に来た理由を説明するように求めるエリザに対し、ラケルは自分が好きなアニメと漫画の聖地巡りをしたいのだと真っ向から宣言。その言葉に一種のフィールドワークと理解したエリザは、ラケルの熱意もあって彼女の日本滞在を認めるのだった。その後、部外者のために台所で寒さに震えていた由佳が加わり、遅めの夕食をみんなで取ることになる。手持ち無沙汰だった由佳が作ったのは、スパイスパウダーから自作した特製の薬膳カレーだった。絶品のカレーに舌鼓を打ったあと、由佳が帰るのを見送ってからエリザは大家である前田のもとへ向かう。一泊もしないで帰るのかと思ったマルタが声を掛けると、エリザは宿泊するからあいさつするだけだと告げる。その言葉に、ほっと一安心するマルタだったが、続いてエリザが告げた有休を取ったから1週間は滞在するという言葉に、ラケルと共に絶句するのだった。

登場人物・キャラクター

マルタ

ポルトガル出身の女性で、フルネームは「マリア・マルタ・クウネル・グロソ」。都市工学の研究のために日本の大学院へと留学してきたが、その際に日本を気に入ってしまい、卒院後も日本に居着いている。以前は築70年のおんぼろアパート「笑明館」に住んでいたが、アパートの老朽化に伴う取り壊しと帰郷をきっかけに、現在はアパートの大家であった前田の家の離れを借りている。さまざまな日本文化への興味が高じて、ブラジル人のイリーナが営む日本の工芸品などを扱ったショップ「サウダージ」で働いている。日本の建築物や街並みが好きだが、同じくらい日本の「美味しい物」に目がない。倹約生活の中で食材をやりくりしつつ、創意工夫で美味しい料理を作り出すことに日々の楽しみを見いだしており、食に対して労力を惜しまない姿勢から友人や周囲の人間からは食いしん坊として見られている。誰とでもすぐになかよくなれることを特技としており、商店街の人々から銭湯で出会ったおばさんまで交友関係は非常に広い。特に、以前同じアパートに住んでいた美緒子、由利絵、神永、由佳とはとても親しい友人関係にあり、理由を見つけてはマルタが住む離れを訪れ、食事会を開いている。現在は日本文化を体験するためにポルトガルから来日した、妹のラケルと同居している。ほかに、エリザという非常に厳しい姉がいる。図書館で働いている美緒子の影響もあり、絵本や日本文学に対する造詣も深い。

ラケル

マルタの妹。ポルトガルの実家から大学に通っていたが休学し、ワーキングホリデーを利用して来日した。日本のアニメや漫画といったオタク文化に興味を持っており、働いて得たお金でいわゆる「聖地」を観光することを目的としている。日本に住んで働いていたマルタのもとへ具体的な計画性もないまま強引に押しかけており、仕方なくいっしょに住むこととなった。働く先のあてもなかったが、偶然にもマルタがよく通っていた神保町のポルトガル菓子店「ドース イスピーガ」がポルトガル人のアルバイトを募集していたのをマルタが思い出したのをきっかけに、「ドース イスピーガ」の店員として働くこととなった。マルタに似て食いしん坊ながら、どことなく子供っぽい自由奔放さにあふれている。計画を立てて行動せず、衝動的な思いつきで動くため、まじめな性格の姉のエリザからはよく叱られていた。今回の来日も、叱られるのを予想していたためにエリザにだけは知らせておらず、のちに日本に薬草学の公演に訪れていたエリザと偶然の再会を果たした際には一悶着に発展した。マルタとは異なり、日本食の好き嫌いは多い。特に梅干しや納豆といった外国人が苦手とする代表格の食材には期待どおりの反応を示すため、神永によっておもしろ半分にさまざまな食材を食べさせられている。

美緒子 (みおこ)

元「笑明館」の住民の一人。図書館の司書を務める女性で、「笑明館」に住んでいた時はマルタのとなりの部屋に住んでいた元隣人である。「笑明館」の元住民たちの中でもマルタとは特に親しく、おすすめの絵本や日本文学といった本の貸し借りを行っていた。マルタがポルトガルから再び来日した際には、再び共に過ごせる日々をよもぎの花言葉である「幸福」や「決して離れない」に例えて「よもぎの時間」と表現していた。「笑明館」のメンバー内では温厚で優しい性格をしているが、マルタと共にジョギングをしていたりと、行動的な一面もある。一方で妄想癖があり、マルタから聞かされていた妹がいるという話から、マルタを小さくしたかわいらしい妹像を勝手に想像していた。実際にラケルと出会った際には、自由奔放で快活な性格の彼女に妄想で想像していた姿とのギャップを覚え、人知れずガッカリしてしまい、行きすぎた妄想を反省している。しかし、同時に美緒子よりも身長が高く女性らしい体形をしていたことに対しては、行き場のない嫉妬を覚えていた。

神永 (かみなが)

元「笑明館」の住民の一人。医師免許を持った女性だが、かねてより絵の道を志しており、美術大学への入試を受けては落ちることを繰り返していた。「笑明館」が取り壊されてから、マルタが日本へ戻ってくるあいだに幾度目かの受験に臨んでおり、長年の努力が実って美術大学に合格して、念願の美大生となった。その際には電話のないマルタに配達で桜の絵を届けるとともに、「サクラサイタゾ」というコメントを添えている。現在では美大に通う傍ら、たまに知人の医院でアルバイト医師として働いている。豪放磊落な性格で行動的なため、食べたいものを思いついてはマルタや「笑明館」の住民を巻き込んで大騒動を巻き起こしていた。「笑明館」取り壊し後も変わらず思いつきでマルタらを巻き込んでは、飲み会をはじめとしたさまざまな催しを開いている。食材を与えれば美味しい物を作ってくれるマルタのことを気に入っており、最近ではマルタの家にいつでも訪れることができるように私物をどんどん増やしている。行動的で他人の都合もお構いなしに振り回すところがあり、同時に酒豪でもあるため、住民たちに迷惑を掛けることが多々ある。そのたびに常識人でまじめな由利絵にはたしなめられていた。一方で面倒見のいい姉御肌なことから、住民たちには半ば呆れられつつも慕われている。

由利絵 (ゆりえ)

元「笑明館」の住民の一人。頭の後ろで髪を二つに結んだ女性で、メガネをかけている。「笑明館」に住んでいたメンバーの中で、神永以外に運転免許証を所有する数少ない人物で、仲間たちと遠出する際には酒を飲みたいがために、神永とどちらが運転するかで揉めることが多い。またメンバーの中では常識人で、神永やマルタらの暴走を止める役を担っている。スポーツ観戦が趣味で特に野球ファンのため、サッカーのワールドカップの応援パーティーが「サウダージ」で開かれた際にも呼ばれなかった。「笑明館」に暮らしていた頃に比べて、大きく髪形を変えた神永と違ってもみあげを切り落とすという微妙なヘアチェンジを行っている。最近は職場の新人教育で疲れ気味のため、鍼灸師である由佳にお灸をしてもらうことがある。

由佳 (ゆか)

元「笑明館」の住民の一人。関西弁を話す女性で、東京で自分の尊敬する鍼灸師のもと、日々勉強をしながら働いている。「医食同源」の考えをモットーにしており、漢方や生薬に対する深い知識を持っている。また、その関係から食事にも詳しく、住民たちの集まりで料理を提供することもしばしば。最近は東洋の知識だけでなく、西洋のハーブなどに対する知識を求めて勉強を始めている。鍼灸師として住民にマッサージを頼まれることもあり、そのたびに施術を行っている。その際、マルタにマッサージを行い、凝りのまったくない体に愕然としていたが、「サウダージ」で働くようになってから初めてマッサージした際には軽い肩こりがあることを発見している。

イリーナ

マルタが働いているショップのオーナーを務める女性。ブラジルの出身のブラジル人で、マルタと同じポルトガル語を話す。日本各地の伝統工芸品を取り扱うショップ「サウダージ」を経営しており、店舗にはさまざまな作家の作品を展示するギャラリーが併設されている。かねてより仕事の手伝いをしてくれる人を捜していたが、ちょうど仕事を探していたマルタを紹介され、彼女の気質を気に入ったこともあり、店員として雇うことにした。全国各地に作品の取り扱いを行う交渉へ出向いており、京都をはじめとした日本各地へ直接出向いている。そのため、日本各地に知人がおり、真紀もその一人。また、東京の浅草で江戸扇子の職人として活躍する秋本恵とはビジネスを越えた友人でもあり、同時に彼女の持つサンバチームの先生とその生徒という関係でもある。サッカーが好きでワールドカップが開かれた時には店舗を使って応援パーティーを開催した。その際にはブラジルの優勝を微塵も疑わない絶対的な自信を見せていた。

前田 (まえだ)

現在は誰も住んでいない離れをマルタの住居として提供している老婆。元はマルタたちが住んでいたおんぼろアパート「笑明館」の大家でもある。「笑明館」を築年数から来る耐久性の低下や安全性の面から取り壊したあとも、何くれとなくマルタの世話を焼いてくれる親切な人物。また電話を持っていないマルタのために連絡先として前田の住む母屋の電話を提供しており、「サウダージ」のイリーナから届く仕事の電話などを取り次いでいる。マルタが持ち込んでくる食材を利用して料理を作ったり、正月には大掃除で見つけた羽子板を貸したりするなど、日常的に親しく交流している。

エリザ

マルタの姉。植物学の博士として活躍しており、その方面では海外での講演を依頼されるほどの評価を得ている。マルタとは異なり、西洋を中心に活動をしているが、日本の近くで公演があるとマルタのもとを訪れることがあり、「笑明館」が健在だった頃に来日したことがある。日本で薬草学の講演会があった際、偶然にもハーブの勉強をしに来た由佳の誘いでマルタとラケルが講演に参加しており、再会を果たす。姉のエリザにだけ来日していたことを知らせていなかったラケルに説教をするものの、のちにその熱意を認めて彼女の日本滞在を認める。また、そのあとにはついでとばかりに有休を取得し、三姉妹で1週間ばかりの共同生活を送った。庭の手入れやハーブに詳しかった祖母の影響を強く受けており、彼女が専攻している植物学もその一つ。誰とでもなかよくなれる気さくなマルタや、明るく自由奔放なラケルとは異なり、非常にまじめで現実的な性格をしている。口うるさく、妹たちの生活態度に小言を言うことが多いが、姉妹のことを大切に思っており、ラケルに仲間はずれにされていた時には寂しげな様子を見せていた。

数代 (かずよ)

精肉店を営む女性。マルタが「笑明館」に住んでいた時によく利用していた。また、行きつけの銭湯でもよく顔を合わせる銭湯仲間で、漬物の相談などをする仲。「笑明館」の取り壊しやマルタの帰国などが合わさり、一時的に疎遠になっていたが、マルタが再来日したあとの雑事がおさまってからは、再び以前のような関係に戻っている。

配達屋

運送会社に勤める配達員の男性。マルタが以前住んでいたおんぼろアパート「笑明館」に、よく配達に来ていた。マルタが住まいを変えてからも、変わらずマルタに荷物を届けに来ている。配達に訪れるタイミングとマルタが水着で過ごしているタイミングが重なることが多く、しばしば水着姿のマルタに遭遇している。また、マルタにとって喜ばしい荷物が届けられることも多いため、テンションの上がったマルタが踊り出すのに付き合わされることもしばしば。

松原 (まつばら)

陶芸家を生業とする男性。京都の山奥に「蕗窯」という名の工房を開いており、桜の灰の釉薬を使った陶器をはじめ、さまざまな木の灰と土を組み合わせた陶芸作品を制作している。イリーナが桜色の皿に惚れ込み、店に置くためにマルタと直接仕入れに工房を訪れた。妻と暮らしている。

小鈴 (こすず)

イリーナの友人である女性。京都に住む芸妓で、初めて京都を訪れたマルタに京都の街並みを案内した。イリーナとは京都の古美術店で知り合って以来の仲で、現在も交流を続けている。非常におしとやかな所作をする人物で、マルタからは、バロック様式の喫茶店を訪れた際には所作と店の雰囲気が相まって一枚の絵画のようだと称されていた。

秋本 恵 (あきもと めぐみ)

浅草に住まう江戸扇子職人の女性。イリーナの友人で、サウダージで江戸扇子の展示会を開いた際にマルタとも知り合った。初対面の際には着物姿でおしとやかな印象だったが、江戸扇子の職人として活躍する傍ら、浅草にサンバチームを持っているという意外な一面もある。サンバチームにはダンスの先生としてイリーナも参加しており、現在はマルタをサンバチームに引き込もうと考えている。

美智子 (みちこ)

子供向け絵画教室を開いている女性。「笑明館」に住んでいた頃のマルタは、時々アルバイトとして教室の手伝いをしていた。マルタが「サウダージ」で働くようになってからも、時々潮干狩りに子供たちと共に赴くなど付き合いは続いている。

高村 (たかむら)

神保町の路地裏でポルトガル菓子店「ドース イスピーガ」を営んでいる女性。昔、ポルトガルに渡航した際にその国柄を気に入り、帰国後もポルトガル料理店で修業を積んだ過去がある。その経験を生かし、昨年に「ドース イスピーガ」をオープンさせた。ポルトガルと日本では小麦粉の種類や質が違うため、さまざまな創意工夫が菓子に凝らされている。ポルトガル人であるマルタは、高村の作ったエッグタルトを故郷の味として気に入っており、いつかその味を盗もうと企んでいるが、その製法は企業秘密としている。店を神保町に開く前は、自転車でエッグタルトの移動販売を行っていた。

ジョアン

マルタが神保町で偶然見かけたポルトガル人の男性。日本の街でポルトガル語を耳にしたという理由から、マルタがあとをつけた。ワーキングホリデーで来日しており、ポルトガル菓子店である「ドース イスピーガ」で働いていたが、日本のことがもっと知りたくなったと、自転車による日本一周の旅に出た。

(はぜ)

和ろうそく職人の男性。廃れつつある和ろうそくの素晴らしさを広めようと、埼玉県の川越に和ろうそく店「HAZE(ヘイズ)」を開いた。イリーナがその腕に惚れ込み、「サウダージ」で商品を取り扱うためにマルタが買い付けに向かった。「手がけ製法」と呼ばれる非常に手間の掛かる方法で、和ろうそくを一本一本手作りしている。また、和ろうそく店「HAZE(ヘイズ)」は埼玉県川越市に実在する同名の店舗がモデルとなっている。

真紀 (まき)

マルタたち三姉妹が旅行に訪れた岐阜で案内をしてくれた女性。イリーナの友人で、地元である岐阜県の多治見市を中心に陶芸家として活動している。以前、陶器の勉強のためにポルトガルのアルコバッサにいたことがあり、ポルトガル語が話せる。美濃焼の一種である織部焼に対する深い知識をはじめ、陶器に関する造詣は深い。

渡辺 (わたなべ)

岐阜県にある森のケーキ香房「La Province(ラ・プロヴァンス)」のオーナーを務める男性。地元の出身で、1996年に開いたケーキ工房を夫婦で営んでいる。営む店は山の奥地に位置しており、ケーキのほかにもハーブティーと美しい庭の風景を楽しむことができる。庭の手入れは夫婦で行っており、ガーデニングの好きなエリザに気に入られていた。真紀の案内で、マルタたち三姉妹が岐阜旅行の最中に立ち寄った際に出会った。また、「La Province(ラ・プロヴァンス)」は岐阜県可児郡に実在する同名の店舗がモデルとなっている。

場所

サウダージ

イリーナが開いているギャラリー併設のショップ。日本全国を回って集めてきた陶磁器やガラス器、アクセサリーや日本の伝統工芸品などを多岐に渡って取り扱っている。ギャラリーは主に若い作家の発表の場や、趣向を凝らした展示に使用されており、多種多様な人々が足を運んでいる。店名の「サウダージ」はポルトガル語に由来するが、発音はブラジルでのものとなっている。そのため、マルタは始めの頃はポルトガル発音の「サウダーデ」と店名を呼んでいたが、イリーナに注意されて以降はブラジル発音で呼んでいる。

ドース イスピーガ

神保町の路地裏にあるポルトガルのお菓子を取り扱ったお店で、高村が切り盛りしている。店名である「DOCE ESPIGA」はポルトガル語で「甘いトウモロコシ」を意味する。高村がポルトガルに渡航した際に、その国柄を気に入ったのが店を開くきっかけで、店名は渡航の際にポルトガルで出会ったカフェの名前に由来する。ジョアンというポルトガル人の男性をアルバイトとして雇っていたが、日本全国を自転車で巡る旅に出るために辞めた。その後、ポルトガル人の従業員を募集していたものの、なかなか応募が来ずに悩んでいたところ、マルタの妹であるラケルが来日し、マルタの紹介もあって従業員として雇用した。神保町に実在するポルトガル菓子店「DOCE ESPIGA(ドース イスピーガ)」がモデルとなっている。

ベース

くーねるまるた

ポルトガル出身であり、東京のアパートで貧乏生活を行っているマリア・マルタ・クウネル・グロソがお金を使わない料理を楽しむ一話完結のグルメ漫画。著者は高尾じんぐ。 関連ページ:くーねるまるた

書誌情報

くーねるまるた ぬーぼ 13巻 小学館〈ビッグ コミックス〉

第1巻

(2018-08-30発行、 978-4098600977)

第2巻

(2018-12-27発行、 978-4098601950)

第3巻

(2019-06-28発行、 978-4098603404)

第4巻

(2019-10-30発行、 978-4098605002)

第5巻

(2021-02-26発行、 978-4098610044)

第6巻

(2021-06-30発行、 978-4098610846)

第7巻

(2021-10-29発行、 978-4098611676)

第8巻

(2022-02-28発行、 978-4098612734)

第9巻

(2022-07-29発行、 978-4098614325)

第10巻

(2022-11-30発行、 978-4098615049)

第11巻

(2023-02-28発行、 978-4098616145)

第12巻

(2023-07-28発行、 978-4098623365)

第13巻

(2023-12-27発行、 978-4098626700)

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