あらすじ
第1巻
悟りパパは息子の山口梵と散歩中、SNSのチェックがやめられないというひぐちから、煩悩を消去する技「ピカー」を施してほしいと懇願され、ひぐちの執着を消し飛ばす。すると、梵も何やら煩悩を抱えている様子を見せる。悟りパパが「ピカー」をするかと尋ねると、梵は弟が欲しいとつぶやく。(第1話「仏滅 その1」。ほか、17エピソード収録)
登場人物・キャラクター
悟りパパ (さとりぱぱ)
山口梵の父親で、山口恵の夫。悟りを開いて1年目の専業主夫で、以前は会社に勤めていた。仏像のようなルックスをしており、梵の小学生特有の悩みを、独特の教えで「悟り」に導くのを日課としている。近所からお供えものをたくさんもらう毎日で、庭に生えているお茶の葉をベースに、近隣のビワやヨモギなどを加えた自家製のお茶を飲むなど、自然派志向でもある。梵からはほかのパパと比べ、少し変わっていると思われているが、変なのは自分ではなく資本主義経済だと説いている。強く懇願されると、額に手をかざして煩悩を消し飛ばす技「ピカー」を悩める人に施す事もある。自らは煩悩を捨て去っているが、弟が欲しいという梵のため、「悟り」の力が落ちて煩悩が強まる仏滅に子作りをしようと、夫婦でひそかに計画している。自転車に乗るには雑念を飛ばす事が必要だと梵に説くが、悟りパパ自身は自転車に乗れない。また、金銭感覚は非常にシビアな一面がある。
山口 梵 (やまぐち ぼん)
悟りパパと山口恵の息子。小学校1年生。丸いフォルムのショートヘアで、小柄な体形をしている。専業主夫で仏様の姿をした悟りパパを少し変だと思っているが、そんな悟りパパの事が大好きで、髪も悟りパパにカットしてもらっている。少し気の弱い性格のために悩みが多く、悟りパパの教えを日々学んでいる。煩悩は悟りパパのおかげでいつも解決しているが、弟が欲しいという強い願望がある。同じ学年のかのんに好意を寄せている。虫が大の苦手。
山口 恵 (やまぐち めぐみ)
悟りパパの妻で、山口梵の母親。会社勤めをする一家の大黒柱で、エアリー感のあるボブヘアにしている。ある日、浮気疑惑が持ち上がり、悟りパパを円形脱毛症になるほど心配させたが、のちに仏様にお参りしていただけだと判明する。趣味は悟りパパと梵の写真を撮る事。
かのん
ポニーテールの髪形をしたかわいい女の子。小学1年生。山口梵と伊達から好意を寄せられているが、のちに小学6年生の久慈が好きな事が判明する。いがみ合っていた梵と伊達をふった格好となり、結果、彼らを急速になかよくさせるきっかけを作った。
伊達 (だて)
マッシュ系ツーブロックヘアの男の子。小学1年生で、山口梵と同学年。つり目で梵より背が高い。かのんに好意を寄せており、同じくかのんを好きな梵とかのんを巡り、いがみ合っていた。かのんに好きな男子がいると判明したあと、梵とのあいだに友情が芽生える。
ひぐち
悟りパパの近所に住む高齢の男性。センター分けのショートヘアにしている。離れて住む息子の嫁が、自分の悪口をツイートをするため、そのチェックがやめられないと苦しんでおり、悟りパパに煩悩を吹き飛ばしてほしいと「ピカー」の施しを頼む。
芽衣 (めい)
山口恵の弟の娘で、おかっぱ頭の幼い女の子。山口梵のいとこ。梵が家に泊まってくれるのを楽しみにしていた。
城島 (じょうしま)
ロングヘアの若い男性。山口梵のピアノの先生を務めている。どこか物憂げな雰囲気を漂わせている。音楽大学を卒業してプロを目指していたが、もう未練を断ち切りたいと、悟りパパに「ピカー」の施しをお願いする。
白石 (しらいし)
日々、仕事のノルマに追われている若い女性。サイドを耳にかけたショートヘアで、右目元にほくろがある。仏様の姿をした悟りパパが四葉のクローバーを探している事を知り、自分も四葉のクローバーを探し始めた。仕事が順調にいってほしいとの願いがあったが、悟りパパから自分のための願いはかなわないと言われてしまう。
三ちゃん (さんちゃん)
山口梵のクラスメートで、小学1年生の男子。坊主頭で前歯が大きい。明るい性格のいたずらっ子で、大人になったらチンチンに毛が生える事を梵に教えた。梵と秘密の打ち明け話をした際には、ママのオッパイを吸っていると語り、梵を驚愕させる。
ヒデチ
小学1年生の男子。山口梵や三ちゃんといっしょに遊ぶ事が多く、三人の中では一番背が高い。面長で頭頂部がツンツンしたつくしのようなヘアスタイルをしており、目が細くて垂れ目。スローテンポでのんびりした性格の持ち主。
坂上 リョウ (さかがみ りょう)
ラフなショートヘアをした大人びた少年。小学5年生。鉄道マニアで学校一の「テツ」と評されている。子供扱いされるのを極端に嫌っており、鉄道博物館へ行く時に山口梵が悟りパパを連れてきた事にひどく腹を立てる。
谷中 (たになか)
小学1年生の女子。おさげヘアで、フレームの太い眼鏡をかけている。山口梵がかのんにふられた事を三ちゃんから聞いており、元気のない様子の梵を慰める。
その他キーワード
ピカー
悟りパパによる人の煩悩を消し飛ばす能力。悟りパパが相談者の額に手を当てると、周囲がピッカーと光り、心の苦しさが消える。悟りパパは、自分は悟りを開いてまだ1年目であるために、他人様に「ピカー」を施すレベルではないと積極的には行っておらず、強く求められた場合のみに能力を使っている。
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