パパのお嫁さん

パパのお嫁さん

幼い頃に母親を亡くし、優しい父親と共につつましく暮らす小学生の少女の日常生活を描く少女漫画。音楽家としての名声を得ようとする父親へエールをおくるけなげな娘の心情と、降ってわいた父親の婚約話に動揺する乙女心が丹念に描かれる。庶民の生活描写では定評のある作者ちばてつやの力量を示す初期作品。「週刊マーガレット」1964年1号~9号に連載された作品で、「ちばてつや漫画文庫」の「傑作短編集③」に収録されている。

正式名称
パパのお嫁さん
ふりがな
ぱぱのおよめさん
作者
ジャンル
家族
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概要・あらすじ

中島悦子は男の子顔負けの元気一杯なお転婆小学生。おんぼろアパート「古井荘」で中島雄三(パパ)と2人きりの貧しい生活だが、持ち前の明るく活発な性格でみんなから好かれている女の子。ところがある日、パパの才能が認められ、生活環境が一変することに。しかも、雲の上の存在だった美しいバイオリニストとパパとの婚約も決まり、最愛のパパが自分から遠く離れてしまうことに絶望した悦子は意外な行動に出る。

登場人物・キャラクター

中島 悦子 (なかじま えつこ)

小学4年生の女の子。中島雄三(パパ)と2人きりでアパート暮しという貧しい家庭環境に育ちながら、いつも明るく元気に行動するお転婆な性格の一人っ子。パパには素敵なお嫁さんが来てくれることを願っているが、その反面、新しい継母にパパをとられることを恐れている。

中島 雄三 (なかじま ゆうぞう)

中島悦子の父親。妻と死に別れ一人娘の悦子との2人暮し。夜勤で守衛の仕事をしながらプロの作曲家を目指している。ボサボサ頭に無精ひげを生やし、つぎはぎだらけのドテラ姿という風采の上がらない中年男性。しかし真面目で温厚な性格で、悦子やアパートの住人たちに慕われている。

渡辺 秀樹 (わたなべ ひでき)

中島悦子とは同級生の小学4年生の男の子。成績優秀なクラス委員だが、いつも悦子と喧嘩ばかりして教室に立たされている。両親は他界しており、姉の渡辺加代子とアパート「古井荘」で2人暮しをしている。悦子とは喧嘩友達だが、内心では彼女に好意を寄せている。

渡辺 加代子 (わたなべ かよこ)

アパート「古井荘」で弟の渡辺秀樹と2人暮しをしている女性。控えめで大人しく弟思いの優しい性格の美女。中島父娘のことをいつも気にかけており、夕飯の調理を手伝ったり中島悦子の服を繕ったりして悦子の母親代わりとなって尽くす。独身の中島雄三にほのかな思いを寄せている。

大家 (おおや)

木造2階建の古いアパート「古井荘」の1階管理人室にいる大家。関西出身で、いつも騒々しい中島父娘に向かって関西弁で怒鳴りつけるが、逆にやり込められている。

茂雄 (しげお)

中島悦子が放課後に通っているそろばん塾「桜そろばん学校」の講師。純情な性格の独身青年で、渡辺加代子との結婚を夢見ており、いつもデートに誘うが断られてばかりいる。

香山 美奈 (かやま みな)

世界的に有名な女流バイオリニストで上流家庭に育った美女。中島雄三の亡くなった妻の友人でもあり、作曲家としての雄三の才能を買っており、雄三が日本音楽協会の作曲賞を受賞するために尽力する。そして、雄三の受賞をきっかけに彼と親しくなる。

香山美奈の母 (かやまみなのはは)

白髪頭に着物姿という古風な容姿ながら気品のある老婆で世田谷の豪邸に住んでいる香山美奈の母親。礼儀作法やしつけに厳しく、中島悦子を自宅に引き取ろうとするが、育ちの異なる悦子と激しく対立する。

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