非婚家族

非婚家族

仕事と結婚生活を同時に失った的場洋介は、ひょんなことから、元妻で今やキャリアウーマンとなった千本知華子、そして息子である的場翔太との、奇妙な同居生活をスタートさせることとなった。今時の家族の在り方を問うヒューマンドラマ。「ビッグコミック スペリオール」平成11年24号から平成13年25号にかけて掲載された作品。2001年にはフジテレビ系列にて真田広之主演でTVドラマ化もされている。

正式名称
非婚家族
ふりがな
ひこんかぞく
作者
ジャンル
家族
関連商品
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概要・あらすじ

コーヒー関連の飲料メーカーに勤める的場洋介は、ダイエット飲料の第2弾を企画し、女性雑誌との打ち合わせの席で元妻の千本知華子と再会する。知華子は敏腕編集長で今や注目のキャリアウーマンとして輝いていた。その数日後、洋介の新企画であるダイエット飲料は甘すぎるため推薦できないと知華子に告げられ、すべてにおいて「なんとなく」という生き方や考え方が商品に出ている、と罵倒されてしまう。

そして彼女の言葉通りダイエット飲料は惨敗し、洋介は十数年いた企画畑から営業に飛ばされてしまう。そんなある日、洋介は妻の的場ひかるから唐突に「離婚して下さい」と切り出され、ひかるは息子の的場翔太を置いて出て行ってしまう。会社を辞め、社宅も出なければならなくなった洋介だったが、そんな姿を知華子に同情され、彼女のマンションに翔太と共に居候することになる。

登場人物・キャラクター

的場 洋介 (まとば ようすけ)

コーヒー関連の飲料メーカー「アリガ」に勤務する36歳の男性。千本知華子とは大学時代に知り合い、2年付き合って結婚したがその生活は1年も続かなった。その後、的場ひかると結婚して的場翔太という息子をもうけたが、ひかるに離婚を切り出されてしまう。キャリアウーマンとなった知華子と再会したことで、自分の甘さに気づく。 人柄が良く、それがチャンスに繋がることが多い。

千本 知華子 (せんぼん ちかこ)

20代OL向けファッション誌の編集長を務める敏腕女性で35歳。的場洋介との離婚後、着実にキャリアを積み上げてきたが独身で、「結婚」という言葉に弱い自分に気づく。失業した洋介に同情し、息子の的場翔太とも同居することになるが、その奇妙な家族構成に段々と馴染んでいく。キャサリン・ヘップバーンに憧れていることから、翔太には「キャサリン」と呼ばせている。

的場 ひかる (まとば ひかる)

的場洋介の再婚相手で33歳。的場翔太の母親。元ダンサーで子供ダンス教室を手伝っている。根が自由人であり、恋と情熱が必要なプロのタンゴ・ダンサーになろうと決断し、洋介に離婚を切り出した。洋介はもっと家族サービスをしろと脅しをかけているだけだと誤解しているため、真意が伝わっていない。久木田純の友達で久木田から「ヒッキー」と呼ばれている。

久木田 純 (くきた じゅん)

千本知華子が編集長を務める女性誌に配属された若い男性。ホームヘルパー2級の資格を持つ、自称「ソープの王子」。初対面の印象から「ただのナンパな今どき君」だと思っていた知華子の予想を裏切り、意外に真面目で向上心がある。知華子のような自立した女性が好きでたびたび求婚するような発言をしているが、知華子はドキドキしながらもジョークと受け流している。 的場ひかるの友達でもある。

野口 セリナ (のぐち せりな)

的場洋介が根津新也に連れて行かれたキャバクラで働く22歳の女性。偶然洋介と同じホームヘルパー講座で一緒になる。大道芸人としてパフォーマンスの技を磨きながら、介護の仕事に活かしたいと考えている。リストラされて家族に見放され、自殺した父親のトラウマを抱えており、困っている人や動物を見ると心臓がバクバクしてしまう。 子供のように邪気がないが、やや強情な一面も持つ。

根津 新也 (ねづ しんや)

有名カメラマン。軽いノリではあるが、仕事を共にするスタッフには腰が低い。千本知華子の不倫相手で、妻は元女優。知華子に別れを告げられ、ストーカー的につきまとうようになる。根津新也を遠ざけることは知華子のマンションに同居するにあたっての的場洋介の役目であったが、ひょんなことから共に飲みに行くことになり、お互い打ち明け話を交わした結果仲良くなってしまう。

根津の妻 (ねづのつま)

元女優。夫の根津新也が家に帰ってこないため、千本知華子の職場に訪ねてくる。喫茶店で「家庭のある男と平気で寝る女は人間のクズ」と知華子を罵り、ビンタを浴びせる気の強い女性。夫婦仲は最悪で、根津から金も家も子供もあげると言われているが、別れるつもりはない。

野口 メイ (のぐち めい)

再婚して北海道に行くことになった野口セリナの母親。セリナから的場洋介の話を聞かされていた。実際に洋介に会った際には、彼が自分の別れた亭主に似ていたことから、セリナが好きになった理由を理解した。セリナの花嫁姿を見るのが夢。

ひっくん

野口セリナの飼い犬のセントバーナード。セリナが小学校5年生の時、同い年で仲の良かった「ひっくん」という男の子がアメリカに引っ越すことになり、その際にひっくんから預けられた。それ以降、セリナは本物のひっくんだと思い、この犬を心の支えにしていた。セリナがキャバクラで働いていたのは、月15万円かかるひっくんの食費を稼ぐため。

子だくさんのご主人 (こだくさんのごしゅじん)

的場洋介が不倫で悩む千本知華子のために企画した、海への旅行で出会った男性。5人の子供がいるしょぼくれた親父。的場翔太は子だくさんのご主人の子供たちと仲良くなるが、聞けば前妻の子供らを含んだ複雑な家庭で、今の奥さんとも籍が入っていないという。この家族と出会ったことがきっかけで、洋介、知華子、翔太の3人はそれぞれに「変てこな3人暮らしでもいいのではないか」と考えるようになる。

小森 マミ (こもり まみ)

的場洋介が勤めていた飲料メーカーの女子社員。新商品のダイエット飲料、「若い女の子が企画した商品」のスリーミィカフェという宣伝にインパクトがあると見込んだ洋介は、小森マミが企画した商品としてマスコミに売り出して成功を収めた。洋介が勤務することになった老人病院の総務と取引関係にあるケアグッズの会社に、叔父が勤めている。

中川 (なかがわ)

的場洋介が勤めていた飲料メーカーの営業の課長。洋介が企画から営業に飛ばされたことから、年上の洋介の指導をすることになる。洋介が千本知華子に自販機の営業をした際に上司として同行した。この時、洋介の不手際を注意したことがきっかけで、見栄を張って自分の方が上司だと言っていた洋介のウソが明るみになってしまう。これによりさらに閑職に飛ばされることになった洋介に対してかばいきれなかったことを謝るなど、生真面目だが誠実で優しい人物。

大西 (おおにし)

人材バンクの会社の食品関係担当の男性。的場洋介に対して親身になって相談に乗るが、残業や日曜出勤を避けたいという洋介の希望に驚き、「今日びそんな会社はありません」と落胆する。それでも洋介の人柄の良さを感じ取り、なんとか条件に合う会社を探そうとする。

ケンちゃん

的場ひかるが勤めるスナックの若い店員。世間的に一般とされる結婚像しか頭になく、結婚後には奥さんを働かす気がないと語り、ひかるに「それは奥さん生殺しよ」ととがめられる。的場洋介が浮気もせず、ひどい亭主でもなかったのにひかるが家出したことが理解できず、子供を置いてきたことも疑問に思っている。

竹井 裕司 (たけい ゆうじ)

的場洋介が根津新也に紹介された介護サービス会社の代表取締役。介護事業は伸びると見込んで、資格を持つ人材を捜している。洋介の前で介護について熱く夢を語りながらも、時に豹変して営業をどやしつけるなど、少々胡散臭い人物。

阿佐 (あさ)

的場洋介がホームヘルパー2級の資格を取得するため、実習に訪れた老人病院で働く女性ヘルパー。過酷な労働と忙しさのなか、さらに実習生の対応をしなければならないことにイライラしている。張り切る野口セリナに対して大量の洗濯物を干すなど無茶な指示していたが、洋介の「実習でいい先輩に巡り合えたと思わせた方が得なのでは」との言葉に態度を改める。

笹岡 (ささおか)

的場洋介がホームヘルパー2級の資格を取得するため、実習に訪れた老人病院の女性事務長。洋介の仕事ぶりを観察していたが、クセのあるヘルパーの阿佐をうまく操縦したことを高く評価し、洋介をヘルパーでなく事務職としてスカウトした。洋介が就職した後も、彼の仕事ぶりに感心し満足している。

小森の叔父 (こもりのおじ)

ケアグッズカンパニーに努める初老の男性。老人病院総務に勤める的場洋介のところに営業にきた際、話の途中から、姪の小森マミから話を聞いていた、コーヒー飲料の会社「アリガ」に勤務していた洋介と同一人物であること気づく。優秀な企画マンが欲しいと洋介をスカウトする。

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