終末の天気

終末の天気

作画:津覇圭一、原作:作元健司の両者にとってデビュー作にあたる。ひょんな事から他人を「選別する能力」を与えられたさえない青年・黒川透が、世界の崩壊に巻き込まれる中で、もがき生きる姿を描いたSF作品。講談社「週刊ヤングマガジン」2015年33号から2016年8号まで連載。

正式名称
終末の天気
ふりがな
しゅうまつのてんき
原作者
作元 健司
漫画
ジャンル
終末・ディストピア
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あらすじ

第1巻

黒川透はある日、フードの少年からBANの能力を与えられ、「要る人間と要らない人間を選別しろ」と言われる。その能力を「他人を世界から消し去る能力」であると理解した透は、気に入らない人間や、自分に疑いをかける警察関係者などを消すのに能力を使っていたが、ある時能力の使い方を誤ってガールフレンドの姉崎サヤを消滅させてしまう。それをきっかけに自暴自棄となった透は、街で無差別に人を消し始め、テロリストとして追われるようになる。そこにフードの少年が再び現れ、BANの能力は要らない人間を消すための能力ではなく、要る人間を「選ぶ」ための能力であると語るのだった。

第2巻

黒川透と、BANの能力で選別された人間達は、謎の空間でフードの少年の前に集められ、所持している限り不死の肉体を手にする事ができる「方舟乗船券」と称されるチケットを配られた。同時に、選別されて消えたはずの人々はみな元の世界に戻されたが、透はガールフレンドだと思っていた姉崎サヤに、自分の分の方舟乗船券をだまし取られてしまう。その後、行方不明になっていたあいだに仕事を首になった事で絶望した坂東の自殺に乗じて、再び方舟乗船券を手に入れた透は、サヤの行方を追い始める。

第3巻

世界が滅亡する事を知った黒川透は、返す必要もない借金をして豪遊生活を始めた。そんなある日、ホッケーマスクの殺人鬼・日浦翔は、以前に殺したはずの透が生きている事に疑問を抱き、方舟乗船券の秘密に迫り始める。翔に騙され、また方舟乗船券を失ってしまった透だが、死にかけていた自分を救ってくれた刑事を騙し討ちにして、その方舟乗船券を奪う事でかろうじて一命を取り留める。その後、姉崎サヤを街中で見かけた透は、彼女に迫って群衆に取り押さえられそうになる中、再び選別の場へと送り込まれる。

登場人物・キャラクター

黒川 透 (くろかわ とおる)

フリーターをしているうだつのあがらない青年で、年齢は25歳。ある日、フードの少年からBANの能力を与えられ、その能力を使って世界から気に入らない人間を消し去り始める。また時を同じくして姉崎サヤと親しくなり、交際を始める。

姉崎 サヤ (あねさき さや)

黒川透のアパートの隣人である若い女性。一見、清純な雰囲気を漂わせているが、実際には割と性に奔放なタイプ。透と付き合っていたが、方舟乗船券と世界の滅亡について知ったあと、自分だけが生き残るために透を裏切った。

フードの少年 (ふーどのしょうねん)

フード付きのマントをかぶり、少年のような姿をしている。黒川透にBANの能力を与え、その後大洪水によって世界を滅ぼすために大雨を降らせ始める。その正体などはまったく不明だが、念じるだけで人間を殺害するなど、超常の力を有している。

日浦 翔 (ひうら しょう)

脳腫瘍を患っており、残りわずかな寿命しかない少年。病のために絶望しており、ホッケーマスクをかぶって街で無差別殺人を行っている。黒川透から奪った方舟乗船券の効果で脳腫瘍が治ったあと、方舟乗船券の秘密を知るために透に接近する。

坂東 (ばんどう)

黒川透の幼なじみの男性。優秀な銀行員であるが、透のBANの能力によって偶然に「選別」されてしまい、3週間の間行方不明になっていたために仕事を首になってしまう。その後、方舟乗船券を手に入れたものの、自分の未来に絶望して、透の目の前で自殺を遂げた。

その他キーワード

BANの能力 (ばんのちから)

黒川透がフードの少年から与えられた能力。「BAN(バン)」と口にすると、透の右手の指の先にいた相手が「選別」され、この世から消える。距離に限度はなく、数千メートル先にいる相手を消す事もできる。なお、能動的に能力を使用する意図がなくても、条件を満たすと勝手に作動してしまう。

方舟乗船券

フードの少年がBANの能力で選別された100人の人間に配ったチケットで、所持者は世界滅亡の際に「方舟」に乗って救済される権利が得られる。同時に、これを所持しているあいだに限り不死の身体になり、ケガや病気も治るという効果がある。

クレジット

原作

作元 健司

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