カグツチ

カグツチ

鹿児島県から宮崎県にかけて実在する加久藤カルデラの地下に潜む、超巨大火山の破局的噴火をテーマにしたパニック漫画。噴火で巻き起こる自然災害によって壊滅する都市の姿や世界の破滅を、火山学者の息子、黒木綾の視点から描く。石黒耀の小説『死都日本』を原作とした作品だが、メインキャラクターの綾とクラスメイトは漫画オリジナル。原作・監修は石黒耀、シリーズ構成は外薗昌也、作画は正吉良カラク。

正式名称
カグツチ
ふりがな
かぐつち
漫画
原作
ジャンル
終末・ディストピア
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概要・あらすじ

普通の人間が感知できない超低周波音が聞こえてしまう低周波過敏症の高校生、黒木綾は、医者である母の転勤で、火山学者で別居中の父がいる宮崎県宮崎市へと引っ越してきた。は転校先の高校で神社の巫女の河村日向子や不良グループのリーダー岩切真弓とトラブルを起こすが、持ち前の特異体質によって宮崎沖で発生した大地震をいち早く察知して生徒全員の避難を成功させ、一目置かれる存在となる。

打ち解けたクラスメイトたちはの家庭事情を知り、と父親の再会を手伝うべく車で霧島山へ向かうことに。一方、宮崎の霧島山に建つ霧島火山研究所では、の父の黒木伸夫が先の大地震から霧島山を包む加久藤カルデラ破局的噴火を予見していた。

世界滅亡につながる大災害を前にした最悪のタイミングで親子が再会を果たすなか、ついに加久藤カルデラが轟き始める。

登場人物・キャラクター

黒木 綾 (くろき りょう)

16歳の純朴な男子高校生で、母に医者の黒木真理、父に火山学者の黒木伸夫をもつ。“低周波過敏症”という特異体質の持ち主で、常人には聞こえないレベルの低周波を聞き取ることができる。しかし、日常生活で不快な音が突然入ってくるため、普段はヘッドホンを身につけ、父特製の磁気テープで音楽を流している。 また、父の影響で火山に関する豊富な知識を備えている。宮崎の霧島山で研究に没頭する父から離れ、東京で母と暮らしていたが、母の転勤を機に宮崎の学校へ転校。さまざまなトラブルに巻き込まれながらもクラスメイトと打ち解け、友人関係を築いていく。そして、あらたな友人たちの計らいで、綾は疎遠となった父と霧島山で再会を果たすが、時を同じくして霧島山で破局的噴火が発生してしまう。 絶体絶命の窮地に立たされた綾は、持ち前の体質と知識を駆使して友人を守ろうと奮闘していく。

河村 日向子 (かわむら ひなこ)

黒木綾のクラスメイトで、ツインテールが特徴の女生徒。快活な性格で、怒ると手が出てしまうタイプだが、1000年以上続く実家の神社で巫女も務めている。綾とは神社の屋根に登っていたところを注意したことで出会うが、アクシデントで下着を見られたことを気にしており、同じクラスに転校してきた彼に対しては敵意を向けていた。 しかし、綾の“低周波過敏症”にいち早く気づき、複雑な素性を知るうちに心境が変化し、彼を父親と再会させるための温泉旅行を計画する。そして、綾と行動を共にしながら、次第に好意を抱いていく。

岩切 真弓 (いわぎり まゆみ)

黒木綾が転校してきた高校にいる不良グループの1人で、リーダー格の男子生徒。逆立てた髪にアゴ髭をたくわえた姿は高校生には見えないが、実際に留年しており、19歳で運転免許も所持している。転校したばかりでちやほやされていた綾に因縁をつけて襲いかかるが、軽々とあしらわれてしまう。暴力的な性格だが根は優しく、宮崎沖地震で液状化した地面に綾と河村日向子が飲みこまれそうになった際には間一髪で救出している。 また、情に厚い面もあり、綾の境遇を知ると涙して、彼が父と再会するために車の運転を買ってでる。

黒木 伸夫 (くろき のぶお)

黒木綾の父で、宮崎県の霧島山にある「霧島火山研究所」の所長を務める火山学者。長年にわたり加久藤カルデラの破局的噴火を研究しており、その被害から少しでも遠ざけるために綾や妻の黒木真理とは離れて暮らしていた優しい人物。だが、結果として綾に不信感を与えていた。綾と真理が宮崎に転居したタイミングで破局的噴火が近いことを予期し、被害の拡大を食い止めようと動き出す。

黒木 真理 (くろき まり)

黒木綾の母で、東京で医者を務めていたが、宮崎の「はまゆう病院」へ転属することとなる。気さくでフランクな性格だが、父との再会を決意した綾に対しては友人のように接しながらも、優しい母の一面も見せている。破局的噴火をめぐる大災害では自身も事故に巻き込まれつつ、医者として医療活動に奔走する。

静間 (しずま)

政府の要請で宮崎に派遣された、自称“とある機関”の人間で、長髪でスーツ姿の男性。破局的噴火について調査しており、不特定多数にチェーンメールを送ることで情報を集めていた。噴火の前触れを公表して被害を食い止めようとした黒木伸夫に対しては、騒乱罪で拘束する冷徹さを見せるが、噴火後は事態を収拾すべく、彼と協力して行動するようになる。

金井 武 (かない たけし)

黒木綾が転校してきた高校にいる不良グループの1人で、後ろで束ねた長髪と糸目が特徴。金髪で脳天気な性格の男、松本清(まつもと きよし)と共に岩切真弓に付き従っている。黒木綾が打ち明けた境遇に同情し、綾を霧島山にいる黒木伸夫と再会させるために計画された温泉旅行に同行する。また、高岡美矢に片想いをしているが、思いを打ち明けられずにいる。

高岡 美矢 (たかおか みや)

黒木綾のクラスメイトで、前髪を留めるヘアピンがトレードマークの女子。河村日向子やショートカットで快活な性格の今別府桂(いまべっぷ けい)と友人関係で、3人で綾を霧島山にいる黒木伸夫と再会させる温泉旅行に同行する。おしとやかな性格で、綾には転校当時から片想いをしているが、日向子の気持ちにも気づいており、本音を隠している。

イベント・出来事

破局的噴火 (はきょくてきふんか)

『カグツチ』に登場する自然現象、災害。超巨大火山の地底に溜まったマグマが一気に地上へ噴出する現象で、噴火の爆圧、火山礫、火砕流によって周辺地域に壊滅的な被害を発生させる。また、大量に発生した火山灰によって日本全土の都市機能は麻痺、大気に混じった微粒子は地球全土に及び、気温低下により世界滅亡に至る。物語では、破局的噴火が加久藤カルデラで発生し、黒木綾たちが幾多の災害に巻きこまれていく。 また、噴火の予兆として、大規模な宮崎沖地震が発生している。

場所

加久藤カルデラ (かくとうかるでら)

『カグツチ』に登場する実在の地名。宮崎県南西部にある、大昔に発生した大噴火の火口跡となる巨大な窪地で、現在はその上に“加久藤盆地”や“霧島連山”が形成されている。地下にはカルデラのもととなった火山が休眠していたが、物語では活動が急激に活発化し、宮崎沖地震などの予兆を経て破局的噴火に発展する。

クレジット

シリーズ構成

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