あらすじ
海に降る雪
リチャード・アンドロッサとオリヴァ・アンドロッサ、トリー・ブレントの三人は幼い頃から親しくしていた遊び仲間だったが、ある日、リチャードが危険な道で遊んでいたところ滑落し、車椅子生活となってしまう。それから年月を経て、オリヴァは婚約者となったトリーを、自身の暮らす城に招待する。その城の片隅にある塔の中には、長男で城主のリチャードが、ほとんど引きこもり状態で暮らしていた。トリーはそこで、リチャードの怪我に対する負い目から何かと彼を優先するオリヴァの様子を目の当たりにする。トリーが結婚への不安を抱く中、リチャードはオリヴァに対し、トリーを自分に譲ってほしいと言い出すのだった。
あざみ野逢歌
武家の嫡男・岡崎三郎は、自分の鷹に母親の名を付けて「瀬名王」と呼んで可愛がりながら、両親から構われない寂しさを慰めていた。三郎は自身が必要とされるような居場所を得たいと望んでいた。そんなある日、三郎は鷹の瀬名王に導かれるままに歩を進めていくと、突如意識を失ってしまう。次に目覚めた時、三郎は記憶を失っており、現代に暮らす少女・早野沙都子の家に寝かされていた。沙都子のママは運転していた車の前に鳥が飛び出し来たと語り、一方の沙都子は三郎が急に現れたと話す。事故を起こしかけてしまった手前、三郎を追い出すわけにもいかず、多忙な沙都子のママは沙都子に三郎の世話を依頼する。沙都子は彼を「サブロー」と呼び、生活全般の世話をする事になる。しかし、三郎は電灯や電話に驚くなど、現代人とは思えない反応ばかり示す。浮き世離れした雰囲気を漂わせる三郎と接するうちに、沙都子は次第に三郎に惹かれていくが、やがて三郎は記憶を取り戻し始め、自身の世界へ戻る決意を固めるのだった。
花に棲む鬼
神崎寿美は神崎寿美の父が事故で亡くなったあと、仕事で世話になっていた「樋浦産業」の社長の一人息子・樋浦信夫から援助を受け、良家の子女が通う青蘭女子高校に進学した。しかし、寿美は父親が事故で亡くなる少し前、言い争う声のあとに固い表情をした樋浦と、深刻な様子で電話をする父親の姿を目撃していた。寿美は、父親を死に追いやったのは樋浦ではないかと疑いを抱きながらも深く追求できずに、高校卒業後の進路を選ぶ時期を迎える。そんなある日、母親が亡くなった時にも満開だった「ニセアカシア」の白い花を教室から眺めていた寿美は、クラスメイトの相良綾子と樋浦の結婚話が持ち上がっている事を知る。
もひとつ影ぼうし
転校生の平井絵利は新しい中学校に馴染めず、死すら考えるほどに思い悩んでいた。そんな彼女の目の前で、線路を挟んで向かい側に立つ少女が踏切に身を投げ、自殺をしてしまう。その翌日、踏切を通りかかった絵利の前に、絵利にしか見えない幽霊の少女が姿を現し、「死んだのを後悔している、貴方が死ぬのなら身体を頂戴」と声をかけ、付きまとい始める。
星のように雲のように
名家の娘ながら身寄りのない若い女性ローゼル・グラスローンは、メイドのメアリを除いて親しい人たちが次々と事故死してしまい、ついに身よりをすべて失くしてしまう。そのため「血のローゼル」という禍々しい異名で呼ばれ、恐れられていた。ローゼルは親交を持った人が死ぬ事を避けるために、つねに他人との接触を避け孤独の身だった。そんな中、グラスローン家の管財人を務めるレザランは、グラスローン家の財産を我が物にするため、ローゼルと甥のパーシーを結婚させようと画策する。一方パーシーは、ローゼルがぶさいくだった場合に逃げ出しやすいようにと、友人のエヴァンを伴って現れる。ローゼルが美しい女性である事から、パーシーは俄然彼女との結婚に乗り気になるが、ローゼルはエヴァンの自然を愛する優しい人柄に心惹かれていく。焦ったパーシーはローゼルに乱暴し、強引に既成事実を作ろうと目論む。
薔薇の肖像
貧しいが腕のいい画家ロージャ=ノットは、カロライン・ディーキンズ伯爵令嬢の肖像画を描くよう依頼される。ロージャには親しくしているケイトという召使いの女性がおり、肖像画の仕事もカロラインの館で働く彼女の口利きで得たものだった。仲睦まじい二人を目撃したカロラインはその気もなしにロージャを誘惑し、彼が夢中になったところで手酷く手のひらを返す。非道な仕打ちに遭ってもロージャはカロラインの美しさを崇拝し、病で残り少ない命のすべてをかけて、彼女の美しさをすべて閉じ込めたかのような肖像画を描き上げる。
登場人物・キャラクター
トリー・ブレント (とりーぶれんと)
「海に降る雪」に登場する。腰の下まで届く長い髪をした若い女性。名家の子女だが、今はかつてほどの財力を有しておらず、婚約者で幼なじみのオリヴァ・アンドロッサとは家柄が釣り合わないと、彼の使用人達に陰口を叩かれていた。しかし活発で明るい性格の働き者で、使用人に混じって掃除や食事の支度などを積極的に行っている。その飾らない振る舞いですぐに新しい環境に馴染み、使用人達にも受け入れられる。 幼い頃より明るく元気なオリヴァに好印象を抱いていた。
岡崎 三郎 (おかざき さぶろう)
「あざみ野逢歌」に登場する。ショートカットの髪型をした少年。天正2年当時16歳だった。雛の時から面倒を見ている白い鷹の瀬名王を可愛がっている。正式名は「徳川三郎信康」。屋敷の近くに広がる濃い紫のあざみの原を越え、どこまでも自由に行ってみたいと願っていた。願いが叶い、昭和63年の早野沙都子の暮らす家で記憶を失った状態で目覚める。 母親の瀬名姫に嫌われており、父親からも気にかけてもらえず、自身をいなくてもいい存在と卑下していた。しかし、共に過ごした沙都子にここにいて欲しいと言われた事で、自分の人生に向き合う気持ちを取り戻す。沙都子には「サブロー」と呼ばれている。実在の人物、松平信康がモデル。
神崎 寿美 (かんざき ことみ)
「花に棲む鬼」に登場する。青蘭女子高校に通う3年生の女子で、髪を長く伸ばしている。幼い頃に母親を亡くしており、神崎寿美の父と二人、支え合って暮らしてきた。成績が優秀な事から、有名なお嬢様学校の青蘭女子高校への進学を希望していた。かつて母親の葬儀の時に、満開に咲くニセアカシアの花の下で樋浦信夫と出会っている。 神崎寿美は樋浦が誰なのか知らないまま、面影だけをずっと覚えていた。
平井 絵利 (ひらい えり)
「もひとつ影ぼうし」に登場する。中学に通う女子で、黒髪を顎下のあたりで切りそろえた髪型をしている。一週間前に引っ越しして新しい中学に転校したが、その学校の勉強が進んでいる事からついていけず、クラスメイトたちともなじめないまま辛い思いを抱えている。教師にも早く学校になじんで友達を作れと責められており、疎外感に耐えられずに踏切に飛び込もうかと思い詰めていた。 しかし、自分よりも先に飛び込んだ少女がいたため、思いとどまった。翌朝登校時に踏み切りを通りかかった時、昨日目の前で踏切に飛び込んだ幽霊の少女が現れ、それ以来付きまとわれるようになる。
ローゼル・グラスローン (ろーぜるぐらすろーん)
「星のように雲のように」に登場する。夕日に染められた雲のような豊かな赤い髪に、青い瞳を持つ若い美女。父母をはじめ親しい人たちが次々と不幸な事故に見舞われて命を落としている。そのため使用人からは「血のローゼル」と呼ばれている。幼い頃から姉妹同然に育った、身寄りのない女性メアリに身の周りの世話をしてもらっている。しかし、今はローゼル・グラスローン自身の周りで不幸が起きる事を恐れ、メアリ以外の人を寄せつけないようにしている。
ロージャ=ノット
「薔薇の肖像」に登場する。ショートカットの髪型をした青年画家。若いが素晴らしい絵の技量を持っている。小さい頃から病気がちで、最近は顔色が悪くなり死神の影まで見えるようになっている。カロライン・ディーキンズの館に雇われている幼なじみのケイトの紹介で、カロラインの肖像画を描く仕事を得たが、これが最後の仕事になるだろうと自覚している。 幼なじみのケイトとはお互いを思いやれるいい関係を築いていたが、カロラインの美貌に心を奪われ、心配するケイトをふってしまう。
オリヴァ・アンドロッサ (おりゔぁあんどろっさ)
「海に降る雪」に登場する。黒い巻き毛のショートカットの髪型をした青年。名家であるアンドロッサ家の子息で、長男のリチャード・アンドロッサが幼少期に足を傷めて車椅子の生活を余儀なくされたため、実質的な跡取り息子となっている。特に父親が亡くなった4年前から、明るかった幼少期のオリヴァ・アンドロッサとは別人のように口数の少ない冷たい目をするようになった。 それは兄の身体を不自由にしてしまった原因は、自分が危険な場所に行こうと誘った事の自責の念からで、彼の前では明るく振る舞う資格はないと考えているためである。
リチャード・アンドロッサ (りちゃーどあんどろっさ)
「海に降る雪」に登場する。金色のショートカットの髪型をした青年。名家であるアンドロッサ家の長男で、オリヴァ・アンドロッサの兄。幼なじみのトリー・ブレントには「リッチ」と呼ばれている。幼い頃にトリー・ブレントと弟のオリヴァと遊んでいた時に事故に遭い、車椅子生活を送っている。今は額の目立つ傷跡を気にしながら城の中の塔に引きこもって暮らしている。 実は足は4年前から立ち上がれるほどに回復しており、1年前からは乗馬もしていた。昔から自分よりも城の者たちから好かれていたオリヴァを妬んでおり、オリヴァが罪の意識を抱き続け苦しむように願い、治っていないふりを続けている。
コックス夫人 (こっくすふじん)
「海に降る雪」に登場する。リチャード・アンドロッサとオリヴァ・アンドロッサに仕える初老の夫人。ふくよかな体型をしている。長くアンドロッサの家に仕えており、リチャードとオリヴァのどちらかが、幼なじみで仲のよかったトリー・ブレントとの結婚することを願っていた。
五徳 (ごとく)
「あざみ野逢歌」に登場する。長い黒髪を姫カットにし、背中で一つに括った少女。岡崎三郎の婚約者。三郎が可愛がっている白い鷹の瀬名王を触らせてもらえなかった事に腹を立て、真っ白な瀬名王を気味が悪いと罵った。意地っ張りなところがあり、婚約者の自分を優先して欲しいと望んでいるが、素直に言えずにいる。実在の人物、徳姫がモデル。
瀬名王 (せなおう)
「あざみ野逢歌」に登場する。真っ白い鷹。岡崎三郎に雛の頃から育てられ、現在も世話をしてもらっており、彼によく懐いている。五徳からは、真っ白い生き物には魔が住んでいるという言い伝えにより、不吉な存在として快く思われていない。三郎がタイムスリップするきっかけとなった。
瀬名姫 (せなひめ)
「あざみ野逢歌」に登場する。岡崎三郎の母親。ストレートの長い黒髪の女性。名門の出で、望まぬ結婚で岡崎三郎を産んだと侍女らに噂されており、三郎とはたまに言葉を交わすだけの距離を置く関係となっている。月に一度あるかないかという、夫の訪問頻度の低さも塞ぎがちな一因となっている。実在の人物、築山殿がモデル。
早野 沙都子 (はやの さとこ)
「あざみ野逢歌」に登場する。17歳の女子学生で、肩を覆うほどの長さのストレートのロングヘアにしている。突然、岡崎三郎が沙都子のママの運転する車の前に飛び出して来て倒れたため、放っておけずに世話をする事になった。学校がちょうど春休みという事もあり、付きっきりで世話をするうちに次第に三郎と親しくなった。3年前に亡くなった父親が大事にしていた庭の弓道場を、もう誰も使わないにもかかわわらず今も丁寧に掃除し管理を続けている。 それほどに父親と暮らした家や家族の団欒の記憶を愛しているが、沙都子のママが仕事ばかりで家を省みないため、親子関係に亀裂が入りかかっている。
沙都子のママ (さとこのまま)
「あざみ野逢歌」に登場する。ショートカットの髪型をした中年の女性。作家の仕事が忙しく、家の事は娘の早野沙都子にすべて任せている。実は借金のかたに家を取られないように金策に奔走しているのが真相で、それを沙都子に伝えずにいたため家の事を軽んじていると誤解されている。この事を沙都子に責められ、過労もたたってついに倒れてしまう。
今日子 (きょうこ)
「あざみ野逢歌」に登場する。眼鏡をかけ、ハーフアップの長い髪をした少女。友人の早野沙都子と同じくらいの年齢で、沙都子の幼なじみ。歴史好きでよく喋る明るい性格の持ち主。
神崎寿美の父 (かんざきことみのちち)
「花に棲む鬼」に登場する。樋浦産業の秘書室長を務めていた男性で、神崎寿美の父親。スマートで落ち着いた雰囲気の人物で、中学生時代の寿美の友人達からは、エリートでかっこいいお父さんと口々に褒められていた。寿美の幸せを願っており、有名なお嬢様学校である青蘭女子高校への進学を勧めた。趣味は妻との思い出の曲である、カール・ベーム指揮のアントニオ・ヴィヴァルディの四季のレコードを聴く事。 寿美が高校2年生の時に車の事故で命を落とした。
樋浦 信夫 (ひうら のぶお)
「花に棲む鬼」に登場する。樋浦産業の社長の一人息子の青年。神崎寿美の母親が亡くなった際、神崎寿美の父が樋浦産業の秘書室長を長年務めていた関係で、葬儀に参列していた。その時に、幼い寿美と満開に咲くニセアカシアの花の下で出会っている。樋浦信夫自身はその事を覚えているが、寿美は忘れてしまっているだろうと考えていた。 神崎寿美の父が存命中に若くして樋浦産業の副社長になり、その後、実の父親から社長の座を継いだ。周囲に認められようと必死になって働いており、新社長として就任したての頃から、取引先の人々にも「仕事のオニ」と呼ばれていた。神崎寿美の父が亡くなってから、寿美の後見人として学資や生活の面倒を見ている。
相良 綾子
「花に棲む鬼」に登場する。青蘭女子高校に通う3年生の女子で、神崎寿美のクラスメイト。長いウェービーな黒髪を額の両サイドでピンでまとめ上げ、額を出した髪型をしている。相良財閥の令嬢で、周囲にはそのような事実はないにもかかわらず、親の取引先の樋浦産業の新社長・樋浦信夫の婚約者だと吹聴している。それに伴い、寿美が樋浦の援助を受けて学校生活を送っている事に対し、取り巻きを引き連れて悪口を言っている。
槙 (まき)
「もひとつ影ぼうし」に登場する。中学に通う女子で、平井絵利のクラスメイト。口調がきつく、制服も着崩している事から、周囲に怖い印象を与えている。実は、口は悪いが気さくな性格で、話をすればすんなり相手の主張も受け入れる素直な心の持ち主。
幽霊の少女 (ゆうれいのしょうじょ)
「もひとつ影ぼうし」に登場する。数年前に踏切で自殺したセーラー服の少女。転校したばかりで新しい学校になじめず、死にたいと思っていた平井絵利の前で自分が死んだ時の様子を再現し、それ以来彼女に付きまとい始めた。実は人生をやり直したいと考えており、自分がかつて自殺をした原因と似た悩みを抱えた絵利に付きまとい、「死ぬなら身体を頂戴」と求め続ける。
メアリ
「星のように雲のように」に登場する。長い黒髪をカチューシャで押さえた若い女性。身寄りのない自分を引き取ってくれた先のグラスローン家の一人娘であるローゼル・グラスローンに深く執着している。あまりに近すぎる関係を案じたローゼルの父母はローゼルとメアリを引き離そうとしたが、それを阻止したいがためにローゼルの父母を事故に見せかけて殺した。 それからはローゼルに近づく者を次々に事故に見せかけて殺している。
パーシー
「星のように雲のように」に登場する。大学生の青年で、ショートカットの髪型をセンター分けにしている。叔父のレザランに、彼が管財人をしている館の若い女主人であるローゼル・グラスローンと結婚すれば財産を好きにできると誘われ、グラスローン家にやって来た。ローゼルがぶさいくなら逃げ帰ろうと思っており、逃げ出す時に便利だからと、大学の友人エヴァンを同行者として連れて来た。 女好きで手が早く利己的な考え方を持つ人物。叔父が管財人の立場を悪用してグラスローン家の財産を使い込んでいる事を知りながら計画に加担している。
エヴァン
「星のように雲のように」に登場する。大学生の青年で、ショートカットの髪型をしている。学校の友人パーシーに誘われ、休暇中の予定がなかった事から周囲に言いくるめられ、成り行きでいっしょにグラスローン家を訪れた。早起きが習慣づいており、緑の中をあてもなく散策するのが好き。朝の露に濡れた木の葉を美しいと感じるローゼル・グラスローンとは感性が似ているという事もあり、すぐに打ち解ける。
レザラン
「星のように雲のように」に登場する。口ひげと顎ひげを蓄えた中年の男性。甥のパーシーを呼び寄せ、自身が管財人をしているグラスローン家の若い女主人であるローゼル・グラスローンと結婚させ、莫大なグラスローン家の資産をわが物にしようとした。公正に管財人の職責を全うしておらず、館の金を使い込んでいる。パーシーが強引にローゼルに迫るのをはねのける召使いのメアリの事を生意気だと嫌っている。
カロライン・ディーキンズ (かろらいんでぃーきんず)
「薔薇の肖像」に登場する。金色の髪に菫色の瞳をした美しい若い女性。ディーキンズ伯爵家の令嬢で、家柄のいいフランシス卿との結婚を間近に控えており、その贈り物として伯爵家がロージャ=ノットに肖像画制作の依頼をした。貴族の若い男性を侍らせ、奔放に遊び回っている。自分だけに異性の注目を集めておかなければ気が済まない傲慢な性格で、ロージャが幼なじみのケイトと親しげにしていたのを見てロージャを誘惑し、彼を夢中にさせたあとで手酷くふっている。
ケイト
「薔薇の肖像」に登場する。カロライン・ディーキンズの館の召使いの若い女性。ヘッドドレスを被りエプロンを着用している。ロージャ=ノットとは幼なじみで、彼の絵の技量が素晴らしいと執事に紹介し、そこからロージャはカロラインの肖像画の依頼を受ける事になった。昔から、面倒見がよく優しい性格で、館に仕事のためにやって来たロージャの顔色が悪い事を心配している。
フランシス卿 (ふらんしすきょう)
「薔薇の肖像」に登場する。カロライン・ディーキンズの許嫁の青年。家柄もよく見た目もいい事から、ケイトにはカロラインとお似合いだと評されている。しかし、カロラインとフランシス卿が会っている時に、カロラインを名前で呼んだロージャ=ノットを、その経緯も聞かずに画家風情が無礼だと鞭で打ちすえた傲慢さを持つ。