あらすじ
平和主義者の七海莉央は、自分の本音を隠してしまう悪癖の持ち主。ある日、莉央は数学の少人数クラスで汐屋滉の机を使用することになる。愛想のない汐屋に苦手意識を抱いていた莉央だったが、自分が好きなバンドのクリアファイルを汐屋が使っていることに気づき、話しかけてみたいと思いつつも勇気を出せずにいた。そんな中、莉央は自らの数学プリントに記した答えが違っていると、汐屋から話しかけられる。自分だったら親しくもない相手のためにわざわざ指摘しないと感じた莉央は、汐屋にさらなる興味を抱くようになる。こうして少しずつ会話をするようになった二人だったが、彼のさまざまな意外な一面を発見していく中で、莉央は汐屋に恋する気持ちが抑えきれなくなっていく。そんな中、莉央は汐屋に告白をして恋人同士になったものの、今一つ距離が縮まらないことに悩んでいた。さらに莉央が汐屋を映画デートに誘うと、別の人と行った方がいいと冷たくあしらわれてしまい、大きなショックを受ける。(#1「同じ席の不機嫌くん」、#2「私の彼氏の不機嫌くん」)
登場人物・キャラクター
七海 莉央 (ななみ りお)
とある高校に通う女子。平和主義者で、触らぬ神に祟りなしをモットーにしており、余計なことは口にしないと決めている。そのため、七海莉央自身の本音を隠してしまう悪癖を持つ。少人数クラスの数学の時間に汐屋滉の机を使用したことがきっかけで、彼と会話を交わすようになる。いつも不機嫌な汐屋に対して苦手意識を抱いていたものの、実は照れ屋であるなどさまざまな意外な一面を垣間見て、次第に恋愛対象として意識するようになる。
香月 麗愛 (かづき れな)
とある高校に通う女子。自分を曲げられない性格をしている。すぐに思ったことを口にしてしまい、コミュニケーション下手で空気が読めないため、クラスの中で孤立している。しかし、自分に与えられた役割は精一杯全うしようとする頑張り屋なところがある。追加試験を受けたことで古川旭と知り合い、彼から好意を抱かれるようになる。これまで人から好意を持たれた経験がないことから、最初は古川の言動に戸惑っていたものの、次第に彼を意識するようになる。
汐屋 滉 (しおや こう)
七海莉央と同じ高校に通う男子。少人数制の数学の時間に自分の席を莉央が使用することになり、初めて彼女のことを認識した。莉央の数学のプリントを見て、答えが間違っていると指摘したことから、莉央と会話するようになる。見た目は悪くないものの口数が極端に少なく、喜怒哀楽を表に出すことも少ないことから、莉央をはじめとする一部の女子からは怖いと苦手意識を抱かれている。しかし実際は照れ屋で、不器用なだけである。
古川 旭 (ふるかわ あさひ)
香月麗愛と同じ高校に通う男子で、先輩に当たる。追加試験を受ける際に同じ教室にいた麗愛が、白紙のまま答案を出そうとしている姿を目撃し、興味を抱くようになる。麗愛と接するようになり、彼女の不器用ながらも真っすぐなところに心惹かれ、自分を好きになってもらおうと奮闘する。整った容姿で、コミュニケーション能力も高い。男女問わずに好感を持たれており、いわゆる世渡り上手なタイプ。
安田 (やすだ)
七海莉央と同じ高校に通う男子。莉央に片思いをしており、人前で堂々とアプローチを繰り返している。しかし彼女が欲しいだけで、莉央に対して本気の恋心を抱いているわけではない。実際、莉央に告白を断られてからも、すぐに別の女子を好きになっていた。軽薄な性格ながら裏表がなく、社交的であることから友達が多い。莉央からも自分の気持ちを隠さずに行動できるところが、羨ましいと思われている。