概要・あらすじ
向太陽は、プロゴルファーを目指す中学生。実家の定食屋を手伝い、ゴルフ練習場でバイトをしながら練習に励んでいる。元プロゴルファー竜谷のもとで、めきめきとゴルフの腕前を上げた太陽は、最年少でプロテストに合格。由緒あるゴルフトーナメント「全英オープン」に出場することを目標に、プロゴルファーとしての活動を始める。
登場人物・キャラクター
向 太陽 (むかい たいよう)
物語の冒頭では、プロゴルファーを目指す中学生。実家の定食屋の手伝いやゴルフ練習場でバイトをする他に、アマチュア相手の賭けゴルフで資金を作りながらゴルフの腕を磨いている。中学校卒業後は進学せずに新荒川カントリークラブに就職し、最年少でプロテストに合格、プロゴルファーとなる。夢はイギリスのセント・アンドリュースで開催される世界トーナメント「全英オープン」に出場すること。 背は低くずんぐりむっくりな体型だが、中学生の頃からプロに匹敵するほどのパワーと技術を持つ。冒険心が強く、無謀な挑戦から窮地に立たされることも多いが、どんな状況からも諦めずに追い上げる粘り強さを見せる。荒川の河川敷にあったゴルフ場でゴルフを始めたため、悪条件下でのプレーに自信を持っている。
竜谷 (りゅうこく)
元プロゴルファーで向太陽にゴルフを教えている。トレーニングと幾多の厳しい試練を与えながら、太陽をプロゴルファーへと育てていく。目が悪く、常にサングラスをしているが、確かなゴルフの技術を持つ。
白石 悦子 (しらいし えつこ)
向太陽のクラスメイト。ゴルフ好きの父親について行った練習場で太陽がゴルフをしていることを知る。スイングの際の掛け声「チャーシューメン」を発案した人物。進学せずにプロゴルファーを目指す太陽の家族をかたどった、手製のヘッドカバーをプレゼントするなど、陰から太陽を応援している。
大田黒 彰 (おおたぐろ あきら)
向太陽が助っ人で参加した「南関東中学生ゴルフ選手権」に出場し、太陽とプレーを共にした。前年度のベストグロスであり、優勝候補だった。太陽と接戦を繰り広げ、惜しくも敗れる。中学卒業後はアメリカに留学し、全米アマトーナメントで優勝するなど経験を積み、太陽に雪辱を果たすことを望んで「東洋マッチプレー」に参加する。
牛島 豪造 (うしじま ごうぞう)
アシスタント生Bクラスの人物。研修生の入門テストに挑戦した向太陽とプレーをした。「新人殺し」の異名を持ち、ルール違反すれすれの行動で太陽のプレーを邪魔する。実は太陽にプロとしての厳しさを教えるために、竜谷に依頼されていた。
日吉 一 (ひよし はじめ)
鬼ヶ崎カントリークラブでプロテスト受験資格をかけて開催された「アシスタントプロトーナメント」で、向太陽とプレーを共にし、優勝を競い合う。優れた技量と体力を持ち、太陽の実力を高く評価している。母子家庭の長男であり、境遇も似ていることから太陽とは互いを強力なライバルと認め合う関係。
古葉 實 (こば みのる)
全日本大学ゴルフ選手権で優勝した経験を持つ。千成ゴルフクラブで開催されたプロテストに出場し、予選で向太陽と共にプレーを行う。太陽とは、プロテスト開催前に行われた、泊まり込みの練習ラウンドの際に同室となって知り合う。測量機器まで用いてコースの隅々までデータを集める戦略で太陽を驚かせる。
火鳥 元 (ひどり げん)
千成ゴルフクラブで開催されたプロテストの出場選手で、予選で向太陽と共にプレーする。勝つためには手段を選ばないため、研修会を何度も除名にされかかっている問題児。「アシスタントトーナメント」で僅差で入賞を逃したことから太陽に敵意を抱き、あくどい手段で太陽のプレーを妨害する。 しかし、ラフプレーに慣れた太陽に反撃され、調子を崩す。
磯村 (いそむら)
千成ゴルフクラブで開催されたプロテストの出場選手。プロテスト三日目の決勝戦で向太陽、日吉一と共にプレーを行う。小柄ながら名門高校の野球部で強打者としてならした人物で、飛ばし屋として知られている。
謝 健張 (しゃ けんちょう)
台湾出身のプロゴルファーで、数多の優勝経験を持つベテラン選手。武甲山ゴルフクラブで開催された「東太平洋オープン」の出場選手で、ディフェンディングチャンピオンとして注目されている。向太陽と同い年の息子がおり、共にプレーした太陽に様々なアドバイスを与える。気さくな人柄で、しばしば冗談を飛ばしてギャラリーを沸かせる。
リー・トラビノ
テキサス州ダラス出身のメキシコ人プロゴルファー。世界的なトーナメントで数々の優勝経験を持つ、世界的な強豪選手。武甲山ゴルフクラブで開催された「東太平洋オープン」に出場し、決勝ラウンドで向太陽、古葉實と同じ組になる。陽気で豪放な人物だが、強豪選手の実力を太陽たち新人選手に見せつける。 太陽の才能を認め、アメリカでの武者修行に誘った。実在のプロゴルファーリー・トレビノがモデル。
セベ・バレンチノ
スペイン出身のプロゴルファー。世界的な強豪選手の一人で、「東太平洋オープン」では全日トップスコアでプレーし続けたトーナメントリーダー。トーナメント最終日で向太陽、リー・トラビノと同じ組になる。猛烈な追い上げを見せる太陽とは、プレーオフにもつれ込んで優勝を競った。実在のプロゴルファー、セベ・バレステロスがモデル。
岡村 (おかむら)
タクシーの運転手だが、元巌竜岬ゴルフクラブで長年キャディをしていた老人。強引に向太陽の専属キャディとなり、「東洋マッチプレー」に同行する。無遠慮な性格で当初は太陽を怒らせていたが、複雑に入り組んだ巌竜岬ゴルフクラブの地形を隅々まで知り尽くしており、次第に信頼関係を築いていく。
杉原 輝光 (すぎはら てるみつ)
日本プロゴルフ界で最多勝利数を誇るベテランプロゴルファー。巌竜岬ゴルフクラブで開催された「東洋マッチプレー」に出場し、1回戦で向太陽とプレーする。「マムシ」という異名を持つ、マッチプレーの心理戦に長けたプレイヤー。実在のプロゴルファー、杉原輝雄がモデル。
クインシー
大柄なアメリカ人で大田黒彰の専属キャディ。巌竜岬ゴルフクラブの「東洋マッチプレー」に出場した大田黒に同行する。大田黒の才能を高く評価しており、機械のように精密な指示で大田黒をサポートする。
青木 功一 (あおき こういち)
「世界の青木」として知られる日本人プロゴルファー。「東洋マッチプレー」3回戦で向太陽とプレーを行う。「マッチプレーとは優れた技をもってする騙し合い」が持論。当初は太陽を早めに勝ち下す予定だったが、驚異的な粘り強さで反撃され、激戦を繰り広げる。実在のプロゴルファー、青木功がモデル。
疋田 宴次郎 (ひきた えんじろう)
「東洋マッチプレー」の決勝戦で向太陽と優勝を競い合ったプロゴルファー。プロゴルファーとして確かな技量を持っているが、勝つためには、ためらいなく卑怯な手段を使う人物で、とりまきを使って太陽のクラブに細工をしたり、プレー中にボールを隠すなど、様々な妨害工作を行う。しかし、岡村や観戦に訪れていた家族たちに助けられた太陽に敗れ、優勝を逃す。
トム・ファーガソン
「全英オープン」出場予選地のひとつトム・モリスゴルフクラブに所属するキャディの少年。4代に渡ってキャディを務めた一家の末裔で、年齢は向太陽とさほど変わらないながら自尊心が強い。イギリスに渡ってきた太陽と契約することになり、当初は喧嘩ばかりしていた。しかし、有名キャディ一家のプライドから太陽を「全英オープン」に出場させることに執念を持っており、「全英オープン」出場に憧れのある太陽と次第に結束していく。
レス
セント・アンドリュースに住む老人。現役を退いているが、長い経験を培っているベテランのキャディで、世界中の名選手を「全英オープン」で優勝に導いた人物。地元の人々からは「妖怪」と呼ばれて畏れられている。向太陽とトム・ファーガソンが「全英オープン」を勝ち進んでくることに興味をもち、ジョン・ニクラスと契約してキャディとして復帰し、決勝戦で太陽たちを待ち受ける。
ジョン・ニクラス
「帝王」という異名を持つ、世界的に有名なプロゴルファー。「全英オープン」の決勝戦最終日で向太陽とプレーし、優勝をかけて死闘を繰り広げる。太陽がゴルフを始めた時期に絶頂期を迎えていた人気プレイヤーで、太陽にとっては憧れの人物。実在のプロゴルファー、ジャック・ニクラスがモデル。
クレジット
- 脚本協力