あじさいの唄

あじさいの唄

父子家庭の少年、栗太郎と、彼の拾った子犬の栗之助。そして彼らを取り巻く個性的な人間や動物たちの日常を描いたコメディ作品。第27回日本漫画家協会賞の優秀賞受賞(1998年)。

正式名称
あじさいの唄
ふりがな
あじさいのうた
作者
ジャンル
ギャグ・コメディ
 
 
時代劇
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概要・あらすじ

傘貼り浪人の息子、栗太郎は、ある雨の日、あじさいの下にたたずむ子犬と出会う。雨に濡れたその子犬を不憫に思った栗太郎は家に連れ帰り、その犬を栗之助と名付ける。やがて父親からも家で飼うことを許され、新しい家族として共に過ごすようになる。

登場人物・キャラクター

栗太郎 (くりたろう)

柴犬の栗之助の拾い主である元気な少年。母上を早くになくしており、現在は父子家庭の子供であるため、家事に長けていたりといった大人びた一面も見せる。父上との仲は非常に良好。母上を深く敬愛しており、いないことに対する寂しさを時折覚えているため、友人と母上の会話や触れ合いなどを見るとナーバスになる。 また、母上への思慕の念からか、年上の女性が好み。

栗之助 (くりのすけ)

『あじさいの唄』に登場する犬。栗太郎に拾われ、飼われている柴犬。相棒として、いつも栗太郎と一緒に仲良く遊んでいる。主人に似て天真爛漫な性格だが、人間の行動に対しては時折シニカルな一面を見せることもある。人間の言葉がわかるようで、自身も人間の言葉を話したいと思ったこともあった。

栗太郎の父 (くりたろうのちち)

傘貼りの仕事で生計を立てている浪人。普段はのんびりとしており、大人らしからぬ言動も見られるため、栗太郎にたしなめられることもある。しかし剣術の達人で、いざというときはとても頼りになる。栗之助を飼うことに当初は反対していたが、栗太郎と仲良くしているところを見て、考えを改めた。

栗太郎の母 (くりたろうのはは)

故人であるため、栗太郎や栗太郎の父の回想に登場する。優しく聡明で、器量もいいため栗太郎に深く敬愛されていた。栗太郎の父とケンカをすることもあったが、仲睦まじい様子がよく見られた。紫陽花が好きで、花の一つ一つに名前を付けていた。

殿様 (とのさま)

栗太郎が住む藩の藩主。切れ者だが堅物であるというのが世間の評価である。しかし実際は庶民的な性格で、よく身分を隠しては市井と交流しており、その際に「忠さん」と名乗っている。「うぃーす」が口癖。お茶目なところもあるが、気配りも細やかで面倒見もいいため、広く慕われている名君。栗太郎の父とは友人同士で、栗太郎とも交流がある。

花木 みく (はなき みく)

栗太郎と同じ寺子屋に通う少女。筆を忘れたところを助けてもらった縁で知り合った栗太郎から、あこがれを込めて野菊のような人と呼ばれる。後に栗太郎の家に招かれることになり、その時はお互い良い雰囲気だったが、栗太郎の父を見るや否やぞっこんになってしまい、栗太郎に複雑な感情を抱かせた。

源さん (げんさん)

近所に住んでいる、栗太郎の遠縁の親戚。面倒見のいい性格で聞き上手でもあるため、栗太郎から深く信頼されている。生前の栗太郎の母にも頼られており、栗太郎の父とケンカをしてしまった際に相談にのり、仲直りを助けたことがある。

竹村 宏次郎 (たけむら こうじろう)

栗太郎と同じ寺子屋に通う少年で、級長を務めている。嫌味な性格で、栗太郎を見るたび小癪なマシンガントークをさく裂させるため、煙たがられている。マザコンである。母親も似たように嫌味な性格であるため、親子そろって嫌われている。

ごんちゃん

栗太郎と同じ寺子屋に通う友人で、丸メガネがトレードマーク。暇があれば栗太郎を誘い、遊びに出かける。豪快な性格の母親がおり、よく栗太郎の名前を間違えたり、がさつであったりするため、栗太郎は快く思っていない。

久蔵 (きゅうぞう)

殿様の家臣。厳しい性格で、横柄な物言いをすることもある。それが災いして給仕が仕事をボイコットしてしまった際には、殿様の計らいによって自分で夕食の用意をすることになり、自ら体験することで自身の言動を反省した。

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