週刊少年ハチ

週刊少年ハチ

「主人公」に憧れる凡人が、漫画家を目指して努力する、熱血青春漫画。完全競争主義の専門学校で、ライバルや仲間たちとしのぎを削る。「週刊少年チャンピオン」2018年9号より新連載。

正式名称
週刊少年ハチ
ふりがな
しゅうかんしょうねんはち
作者
ジャンル
作家・漫画家
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概要・あらすじ

通称「ハチ」こと八坂八起は、「主人公」に憧れる少年だった。子どもの頃、野球漫画に熱中し、その主人公が努力の末に成長していく姿に強烈に惹かれたのだ。ハチはその影響で野球部に入部し、主人公になるべく努力するが、報われることはなかった。そして高校を卒業するに当たり、ハチは新たな夢を抱いていた。それは漫画家になること。ハチは両親の反対を押し切って、漫画の専門学校・鬼ヶ浜まんが学園に入学した。

そこは完全競争主義を標榜する2年制の専門学校で、校舎の端に灯台があることと、競争が激しいことで「鬼の塔」とも呼ばれていた。登校初日、親友のサル(猿島空悟)と学校の門をくぐろうとした時、サラサラ髪の超美人とぶつかった。あまりの美しさに見とれるハチを尻目に、サルは嬉々として超美人に声を掛ける。

しかし、その超美人は、ミケこと三ケ矢桃真という名の男性だった。ハチとサルの落胆はやがて怒りに変わり、ミケを含めた三人の大喧嘩になる。その様子を面白がって見ていたのが、ミケの連れである眼鏡美人のミャーコだった。ミャーコを見て、ハチの記憶が蘇る。彼女は体験入学の時に話しかけてくれた女性で、ハチがこの学園を志望する動機の一つになっていたのだ。

「いつか君の物語を読ませて」という言葉に支えられたことにお礼を言おうとするハチだったが、ミャーコはそのことをまったく覚えていなかった。入学式を終えた初めての授業は、紙とペンを使った自己紹介だった。ハチは、一斉にペンを走らせるクラスメートの迫力に呑まれそうになるが、歯を食いしばって絵を描き続ける。

全力を出し切り、自己紹介の絵は完成するが、みんなの注目はミケだった。その圧倒的な画力に、クラスメートたちは、ミケの正体に気がつく。彼は新人賞を獲得後、メジャー漫画誌でデビューした天才といわれる男だった。そんな実力者が、なぜ漫画専門学校に来ているのか。ミケによると、身近なミャーコに「面白い」と言わせたことが一度たりともないのが理由だという。

自分にはプロとして、何かが足りないのだと。そんな様子を眺めていたハチは、ミケと自分の実力差に呆然とした。ミケがやってきて「よく頑張っている」と上から目線で言葉をかけられた時、ハチの心は張り裂けそうになった。自分のことを競争相手とすら思わないミケに怒り、一から描き直すと宣言。

その時、少し離れたところにいたミャーコが、ハチのネームが面白いと声をかけてきた。棚に置きっぱなしだった、ハチのノートをいつのまにか読んでいたのだ。それを聞いて、ミケの表情が変わった。何しろ、ミケはミャーコに「面白い」と言われたことが一度たりともないのだ。ミケは、ハチを見下した発言を詫び、初めてちゃんとハチと向き合った。

二人は握手をし、同じ夢を見るライバルとして戦うことを誓い合う。ハチはミケに、放課後、ネームをみてくれるように頼んだ。一番の実力者から、お世辞抜きの評価をしてもらうためだ。そして放課後、ハチとミケは大勢に取り囲まれていた。ミケも一目置くライバルだと噂された、ハチを見に来たのだ。ネームを読んだミケの言葉は、悪気はないが、想像以上に辛辣なものだった。

それを聞いて、集まった生徒たちは、やはりミケ以上の逸材がいるわけがないと、潮が引くように離れていく。その様子を見たミケは、生徒たちに向かって怒りをあらわにする。ハチの真剣さに敬意を払わず、笑うものは同志ではないと。その迫力に、クラスメートたちは非礼を詫び、去っていった。

残されたミケは、ハチのネームについて、感想の続きを語る。それは事細かい批評であり、同時にアドバイスであった。必死にメモを取るハチ。二人は、いつのまにか終電を逃すほどに夢中になっていた。

登場人物・キャラクター

八坂 八起 (やさか はちき)

2年制の漫画専門学校「鬼ヶ浜まんが学園」に通う小柄な少年。前髪を束ねておでこを全開にしている。子どもの頃に熱中した野球漫画の主人公のようになりたいと考えている。高校では野球部に所属していたが、レギュラーになれなかった。卒業を機に、両親の反対を押し切り、鬼ヶ浜まんが学園に入学。プロの漫画家を目指す。才能に恵まれずに苦労してきた分、負けん気と粘り強さを持つ。

三ケ矢 桃真 (みけや とうま)

2年制の漫画専門学校「鬼ヶ浜まんが学園」に通う少年。八坂八起のライバル。髪がサラサラの美少年で、月イチペースで女性と間違われてナンパされているらしい。週刊漫画誌で新人賞をとり、デビューした経験を持つ。しかし、身近な存在であるミャーコに「面白い」と言われたことが一度もない。そのため、自分に足りないものを補う目的で、鬼ヶ浜まんが学園に入学した。 漫画家の父を持つ。

ミャーコ

2年制の漫画専門学校「鬼ヶ浜まんが学園」に通う少女。メガネと大きなアゲハ蝶の髪留めが特徴。三ケ矢桃真と仲がよく、行動をともにすることが多い。桃真の漫画を面白いと評したことが一度もない。八坂八起のマンガネームを気に入り「面白い」と言ったことが、ハチと桃真のライバル関係を生むことになった。

猿島 空悟 (さるしま くうご)

八坂八起(ハチ)の親友。ハチと一緒に、2年制の漫画専門学校「鬼ヶ浜まんが学園」に入学する。短髪のツンツン頭と、左頬の十字の傷が特徴。性格は明るく、女好き。登校初日に、三ケ矢桃真を女性だと間違えて、ナンパしようとした。

木島 結斗 (きじま ゆいと)

2年制の漫画専門学校「鬼ヶ浜まんが学園」に通う少年。八坂八起(ハチ)のクラスメート。関西弁を話す。入学初日から三ケ矢桃真の実力に圧倒されていたが、歯を食いしばって立ち向かうハチの姿に、自らも奮起する。

茨城 アリス (いばらき ありす)

実力トップのAランクである2年1組の女子生徒で、鬼ヶ浜まんが学園のNo.2。すでに雑誌デビューを果たしている。斜めに被ったベレー帽と、コウモリ型のリュックサックが特徴。八坂八起(ハチ)に興味を持ち、実力別にクラス分けを実施する「校内ランク戦」に挑むハチを指導する。しかし天才肌ゆえに、他人の指導は下手。

場所

鬼ヶ浜まんが学園 (おにがはままんががくえん)

完全競争主義を標榜する2年制の漫画専門学校。入学するのは簡単だが、卒業してプロになれるのはごく少数である。校舎の端の、塔のような建物が教室になっており、上に行くほど成績優秀者のクラスとなる。ランクはA~Eの5つで、定期的に校内ランク戦を行い、クラス替えをしている。

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