いいわけごはん

いいわけごはん

毎日過酷な仕事に忙殺される女性編集者の米田と柿崎悠太の二人は、とある私鉄沿線のスーパーの常連客だった。互いに相手をよく知らないものの日々の生活において微妙な接点を持つ男女の、日常の食生活を描いたほんわか自炊グルメ漫画。各エピソードで米田や柿崎が作った料理のレシピも掲載されている。「たそがれ食堂」vol.7からvol.10にかけて不定期に掲載された作品で、コミックス刊行にあたって描きおろしエピソードが大幅に追加されている。

正式名称
いいわけごはん
ふりがな
いいわけごはん
作者
ジャンル
レシピ
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作風

本作『いいわけごはん』の話数は、野球のように「1回表」「1回裏」という形で表記され、それぞれの表と裏では、同じ時間帯または同じテーマを軸に二人の主人公、米田柿崎悠太それぞれの視点から物語が展開される。ちなみに米田と柿崎は互いに面識はなく、二人が言葉を交わし合うこともほとんどない。一方で、二人とも近所に住んでいるうえ、それぞれ近い業種で働いていることから、実は接点が多く、どちらのエピソードにも同じ人物が登場したりと、一風変わった群像劇のような様相を呈している。

あらすじ

第1巻

締め切り当日にもかかわらず、担当している漫画家はSNSでゲーム実況、入社から通算4個目のカバンは底が抜けて壊れ、多忙で帰宅できなかったために2日のあいだ風呂にも入れず、呼ばれた合コンも校了で参加できず仕舞い。そんな過酷すぎる仕事を終え、編集者の米田はようやく終電で帰路についた。米田はその足で急いで行きつけのスーパー「USA」へと向かうが、タッチの差で間に合わずに閉店時間を迎えてしまう。肩を落とし、腹をすかせながら自宅に帰った米田は、そこで冷蔵庫に煮卵の作り置きがあったことを思い出す。そして、深夜にもかかわらず、煮卵にはどうしてもこれが必要だからと自分に言い訳をしながら、ビールを取り出すのだった。(1回表「とろーり煮卵」。ほか、14エピソード収録)

登場人物・キャラクター

米田 (よねた)

漫画の出版社に勤める編集者の若い女性。日々激務に追われ、家に帰れないことすらざらで、ようやく取った数か月ぶりの休日にも家で仕事をするほどのワーカホリック。そんな多忙な日々のストレスを解消するため、会社の後輩から料理を勧められて積極的に自炊するようになる。酒好きで晩酌は欠かさず、仕事明けの打ち上げでは際限なく飲んで記憶をなくしては、翌日反省することを繰り返している。ふだんはキリっとした表情で颯爽としており、それはスーパー「USA」で食材の買い物をしているときも変わらない。

柿崎 悠太

在宅勤務のフリーランスデザイナーの青年。夜の8時に仮眠から起床して早朝4時まで仕事をするという、昼夜逆転した生活をしている。仕事から目をそらすため、料理をしたり掃除をしたりとつい逃避してしまいがちだが、いざ仕事となるとまじめに取り組み、大規模なデザイン賞で入選するなど確かな実力の持ち主。手先が器用で、料理のみならずエコバッグなども自作している。また、料理においてもラタトゥユに手を加えて翌日カレーにしたり、自らアジをさばいてたたきにしたり、はたまた十割そばを打ってみたりと凝り性なところがある。スーパー「USA」の常連客で、時々見かける米田のことを「いつも急いでいる人」と認知している。ちなみに酒は弱い。

場所

USA

とある私鉄駅にあるスーパー。人参一つとっても複数の銘柄が並んでいたりと品ぞろえがよく、夜遅くまで開いていることもあり、米田と柿崎悠太の行きつけの店となっている。

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