概要・あらすじ
今田妃代子は、亡くなった母から教わった、料理の楽しさと大切さを子供たちに伝えるため、子供料理教室を開く。生徒の勧誘に悪戦苦闘しつつも、父子家庭で外食や出来合いの料理に不満を抱く少年・大井旬を最初の生徒として迎え、彼の心を開く。そして旬の影響で料理に興味を持ち始めた父親、大井公太や友人などが集い、徐々に賑わいを見せ始める料理教室。
生徒たちとの交流を経て、妃代子は料理と食事で多くの人の笑顔を作るという目標に着実に近づいていく。
登場人物・キャラクター
今田 妃代子 (いまだ ひよこ)
大学時代、病床の母親と一緒に料理教室を開くという約束を交わしていたが、叶うことなく母と死別してしまう。大学卒業後はOLをしていたが、現在は総菜屋で調理の仕事に携わりつつ、こども料理教室を主宰している。母の遺志を継ぐべく日々奮闘している。食事や料理を楽しむことを何より大切にしている。三ツ星シェフすら一目置くほどの卓越した料理の腕前とその人柄で、多くの人に慕われている。
大井 旬 (おおい しゅん)
妃代子の開いたこども料理教室の最初の生徒。図鑑を読むのが趣味で、そのためか小学三年生ながら博識で妃代子すら知らない情報を持っていることもある。母親を亡くして以来、惣菜や外食ばかりの生活を送っており、父親の公太に自分の料理を食べてほしいという理由で教室に通いはじめる。いまや親子共にすっかり料理教室の常連になる。 妃代子に亡き母の面影を見ることがあり、それも熱心に教室に通う一因となっている。
大井 公太 (おおい こうた)
照姫小学校の教員で、旬の父親。当初、旬がこども料理教室に通っていることを知らず、自分に黙って通っていた理由を尋ねる。「自分の家で普通のご飯を食べたい」という願いによるものと知り、自分も料理することを決意。旬とともにこども料理教室に通い、練習の日々を過ごしている。
今田 秀好 (いまだ ひでよし)
妃代子の父親。酒好きで、妃代子の料理をつまみにして一杯やるのが何よりの楽しみ。歯科医を営んでおり、照姫小学校の歯科検診を機に知り合った公太を「ハム太」と呼び親しんでいる。彼の歯医者嫌いには呆れている様子で、虫歯が悪化した時は数人態勢で拘束し治療を受けさせた。そのおかげで美味しいご飯を食べられるようになったとして、公太に感謝されている。
伊集院 ひかり (いじゅういん ひかり)
こども料理教室の生徒。旬の同級生でもあり、「ウッソ」「サイアクー」が口癖。親友や女子が旬を頼りにしているのが若干面白くない様子。彼に対抗意識を燃やすことがある。家族思いな性格で、弟や病気がちな祖母のため、妃代子から料理を学んでいる。
高鍬 京子 (たかくわ きょうこ)
大井公太の叔母。お見合いの斡旋を趣味としており、特に妻を亡くした公太に関しては熱心。彼と赤石玲奈とのお見合いをセッティングした。
赤石 玲奈 (あかいし れな)
大井公太のお見合い相手。実家は都内有数の農場で、本人も経理の仕事を担当している。妃代子とも旧知の間柄で農場の一部を貸していたが、こども料理教室に興味を抱き訪れたところ、旬や公太も通っていることを知る。料理が不得手で、それを本人も気にしており、妃代子に対して若干のコンプレックスを抱くこともあった。
竜崎 敬 (りゅうざき けい)
ダイゴクリエイションのアシストディレクター。面倒見がいい好青年で、妃代子を講師とした100人単位の料理教室を企画した。その企画は実現しなかったが、妃代子に関しては変わらず一目置いている。幼少期の家庭トラブルが原因で母親とは疎遠だったが、妃代子とトキの計らいによって母親の真意を知り、和解した。
鈴本 トキ (すずもと とき)
妃代子の祖母で、秀好の義母。ユニークかつ独特な性格で、妃代子には尊敬と親愛の情を向けられているが、秀好には苦手意識を持たれている。妃代子の家を訪れたとき、彼女の勧めでこども料理教室の臨時講師を務める。最初こそ若い人や都会人にはなじみのない料理を作るために訝しがられていたが、的確なアドバイスと興味を引く料理指導で、すぐに子供たちの心を摑んだ。
場所
こども料理教室 (こどもりょうりきょうしつ)
妃代子が講師を務める料理教室。地域の子供たちを対象にしており、料理の技術やレシピだけでなく、料理や食事の楽しさを教えている。当初はなかなか生徒が集まらなかったが、旬を初めての生徒として迎えてから、徐々に評判を聞きつけた子供たちが集まるようになる。やがて旬の父、公太をはじめ大人たちも通うようになり、さらなる賑わいを見せている。
照姫小学校 (てるひめしょうがっこう)
練馬区に位置する小学校。大井公太が教員として在籍し、旬やひかりが生徒として通っている。妃代子の父、秀好も校内の歯科検診のために訪れたことがあり、公太とはここで知り合っている。