概要・あらすじ
塚原竜馬は、格闘道場に通い、男道を突き進む熱血小学生。しかし、出社拒否症になってしまった父親と、お嬢様育ちの母親は、家計や家事そっちのけで家でいちゃついてばかり。家事全般はしっかりものの妹・塚原静がこなしている。経済的にひっ迫していることから、静は竜馬に父親の代わりに通勤することを提案する。男として家を支えることに燃える竜馬は、さっそく小学校を退学し、父親が務める巨大商事へ出勤する。
最初は相手にされなかったものの、持ち前の根性と行動力で小学生サラリーマンとして奮闘する。
登場人物・キャラクター
塚原 竜馬 (つかはら たつま)
小学5年生の男の子。年齢は10歳。男らしくあることを信条としており、格闘道場「巌流男塾」で格闘技や男道を学んでいる。まっすぐな性格の熱血漢で、行動力があり、物怖じせず、前向きでなにがあってもくじけない。両親がまったく働かないため、家計を助けるために父親が勤めていた超一流総合商社・巨大商事に勝手に通勤する。小学校は退学し、小学生サラリーマンとして奮闘する。
塚原 静 (つかはら しずか)
塚原竜馬の妹。両親が家のことを何もしないため、小学生でありながら、炊事、洗濯、掃除とすべてをこなしている。父親が出社拒否症となって収入が無くなったため、父親の代わりに出勤するよう兄の竜馬に提案する。兄が小学校を退学して出勤することを決めると、夜間の紳士洋品店を叩き起こし、なけなしのヘソクリを使って兄の通勤用スーツを買った。 目覚まし時計で早朝に起きては兄の弁当を作り、兄を起こして着替えさせて見送るしっかり者。
塚原 兵馬 (つかはら ひょうま)
塚原竜馬、塚原静の父親で、塚原若葉の夫。年齢は33歳。超一流総合商社・巨大商事に勤めていたが、仕事が嫌で出社拒否症になり、毎日家で妻といちゃいちゃして過ごしている。悪人ではないが、息子が自分の代わりに小学校を退学して会社勤めを始めても、喜ぶほどのぼんくら。子供のような性格で、ヘソを曲げると押入れに入って2日ほど出てこなくなるほど意固地。 妻の若葉とはラブラブで子どもの目もはばからずイチャついている。若葉の適当な散髪でひどいヘアスタイルになった時は放心していたが、立ち直ってからはスキンヘッドにしている。
塚原 若葉 (つかはら わかば)
塚原竜馬、塚原静の母親で、塚原兵馬の妻。お嬢様育ちらしく、家事を一切やらず、夫とイチャついている。夫が出社拒否症になって収入が途絶えても、まったく気にするそぶりも見せない。夫と一緒に近所の小学生と草野球に興じている。
師匠 (ししょう)
塚原竜馬が通う、格闘道場「巌流男塾」の師匠。年齢は20歳くらいと思われる黒髪ロングストレートのスレンダーな美女。竜馬からは「師匠」と呼ばれており、名前は不明だが、道場の看板に講師名として描かれている「巌流琴矢」が名前と思われる。看板によると「巌流男塾」は男道、格闘技全般を教える道場のようだが、塾生は竜馬のみ。その竜馬も会社勤めを始めてから道場には来なくなったため、寂しく感じている。 格闘技に関しては、竜馬ですらまったく歯が立たないほどの腕前。また、美人だがバイクを乗りこなす男前な性格で、塚原静からは「オトコ女」と呼ばれる。
ガードマン
巨大商事のガードマン。体格のいい男性で、身分証明書や通行許可証を持たない人物が巨大商事のビルに入らないように見張っている。初出勤でビルに入ろうとする塚原竜馬とバトルを繰り広げる。食事を取ることもなくほぼ1日にわたって竜馬のビル侵入を阻止したが、最終的に肉弾戦で敗れ、竜馬をオフィスまで親切に案内してくれる。
ミスターオケランダ
巨大商事との100億円の商取引のために来日した外国人。体格がよく、オールバックで眉毛がつながっている。巨大商事にとっては是非とも契約したい重要な取引先の人物だが、ひょんなことから塚原竜馬が空港に迎えに出向き、応対することになる。性格は感動しやすく熱情家だが、ビジネスはあくまでクール。ビジネスで世界中を飛び回っているせいで、離れた家族を恋しがっており、滞在した竜馬家のアットホームな雰囲気を気に入る。
小西部長 (こにしぶちょう)
巨大商事の部長で、塚原竜馬の上司。ミスターオケランダとの契約を取るために必死に作戦を立てて部下に指示を出す。ミスターオケランダが愛妻家で、仕事で忙しく最愛の妻と3年離れているという情報を得た際は、みずから女装してミスターオケランダの妻になりすまして、契約を取ろうとした。
史村 善行 (ふみむら よしゆき)
大臣で初老の男性。巨大商事が10歳である塚原竜馬を働かせていたことがマスコミで取り上げられ、問題になった際に国会で詰問されるが、のらりくらりと答弁してやりすごす。若い妻と娘、息子がいるが、家族とはうまくいっていない。問題となっている竜馬の家庭や職場を変装して偵察に行き、幸せそうな家庭生活と笑顔で働く竜馬の姿を見て、冷え切った自身の家庭との落差にショックを受ける。
鬼塚 (おにづか)
巨大商事の重要な取引先の初老の男性。禿げ頭で小柄な人物。総理大臣が訪ねて来ても、待たせておくほどの大物。毎年、契約を望む商社マンに息子の福太郎とのプロレス勝負をさせ、病院送りにして楽しんでいる。
福島 (ふくしま)
巨大商事の新入社員。もじゃもじゃのパーマ頭と太いつながり眉毛が特徴の男性。毎年怪我人が出る鬼塚との契約競争に任命され、ショックで泣き叫ぶ。気が弱いことを理由に拒否するが認められず、突然の仮病で塚原竜馬に代わりを頼む。
福太郎 (ふくたろう)
政治・経済界に強い力を持つ鬼塚の息子。巨漢でおかっぱ頭、顔は全体的にゆがんでおり、鼻の穴からは鼻水、口からはヨダレを垂らしている。プロレスが大好きで、鬼塚に契約を求めてやって来る商社マンにプロレス技をかけて病院送りにしている。塚原竜馬ともリングで戦うことになる。
一ツ橋 姫麻呂 (ひとつばし ひめまろ)
巨大商事の男性社員。年齢は36歳。昭和36年に日比谷高校を主席で卒業し、現役で東大法学部へ入学。昭和40年に東大卒業とともに巨大商事に入社し、13年になる。昭和49年、31歳の時に見合い結婚し、現在は1つ年下の妻と、5歳の長男、3歳の長女がいる。特技はスペイン語、英語、中国語、フランス語と外国語に堪能だが、現在は窓際族で特技はお茶くみに変わってしまっている。 仕事はお茶くみのみで、上司の好みの温度のお茶を完璧に出すことに心血を注いでいる。しかし、仕事への熱意は人一倍で、緊急の仕事に塚原竜馬とともに徹夜で臨む。興奮すると鼻血が出る体質。
平田会長 (ひらたかいちょう)
巨大商事の大事な取引先である大関東工業の会長。角刈りの小柄な男性。愛する一人娘・平田りつこのお見合い相手として将来有望な若者はいないかと小西部長に伝え、娘と塚原竜馬のお見合いに立ち会う。竜馬の顔から足の裏までをじっくりと吟味すると、いい人相、眼相、耳相、口相、手相、足相をしていると判断し、娘との交際を認める。
平田 りつこ (ひらた りつこ)
平田会長の一人娘。まだ中学生の美しい少女。父親の計らいで塚原竜馬とお見合いをすることになる。父親の前では大人しくしているが、正体はいつも眠そうな目つきをして、複数のボーイフレンドがいたり、タバコも吸うやんちゃな少女。最終的には竜馬との結婚を決意し、一緒に暮らし始める。しかしお嬢様育ちの世間知らずのため、いざ料理をするとなっても、野菜の名前ひとつ知らない。 それでも「りつこファイト」を口癖に、塚原静から家事を教わり、良妻を目指して努力する。
鉄ちゃん (てつちゃん)
平田りつこにぞっこんのボーイフレンドの1人。「ディスコキング」の異名を持ち、いつも踊っている軽薄な感じの男性。カサブランカ・ダンディを歌っていた頃の沢田研二のようなファッションをしている。
良平 (りょうへい)
平田りつこにぞっこんのボーイフレンドの1人。暴走族サターンのリーダーで、サングラスにつながり眉毛、派手なシャツを着ている。バイクを乗り回し、りつこの別荘にもバイクに乗ったまま窓ガラスを突き破って現れた。金づちで水を見て震えるほど泳ぎが苦手。
辰ちゃん (たつちゃん)
平田りつこにぞっこんのボーイフレンドの1人。修武館大学の応援団長を務めている。学ラン姿で、顔が隠れるほど詰襟が長い。口髭を生やし、歌舞伎の隈取のような顔をしている。体格がよく、良平のバイクを持ち上げるほどの怪力。乗り物に酔いやすいのが弱点。
文ちゃん (ぶんちゃん)
平田りつこにぞっこんのボーイフレンドの1人。川田組組長の一人息子。角刈りで和服姿、刀を持っており、顔面に大きな傷がある。登場する時は、カラオケを流し、自らバラの花と花札を巻いてから現れる。また、いつもバラをくわえている。カエルが大の苦手。
場所
巨大商事 (きょだいしょうじ)
塚原竜馬が出社拒否症になった父親の代わりに勤めることにした超一流総合商社。社員の99%を東大卒が占め、入社競争率が毎年No.1という有名企業。本社は超高層ビルで、身分証明書か通行許可証がなければ中には入れない。