概要・あらすじ
ある日、小学5年生の猫田リュウイチの目の前に妖怪「猫また」のにゃんタローが現われた。にゃんタローの話によると、リュウイチの前世は竜念という僧であり、一部の凶悪な妖怪たちに恨みを持たれている。そして自分はリュウイチを護衛するためにやって来たのだと語る。今一つ状況が理解できないリュウイチだったが、目の前に実際に妖怪が現われ、にゃんタローの活躍で撃退に成功したことで、彼の言葉が真実であることを理解する。
こうして行動をともにするようになったリュウイチとにゃんタローの前には、リュウイチの命を狙う凶悪な妖怪たちが次々と現われる。
登場人物・キャラクター
猫田 リュウイチ (ねこた りゅういち)
市立阿倍野小学校5年1組に所属する男子生徒。クラスメイトたちからは「リュウちゃん」と呼ばれている。イビキが騒音といわれるほどうるさく、寝起きも悪い。しかも学校で居眠りをすることが多いため、クラスメイトたちからは迷惑がられており、親友の小袋が起こそうとしてもかみついて抵抗している。遅刻も多く、言動も雑なため女子からはクラスの問題児扱いさせているが、明るくやんちゃな性格から、男子の友人は多い。 趣味はクンフーと釣り。実家はペットショップで、家族構成はリュウイチの父のみ。母親とは早くに死別しているため、学校が終わった後は家業のペットショップを無理やり手伝わされている。学校や家庭でのストレスは「一人紙ずもう」という暗い遊びで解消している。 前世は竜念という優れた力を持った僧であり、妖怪たちの恨みを買って狙われている。そのため、護衛として訪れたにゃんタローと行動をともにすることとなる。実は猫田リュウイチが7歳の頃、重傷を負ったにゃんタローの命を助けたことがあるが、リュウイチ自身はそのことを覚えていない。
にゃんタロー
二足歩行で人間の言葉を話すオス猫。その正体は妖怪「猫また」である。額に星形マークが入っており、常に鼻水を出し、下半身は露出している。情けない容姿ではあるが、性格は至って真面目で、さらに「猫また」の中でもトップクラスの実力者でもある。語尾に「ござる」と付けるなど武士のような言い回しをして、「猫式抜刀術」という剣術を得意とする。 他にも特定の相手の視界に入った時、己を姿を好きな物に認識させられる「変化」や特定の相手の記憶を30分消す「幻夢操法」など多彩な術を使える。にゃんタローたち「猫また」は妖怪の世界では警察官のような役割をしており、人間に対して甚大な被害を与える妖怪たちを取り締まっている。竜念の生まれ変わりである猫田リュウイチを護衛する任務に就いたため、リュウイチと行動をともにすることとなる。 かつて妖怪退治に際して深手を負い、当時7歳のリュウイチに命を救われたことがあるため、リュウイチを命がけで守ると決めている。
染井 (そめい)
市立阿倍野小学校5年1組に所属する女子。授業中に大いびきをかいている猫田リュウイチの顔面に蹴りを入れるなど、大胆で口より先に手が出るタイプ。「全国少年少女空手選手権」で二連覇している実力の持ち主であり、以前ロリコンオヤジに痴漢をされた時には肋骨3本と顔面に複雑骨折を負わせ、入院させている。空手だけでなく学力も高く、学級委員長も務めている。 男子たちからは少々口うるさいと敬遠されがちだが、女子からは慕われている。意外に運が悪く、リュウイチを狙う妖怪たちの襲撃に何度も巻き込まれている。この時、にゃんタローに助けられたことがあり、その際に適当に人間の姿になったにゃんタローに想いを寄せている。
リュウイチの父 (りゅういちのちち)
猫田リュウイチの父親。妻とは死別しており、現在はリュウイチと二人暮らし。ペットショップを経営しており、放課後にはリュウイチに手伝いをさせている。屈強な身体に角刈り、ハチマキといった一見怖そうな風貌ではあるものの、動物への愛情は本物。リュウイチが手伝いをさぼると指立て伏せや四股といった罰を与えている。
小袋 (こぶくろ)
市立阿倍野小学校5年1組に所属する男子生徒。猫田リュウイチとは親友であり、学校ではいつも一緒にいる。放課後はリュウイチをゲームセンターなどに誘っているがたびたび家の手伝いで断られており、仕方がないこととは理解しつつも寂しく感じている。
梶浦 (かじうら)
市立阿倍野小学校5年1組を担当する女性教諭。生徒たちからは「やりすぎてケバい」と言われるほどに化粧が派手で、毎朝化粧に2時間かけていると噂されている。一方で生徒想いで、いつも家業のペットショップの仕事で忙しく、授業中に寝てばかりの猫田リュウイチを気にかけて家庭訪問をするなど、熱心な頼れる先生である。
丸谷 シゲル (まるや しげる)
市立阿倍野小学校の校長先生。高齢の男性でいつもニコニコと穏やかそうな表情をしている。生徒たちからの信頼も厚く、好かれている。普通に常識的な人物で、妖怪によって小学校が包囲された際にはその事態が信じられず、寝込んでしまった。
竜念 (りゅうねん)
300年前に江戸城を乗っ取ろうと集まった凶悪な妖怪たちを阻止した法力ある僧侶の男性。若いながらに高い能力を持ち、凶悪な妖怪たちを1人で退治し、同時に自身も力を使い果たして絶命している。これにより、一部の凶悪な妖怪たちから、「竜念が生まれ変わった後も必ず探し出して復讐をしてやる」と恨みを買うこととなった。現在、猫田リュウイチが竜念の生まれ変わりということは妖怪たちに知れ渡っており、これが理由でリュウイチは命を狙われている。
ニャン吉 (にゃんきち)
半人前の妖怪「猫また」のオス。まだ半人前であるため、真剣は使わず竹刀で戦う。語尾に「ニャン」と付けて話す。にゃんタローを尊敬しており、弟子にしてほしいと猫田リュウイチたちの前に現われた。以前にゃんタローとは「猫また」を育成するための「猫また道場」で一緒に学んだことがあり、にゃんタローは優等生、ニャン吉は劣等生であった。 自身の力は弱いため、事前に契約をした妖怪を好きな時に呼び出す「契約妖怪の術」を使えるが、契約金を渋りがちで、まるで役に立たない相手ばかりを呼び出している。