概要・あらすじ
家事も仕事も何でも見事にこなす父、井川秀夫が単身赴任で博多に赴いてから、高校生の井川強(ツヨシ)は、家事をやりたがらない(やってもヘタな)母の美子と、姉の恵子・典子の理不尽な要求に振り回されることとなった。勉強以外はなんでも出来て、スポーツ万能・家事万能のツヨシは、自分勝手な女家族三人に引きずり回されつつも明るく楽しく過ごし、高校・大学とユニークな経験を積み重ねていくのだった。
恋人の石川舞との仲も、紆余曲折を経ながらも実らせていく。
登場人物・キャラクター
井川 強 (いがわ つよし)
勉強以外は、家事もスポーツも人並み以上にこなす高スペック高校生。中肉中背で短髪。石神高校に通う。学業以外の知識も、やたらと豊富。母の美子と姉の恵子・典子の理不尽な要求に、文句を言いながらしっかり応える。勉強が出来ない(学年中ビリより一つ上)ため教師たちからは評価が低いが、友人たちと明るく楽しい日々を送る。 大学に進んでからもユニークな経験を積み重ねてゆく。高校の時に弁当屋の娘、石川舞と恋人になる。
井川 美子 (いがわ よしこ)
井川強(ツヨシ)の母親。50代の中年女性で、太めの体型に団子鼻。若い頃は、美しかった(次女と似ている)。家事全般が嫌いでヘタ。自分勝手でケチで意固地。息子のツヨシをこき使い、しょっちゅう暴力をふるう(主に平手打ち)。
井川 恵子 (いがわ けいこ)
井川強(ツヨシ)の姉で井川家の長女。細面の美人で髪型はセミショートの黒髪。デパートの案内係をやっている。酒が好きで強いが、飲み過ぎると記憶を失う。石神高校卒業生で、成績はいつも10番以内で生徒会の副会長だった。気が強く、結婚相手に求める条件が非常に高い。 ツヨシに理不尽な要求を行い、言うことを聞かないとすぐ暴力をふるう。
井川 典子 (いがわ のりこ)
井川強(ツヨシ)の姉で井川家の次女。アルバイトをやっている。髪型はショートで、染めている。石神高校卒業生で、成績はいつも20番以内だった。ツヨシに理不尽な要求を行うが、母や恵子ほどではなく、時にはツヨシの側に立つこともある。とはいえ、少なからず平手打ちをくらわせている。 母・美子の若いころと、そっくりな容姿をしている。
井川 秀夫 (いがわ ひでお)
井川強(ツヨシ)の父で井川家の大黒柱。眼鏡の中年男。身体能力が非常に高い。福岡県博多市へ単身赴任中。妻も娘も家事能力がないため、家にいるときは、超人的な能力で、家事のほとんどを行っていた。ツヨシに家事の技術やその他諸々を仕込む。時々東京へ帰ってくる。
渡辺 司 (わたなべ つかさ)
井川強(ツヨシ)の幼稚園時代からの友人で、今は石神高校で同級生。成績は常に学年ビリ。眼鏡で髪型はオールバック。女性に対する欲望に忠実だが、努力が実を結んだ試しがない。他の行動も、多くが刹那的である。「石神高の屋上にある秘密の部屋」同窓会の開催のため、ツヨシと奔走する。 大学入試は10数校落ちた後、青葉学園大学に入学する。
石川 舞 (いしかわ まい)
井川強(ツヨシ)の恋人。弁当屋「ほくほく弁当」の娘で、店を手伝っていた。高校は井草高校。合気道の初段。ツヨシの家にやってきて彼のぎっくり腰を看病したことで縁が進む。慶應大学志望で同大学へ進学するも、とある理由で大学を替えてしまう。
藤 辰也 (ふじ たつや)
井川強(ツヨシ)の石神高校の同級生。ハンサムな上に頭も良く、身体能力も高く女子にもてまくっている。「卒業生を送る総代」のコンテストでツヨシと争い、心を通わせ、友人となる。後に東大に入学する。
川上 哲子 (かわかみ てつこ)
石神高校で数学を教える30代の女教師。井川強(ツヨシ)の3年生の時の担任になる(3年A組)。厳格で融通がきかない。ひっつめ髪をお団子でまとめた髪型に眼鏡、いつもスーツを着ている。数学が全くできないツヨシと渡辺を、人間扱いしてない。しかし料理が苦手であり、この点に関してはツヨシに劣等意識を感じている。 学校での女性の権利の向上を目論む。ツヨシが秘密裏に「石神高の屋上にある秘密の部屋」同窓会を行おうとしたとき、意地になって中止にしようとした。進学指導に辣腕をふるう。
鷺野 良人 (さぎの よしひと)
井川強(ツヨシ)の父の会社で働く男で、博多で父の部下だった。30歳独身で、背はあまり高くなくメガネをかけてもっさりした感じの男。東京に転任してくる際、ツヨシの父から土産を井川家に届けるよう頼まれる。そこで恵子に一目惚れし、井川家の居候となる。 実家は九州で、父親は男尊女卑の封建主義者。東大卒で、ツヨシが慶応大受験を目論んだ際に、スパルタ式家庭教師になって成績を急上昇させる。
石川 マリ (いしかわ まり)
石神高校の女生徒で、井川強(ツヨシ)の一年下。「男あさりのマリ」という異名があり、男出入りが激しいので有名だったが、ツヨシを家に誘った際、彼の作ったコロッケのおかげで家族とのスキマが埋まり、以後ツヨシのフアンとなる。「石神高の屋上にある秘密の部屋」同窓会の秘密を、川上哲子から守るのに協力し、同窓会開催に尽力する。
ジョン・ウィリアムズ
井川典子が井川家に連れてきたアメリカからの留学生。金髪碧眼の青年。恵子に一目惚れし、「日本文化の勉強」と称してしばらく井川家の居候になる。恵子と鷺野の仲が深まるのを見て、身を引く形で井川家を出て行く。
ケイコ
井川家が飼っている雑種の犬。井川恵子が犬を散歩させていたハンサムな男に一目惚れし、彼に近づくために犬を飼いたがったのが話の始まり。井川強(ツヨシ)がもらってきた犬が雑種のダサい犬だったため、その目論見は失敗し、以後犬の世話はツヨシに押し付けられる。 その段階でツヨシは犬をケイコと命名し、時々姉に対する憂さ晴らしを行っている。
集団・組織
「石神高の屋上にある秘密の部屋」同窓会 (いしがみこうのおくじょうにあるひみつのへやどうそうかい)
『ツヨシしっかりしなさい』に登場する集団。石神高校の屋上に建てられた、物置の中にある秘密の部屋を発見した生徒たちが集まる同窓会。昭和37年から始まり、その数は4人。井川強(ツヨシ)と渡辺と石川マリが卒業生名簿などを使って探し当てる。世界的な建築設計士や、陶芸家、造園業社長、人気上昇中の俳優などがいる。