概要・あらすじ
芝田恭兵の家にやってきた田村泉。天真爛漫な彼女の振る舞いに今年から共学となった北城学園の男たちは一目ぼれするが、恭兵は彼女のお目付け役として、近寄る男を退ける日々。そんな中、恭平はいずみに告白し、二人は晴れてカップルとなるが、硬派な恭兵は中々積極的になれない。いずみの初恋の相手である松田雄作との剣道勝負や、棒高跳びの才能を見いだされて、陸上部に入ったいずみのインターハイなどスポーツを軸に、友情や恋愛が描かれてゆく。
登場人物・キャラクター
田村 泉 (たむら いずみ)
身長150センチと小柄で髪型はロング。サイズはB79、W53、H78。性格は天然でどんな相手にも偏見なく付き合う。知らずに多くの男たちを虜にする小悪魔的な部分も。両親がパリに住むことになった関係で、父の友人である柴田家に住むことになった。全校生徒の前でボーイフレンドを募集したため男たちが殺到するが、理想の男性は「男らしくて優しい人」。 刈り上げ頭にアレルギーがあり、みるとジンマシンが出る。中旗キヨシに見初められ、棒高跳びの選手としてインターハイに出場する。夏休みの最終日、母親から連絡があり、パリで一緒に住むこととなり、恭兵とは離れ離れになる。
芝田 恭兵 (しばた きょうへい)
16歳。北城学園1年B組。尊敬する人は千葉周作。中学時代に剣道の東日本大会で優勝したこともある。何かとトラブルに巻き込まれやすいいずみのお目付け役。当初は硬派を目指していたが、自分の気持ちに正直になり告白する。女性が苦手なところがあったが、いずみの初恋の相手でもある松田との勝負をきっかけに急接近する。 この勝負で松田の「さざなみの剣」に対抗して恭兵は「昇天の構え」で勝利する。インターハイの個人戦では松田に敗退、その後の夏休みはいずみを放り出して秋の大会目指して特訓に明け暮れる。最後はパリに行くいずみを追って、剣道の海外指導員を目指す。名前の元となったのは柴田恭兵。
桑田 (くわた)
北城高校に通う高校生。クラブ、キャバレー等を傘下に持つ夜の財閥、平安京グループの御曹司でもあり、先生たちの弱みを多数握っている。女子新入生歓迎ウィークに偽装して、ミス北城コンテストを開催。第一回の優勝はいずみだった。いずみと恭兵がカップルとなった後もいずみのことが忘れられない。 夏休み後には、なぜかミュージシャンを目指している。「いずみちゃんグラフティ」は彼の作った曲の名前でもある。
臼井 一年 (うすい かずとし)
北城学園一年生。中学剣道東日本大会で準優勝しており、恭兵とは旧知の仲で親友。剣道部]に入部後、男女共学に浮かれる先輩を尻目に、恭兵と二人で正統派の剣道で練習をしようとする。剣道部員の中でも、対等な練習ができる相手がいないこともあって、よく恭兵と一緒に行動している。 得意な技は飛び込み面。恭兵と同学年だが、ヒゲがあるなど老け顔でどこか大人びている。
松田 雄作 (まつだ ゆうさく)
いずみが信州に住んでいた頃の初恋の人でナイト様。ファーストキスの相手でもある。中学剣道新人戦、中部日本大会で優勝。長い竹刀を使う。元々は正義感の強い男だったが、両親を事故で亡くした以降、生活態度が荒れ始め、飲酒や暴力事件で母校である松本の興城館は一年間の対外試合禁止となる。 中等部卒業後は東京の豪実高校に転校、金で雇われて試合に出るなど剣客商売をしている。さざ波のように揺れる剣先が、突如荒波に変わる「さざ波の剣」を使う。荒れた生活を心配したいずみが更生させようとするが、最終的には剣道で恭兵の「昇天の構え」に敗れて改心する。その後のインターハイ個人戦では、恭兵、一年を下し、優勝している。 名前の元となったのは松田優作。
松田 夕子 (まつだ ゆうこ)
雄作の姉。17歳の高校三年生。いずみが信州に住んでいた頃からの知り合い。一年前に両親を事故で亡くしてからは、東京に出てきて姉弟二人で生きている。現在ではモデルとなって雑誌のグラビアなどにも登場する有名人。時にはヌードとなることも。
トラジロウ
『いずみちゃん グラフィティー』に登場する動物。いずみの部屋の前でサカリがついて鳴いていたところ、いつの間にかなついたオス猫。芝田家で飼うことになった。お相手がいないのが悩みの種で、いずみと恭介の熱々っぷりに時々憤慨している。
中旗 キヨシ (なかはた きよし)
北城高校にやってきた新任の体育教師。南西大学で陸上一筋に打ち込み、オリンピック候補になったことも。大学時代のニックネームは『8マン』。生徒の中からインターハイを制す人材を発掘するという目標を持っている。そのため陸上部を新設し、科学的トレーニングによりいずみの隠れた才能を開花させ棒高跳びの選手として育成した。 学生時代、松原翔子の指導を巡って佐野と対立、途中翔子の指導を降りてしまう。モデルは読売巨人軍の中畑清選手。登場当初は頭を刈り上げており、刈り上げアレルギーのいずみからは嫌われていたが、次第に髪を伸ばし始めた。 生徒たちからは「ジョリ」と呼ばれている。
松原 翔子 (まつばら しょうこ)
南西大学付属高校陸上部所属の棒高跳び選手。身長175センチといずみとは逆に大柄。180センチの高さを楽々飛ぶ。一時期はタケノコ族として出没し、華麗な踊りから通称「シンデレラ」と呼ばれていた。中学時代からコーチの佐野によって成長ホルモン、ソマトトロピンを注射され、身長を伸ばしていた。 その副作用で膵臓を壊し、若年性の糖尿病となりブドウ糖が手放せなくなる。最後はいずみとの勝負に、かつて感じたスポーツの楽しさを思い出し、見事に195センチを飛んで優勝した。
中山 千秋 (なかやま ちあき)
いずみがインターハイ都予選会場で知り合った、棒高跳び選手。大柄で太っているため、体格的な不利を独自のジャンプでカバーしている。スリムな長身者が多い中、背の低いいずみと不利な者同士、友情を結ぶ。
矢沢 平吉 (やざわ へいきち)
いずみたちがインターハイ南関東ブロック予選で止まった「Kビューホテル」支配人の息子。外房高校]の1年生で体操部員。片岡美子の恋人だが、美人とみるとちょっかいを出したがる。最後は片岡美子を信じ、体操で会得した床運動の呼吸を教える。
片岡 美子 (かたおか よしこ)
外房高校陸上部1年生。松原翔子に匹敵すると言われる棒高跳び選手。松原翔子、いずみに続いてインターハイ南関東ブロック予選、最後の3人に残る。
村田 英二 (むらた えいじ)
18歳。プロボクサーを目指す少年。いずみを不良たちから救い、その後の面倒を見たことから縁を持つ。いずみにとっては恭兵、雄作に続く3人目のナイト様。剣道に熱中する恭兵の気持ちを理解し、それでもいずみのことを思っているはずとアドバイスする。ボクシングの試合では力みすぎて自爆することが多かったが、いずみの応援で、見事に勝つことができた。
猫田 (ねこた)
応援部部長。長ランにドカン姿。チアガール募集で、いずみにスケスケのビニール製超宇宙的コスチュームを着せるが、興奮のあまり理性が負けていずみを襲う。この時はお目付け役の恭兵に叩きのめされるが、以降もいずみのファンを続け、試合などの応援の場面に登場する。
小嶋 里子 (こじま さとこ)
いずみのクラスメイト。小柄で、髪を短めのツインテールに結っている。一人称はボク。夏休み終了後には相撲部の根本と交際していた。
正田みゆき (しょうだみゆき)
いずみのクラスメイト。髪はセミロング。小嶋里子と仲がいい。
集団・組織
北城学園 (きたしろ)
『いずみちゃん グラフィティー』に登場する学校。過去30年男子校だったが、いずみが入学する年から男女共学となった。休み時間ともなると、女子生徒のいない二年、三年生は女子生徒のいる一年生の教室に押し掛けるなど、色々歪んでいる部分もある。剣道部]やサッカー部などはあるが、陸上部は中旗が創部するまでなかった。