概要・あらすじ
いつも父親のたこ焼き屋を手伝っている志摩いちごは、ある日たこ焼きの出前の途中で、数年ぶりに東京から戻ってきた幼なじみの本田時宗と遭遇する。子供の頃は太っていて金太郎のようだった彼は、成績優秀でスポーツ万能、しかもイケメンという変身を遂げていた。女子のあいだで人気が出た時宗のことを面白くないと感じながらも、いちごは憧れの速水尚人に振り向いてもらおうとバレーボールの練習に邁進する。
次の練習試合の対戦相手の夕霧中学校は暁中学校とは因縁のライバルで、しかも強豪校という噂だった。絶対に負けられないと、いちごたちは猛特訓を始める。
登場人物・キャラクター
志摩 いちご (しま いちご)
暁中学校に通う2年生の少女で、男勝りで元気いっぱいの14歳。イギリスの血が入ったクォーターで、髪が茶色く、くせっ毛。日の光にあたると金髪に見える。バレーボール部に所属している。後輩女子たちに絶大な人気がある。いつも男言葉を使って強がっているが、本当は泣き虫なところがある。
本田 時宗 (ほんだ ときむね)
暁中学校に通う2年生の少年で14歳。イケメンで成績優秀でスポーツ万能。母親は亡くなっており、本田医院で医師を営む父親と2人暮らしをしている。子供の頃のあだ名は、金太郎のように太っていたため「金時」だった。志摩いちごとは幼なじみで、暁町を離れる時に結婚を誓い合った仲。いちごに対しては憎まれ口ばかり叩くが、実は誰よりもいちごのことを気にかけている。
速水 尚人 (はやみ なおと)
暁中学校に通う3年生の男子。バレーボール部に所属している。生徒会会長も務め、なにかと忙しい。家は旅館を経営している。冷静沈着なイケメンで、女子生徒たちから人気が高い。澤ノ谷京とは幼なじみの仲。
志摩 磯吉 (しま いそきち)
志摩いちごの父親。たこ焼き屋「オクトパス座」を営んでいる。げじげじ眉毛に腹巻姿がトレードマーク。妻が亡くなってから、男手ひとつでいちごを育てた。職人気質で、美味しいたこ焼きを作ることに強いこだわりを持っているが、少々おっちょこちょいなところがある。
本田 数馬 (ほんだ かずま)
本田時宗の父親で、本田医院を営む町医者。大きな病院に引き抜かれて東京で働いていたが、酔っぱらってそこの院長と殴り合いをした結果、再び暁町に戻ってきた。眼鏡をかけ、口ひげを生やしている。
那智 (なち)
暁中学校に通う2年生の女子。志摩いちごの友達で、同じバレーボール部に所属している。おかっぱ頭でさっぱりした性格の持ち主。何かとトラブルに巻き込まれるいちごのとばっちりを受けることが多い。
澤ノ谷 京 (さわのたに みやこ)
夕霧中学校に通う女子。老舗和菓子屋の娘で、お嬢様ということもあってか、たこ焼きが嫌い。普段はお嬢様言葉だが、感情的になると言葉遣いが悪くなる。速水尚人とは幼なじみの仲。
フロレンス・デュークリントン (ふろれんすでゅーくりんとん)
亡くなった志摩いちごの母親で、スコットランドの名家であるデュークリントン伯爵家の令嬢。日本人の母親を持つハーフ。日本に留学中に志摩磯吉と恋に落ち、駆け落ちして日本に留まった。
エドガー・デュークリントン (えどがーでゅーくりんとん)
志摩いちごの母親であるフロレンス・デュークリントンの遠縁の男性。伯爵に依頼され、たった1人の直系の孫であるいちごのことを調査するために日本へとやってきた。あの手この手を使っていちごをスコットランドに連れて行こうとする。
おばちゃん
志摩磯吉の妹で、志摩いちごの叔母。磯吉とは似ても似つかない美人で、いつも和服を着ている。たこ焼き屋「オクトパス座」を手伝い、いちごの面倒も見てくれる。母親不在の志摩家ではとても頼れる存在。
場所
暁町 (あかつきまち)
志摩いちごや本田時宗の住む町。田舎だが下町の風情が残る商店街があり、どこか懐かしい街並み。隣町の夕霧町とは昔から犬猿の仲で、そのせいで暁中学校と夕霧中学校の生徒たちも仲が悪い。