うさぎ

うさぎ

男所帯の椿家に突然やって来た押しかけ女房の田島卯月と、彼女に翻弄される椿家の男たち。家庭内での交流を通し、それぞれが抱えるコンプレックスや、誰にも言えない心の傷を克服していく姿を描いたホームドラマコメディ。「マーガレット」1992年No.2からNo.5にかけて連載された作品。

正式名称
うさぎ
ふりがな
うさぎ
作者
ジャンル
ヒューマンドラマ
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概要・あらすじ

椿家は、長男の椿優作が冬の雪山で行方不明になってしまったことをきっかけに、失意のどん底にあった。そんな椿家に、ある日突然、田島卯月が現れる。卯月は最初偽名を使い、自分の素性を知られないようにしながら、実は優作とは既に結婚関係にあると告白する。頼りにしていた長男を失って気が弱くなっていたおじいちゃん先生は、その話を聞いて、春になって優作の遺体が見つかるまで、卯月にこの家にいて欲しいと懇願する。

しかし、幼い頃に母親を亡くした次男の椿良や三男の椿可愛は、椿家に長らくいなかった女性の存在に、心中穏やかではいられない。良や可愛に邪魔者扱いされながらも、卯月は持ち前のパワーとたくましさで、周囲を自分のペースに巻き込み、やがて2人もまた、卯月の魅力に惹かれていく。

登場人物・キャラクター

田島 卯月 (たじま うづき)

椿家にやって来た女性。愛称は「うさぎ」。山で遭難して行方不明になった椿優作の妻だと名乗る。快活で芯が強く、たくましい性格をしており、椿良や椿可愛に邪魔者扱いされてもサバサバしている。実は優作と良が勤めている里見大学病院で、看護師として働いていた人物。田島卯月の両親はどちらも医者で健在だが、卯月が子供の頃に離婚しており、その後はおばに育てられたという不遇な過去を持つ。

椿 良 (つばき りょう)

椿家の次男。里見大学病院で医師として働いている。専門は外科。自分にも他人にも、さらに仕事にも厳しい性格で、病院内では冷たい人間という評価を受けている。父親であるおじいちゃん先生の長男である兄・椿優作に対する期待を横目で見ながら育ったためコンプレックスを抱えており、同じ医師でありながら、父親のようにはなりたくないと思っている。 やがて、自由奔放だが凛とした強さを持つ田島卯月に惹かれていく。

椿 可愛 (つばき かわい)

椿家の三男。医学部に通う大学生。まだ自分が将来何をしたいのかわからず、模索している最中にある。依子という彼女と付き合い始めたばかりで、現在は依子のことで頭がいっぱい。自分を生んだせいで母親が亡くなったと考え、強い罪悪感を覚えている。家に女っ気がない分、女性に対して幻想を抱いている。やがて田島卯月に惹かれ、長男である兄・椿優作の代わりに、椿小児科を継ぐ決意をする。

おじいちゃん先生 (おじいちゃんせんせい)

「椿小児科」という町医者の先生。椿優作、椿良、椿可愛の父親。若くして妻を亡くし、それ以来男手一つで3人の息子を育てた。患者の親に対しては厳しくあたるが、子供には優しいため人気がある。長男の優作に大きな期待をかけてきたため、彼が行方不明になったショックで、現在は気が弱くなっている。優作の妻を名乗って突然押しかけてきた田島卯月に、春まで一緒に住むことを提案する。

椿 優作 (つばき ゆうさく)

椿家の長男。椿良とともに里見大学病院で医師として働いている。専門は小児科。父親の期待を一身に背負い、患者である子供たちや職場の同僚である看護師たちからも愛される、面倒見の良い人物だった。しかし冬の雪山で遭難して、現在は行方不明になっている。誰もが死んだものと思っていたが、のちに記憶喪失の状態で椿家へと戻って来る。

依子 (よりこ)

椿可愛と付き合っている女性。裏表がなく、素直な性格をしたお嬢様。可愛が田島卯月に惹かれていったため関係がぎくしゃくし始め、しばらく勉強に専念したいという建前で可愛に振られてしまう。別れた後も明るく生き生きと人生を楽しみ、卯月に振られた可愛をもう一度惹きつける。

のぐちひでよ

椿家で飼っている犬。実際に人間と言葉を交わすことはできないが、人間の言葉を理解することができ、心の中では関西弁で独白している。自分の気持ちに素直に行動できない人間を滑稽に感じており、獣らしく、食べて寝て遊んで恋して死ぬことこそが人生だ、とシンプルに考えている。

場所

椿小児科 (つばきしょうにか)

おじいちゃん先生が経営する町の小さな小児科。開業してから30年、町中の子供たちの健康を担ってきた。小学校でのインフルエンザ予防接種なども行う。ゆくゆくは椿優作が継ぐ予定だったが、冬山で遭難して行方不明になってしまったため、椿良や椿可愛が跡取りになる話が浮上している。

里見大学病院 (さとみだいがくびょういん)

椿優作、椿良が勤めている大学病院。優作は小児科、良は外科が専門。大きな病院で、勤務する医師や看護師は非常に多い。かつて田島卯月も看護師として小児科に勤務していた。ところが、養父母によって育てられた子供が危篤状態になった際、自分の幼少期の境遇に重ね合わせて私情を交えて行動してしまったため、看護師としての自信を失い、退職している。

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