ゆずのウソと秘密のガジェット
ゆずは「アンドロイドである」というウソを貫くため、まるで綱渡りのような高校生活を送っている。特に苦労しているのは、淳が求める機能の実装で、彼が変形を見たいと発言した際には、1週間も学校を休んで「渡嘉敷ゆず戦闘モード」を開発した。このモードは、あらかじめ仕込んでおいた猫耳、尻尾、肉球ハンドを瞬時に装着できる擬似変形機構で、必殺技のロケットパンチは壁を吹き飛ばすほどの威力を誇る。さらに、トカシキ・ジェットブーツやトカシキ・ネココプターなど、さまざまなガジェットが開発されている。
淳に魅了された恋のライバルたち
ゆずの思い人である淳には、幼なじみの里桃子(とうざとももこ)がいる。桃子は華咲学園に通う高校生でありながら、ティーンエイジャー向けファッション誌の読者モデルとしても活躍しており、淳を「デリカシーのないロボバカ男」とからかいながらも、内心では好意を抱いている。また、都立唐久里工業高等学校の新聞部員、新城羽舞(あらぐすくうぶ)も、淳に好意を寄せている女子の一人で、ゆずの正体を暴こうと周囲を執拗に探り回っている。
ロボット同好会がコンテストに挑む!
ロボット同好会は、淳がクラスメイトの伊藤、加藤、佐藤と共に設立した組織。不良のレッテルを貼られていた彼らは、美少女の水着姿よりもロボットに似た巨岩に興味を示すほどの、筋金入りのロボット愛好者であり、淳を除く三人は「ロボバカトリオ」と一括りに呼ばれている。のちに、ゆずをはじめとする他校の女子生徒たちも同好会に入り浸るようになり、関係者が一丸となってロボットコンテストに挑む様子が描かれる。
登場人物・キャラクター
渡嘉敷 ゆず (とかしき ゆず)
都立唐久里工業高等学校に通う女子。翡翠(ひすい)色の瞳とピッグテールの髪型で、ネジ頭をモチーフにしたヘアピンを付けている。小柄ながら食欲旺盛で、ファミリーレストランで12万円分もの料理を平らげるほどの健啖家。感情豊かでありながら緊張しやすく、素の自分を見せられるのは家族と親友の粟国宮古だけ。中学時代は無表情が災いし、同級生からロボットのようで不気味だと陰口を叩かれたり、体調不良を信じてもらえなかったりと、辛い日々を送っていた。そんな時期に手を差し伸べてくれた淳に惹かれ、彼を追って工業高校に進学した。アンドロイドのフリをして淳の興味を引き、友人になることに成功するが、その設定が仇となり、さまざまな無理難題に直面することになる。のちに、さまざまな機能を見せたお礼として淳から歯車モチーフのヘアピンをもらう。このヘアピンは私室の祭壇に飾られ、発明で本気を出す時やカラーイラストに登場する際の勝負アクセサリーとして扱われることになった。
西表 淳 (いりおもて じゅん)
都立唐久里工業高等学校に通う男子。鍛え抜かれた鋼のような肉体の持ち主で、側溝の蓋を素手で砕いたり、サイの突進を受け止めたりするなど、並外れた腕力を誇る。朗らかな笑顔を絶やさない快男児で、他人の命を救うためには自らを犠牲にすることも厭(いと)わない。ロボットに対する情熱が非常に強く、搭乗型ロボットの開発を夢見ている。口を開けば趣味の話ばかりになり、感情が高ぶると「ロマーン!」と叫ぶ癖がある。時には「むさ苦しくて馬鹿っぽい」と揶揄(やゆ)されることもあるが、実際には複数の女子から好意を寄せられており、趣味に夢中なあまりそのことに気づいていない。ゆずの「アンドロイドである」というウソを真に受け、友達になりたいと懇願する一方で、レーザーが見たいと願望を口にして無自覚にゆずを困らせることもある。放課後はロボット同好会の仲間とロボット談義やアニメ鑑賞を楽しんでいるが、のちにロボットコンテストに出場するため、開発に打ち込んでいたことが明らかになる。
書誌情報
うそつきアンドロイド 5巻 秋田書店〈SHŌNEN CHAMPION COMICS〉
第1巻
(2021-02-01発行、978-4253291811)
第2巻
(2021-05-01発行、978-4253291828)
第3巻
(2021-08-01発行、978-4253291835)
第4巻
(2021-09-01発行、978-4253291842)
第5巻
(2021-09-01発行、978-4253291859)







