概要・あらすじ
さぬきうどんが全国的なブームになった折、香川県へ観光に赴いた寺島令子を始めとする食いしんぼうグループは、現地で食したうどんの美味しさに感動を覚えて帰京する。本場の味を知り、東京で食べるうどんに満足できなくなった寺島は、美味しさの再来を求めて香川県から手打ちうどんを取り寄せるが、その味は現地で得た感動を呼び起こすほどのものではなかった。
原因が「打ちたての麺」にあるのではと推察した寺島たちは、うどんを打てる人材を半ば強制的に引き入れ、秘密結社的な組織「うどん会」を設立。ゆるく美味しく幸せな、うどんの世界へと足を踏み入れていく。
登場人物・キャラクター
寺島 令子 (てらしま れいこ)
マンガ家の女性で作者本人。食材の計量をしないなど、ずぼらな面があるため料理に向いていなかったが、本場の香川県で美味しいうどんに出合ったことをきっかけに「うどん会」を立ち上げ、数々の手作り料理にハマることになった。調理法を学べるとなれば、道の駅で催された料理体験教室から本格的な料理教室、さらには牧場にまで足を運び、率先して料理の手作りを実践するチャレンジ精神旺盛な人物。 会の初めての活動でうどん作りを成功に導いたあとは、パスタやチョコレート、はたまたアンチョビなど、「うどん会」の名前にとらわれず、挑戦する手作り料理の幅を徐々に広げていく。
N藤会長
「うどん会」の会長を務める独身男性で本業はデザイナー。寺島令子によってじきじきに会長に任命された。会員の作りたい要求を取りまとめ、会場の場所取りやスケジュール調整など、多くの実務をこなす。マメな性格で会の活動にも積極的だが、下ごしらえした大事な食材をまるごと家に置き忘れるという失態を犯すなど、若干ヌケている面も。 「モテる」というワードが心の琴線に触れるのか、若い女性にモテそうな食材や料理に対しては敏感に反応を示す。
田中 としひさ (たなか としひさ)
「うどん会」の会員で本業はマンガ家の男性。手先が器用なうえにうどんも打てるため、寺島が強引に会員として引き入れた。味噌作りに挑戦した際に大豆に混ぜ込む塩きり麹の割合をN藤会長と計算して割り出すなど、現場での失敗をフォローする役割も担う。趣味として自転車やゲームをたしなんでいる。
てらかわ よしこ
寺島令子の妹で本業はマンガ家。幼少のころに地面に落ちてしまったアイスを拾って食べたこともあるほどの食いしんぼうだが、実は小食。姉と比較すると慎重な性格をしており、「うどん会」ではバランサー的な役割を果たしている。B級グルメが好物。
花屋 アヤコ (はなや あつこ)
「うどん会」の会員で、生花店を経営する女性。豊富な人脈を誇る「うどん会」を陰から操る実力者。食材を計量しないでボウルに入れてしまうこともあるなど、勢いを重視する性格だが、思いつきの企画を具体的な話にできる行動派。
よしあれA子
「うどん会」の会員で、会では最年少の女性。料理上手なうえ、追求を惜しまないタイプ。ポッピングシャワーという市販のアイスに思い入れがあり、手作りアイスにチャレンジした時は、手作りポッピングシャワーの再現性にこだわりを見せた。
遠州 のろり (えんしゅう のろり)
「うどん会」の会員で本業はクラフト作家の女性。料理を得意としており、食材を買い込みすぎるきらいがあるが、そのぶん大量に調理をこなす。会に欠かせない動力源的な存在で、とくにドーナツには詳しい。
丸の内 メケ (まるのうち めけ)
「うどん会」の会員で本業は編集者の女性。「うどん会」のペースメーカーを務めており、何事も全力で楽しむ素直な性格の持ち主。手作りアイスに挑戦した際は、その手間のかかり具合から市販のアイスに対し「安すぎて申し訳ない」という感想を漏らす。
長T先生
「うどん会」の会員で本業は大学教員の男性。達観した性格をしており、食材の下ごしらえや、ほかの会員に対する突っ込みを淡々とこなす。生来の我慢強さゆえに、野外バーベキューでは何時間も火の番を任された。
樫ノ木係長 (かしのきかかりちょう)
「うどん会」の会員で職業不詳の男性。仕事が押したり、東京が記録的大雪に見舞われて移動が困難になった日でも、遅れはしても必ず活動に参加している、会の後見人的な存在。
集団・組織
うどん会 (うどんかい)
世界をうどんによって征服するというコンセプトのもと、大して害のない活動を続ける秘密結社。命名は寺島令子によるもので、手打ちうどんを作るために区民センターの一室を借りる際、彼女が活動団体の名称として名づけた。会員いわく「悪の組織」だが、会員のあいだでも会の方針や定義はブレており、どれが実態を表しているかは定かでない。 寺島からは冗談交じりに「非モテ(モテないタイプの人)結社」であるとされている。