あらすじ
第1巻
以前から菊晴は、周囲の人たちから完璧主義者で几帳面な人間だと思われており、自らも神経質だと認識していたが、ふつうの生活を送っていた。そんなある日、菊晴は思い出が詰まったハンドメイドのバッグを、悩んだ末に捨ててしまい激しく後悔する。さらにお守りとして身につけていたアクセサリーを紛失し、これ以上何も失いたくない気持ちから掃除ができなくなってしまう。そして菊晴は、「ゴミを捨てる」という行為に、これまで感じたことのない不安を覚えるようになる。(第1話「プロローグ」。ほか、7エピソード収録)
登場人物・キャラクター
菊晴 (きくはる)
両親といっしょに暮らす女性。完璧主義者かつ几帳面な性格の持ち主。仕事は日雇いのアルバイトをしている。菊晴自身は生まれ持っての性格だと思っていたが、立て続けに大切にしていたものを失くしたことをきっかけに、部屋の掃除ができなくなる。その後は外出しようとしても家の様子が気になって何度も戻ったり、歩いているだけで人に危害を加えてしまうのではないかと不安になったり、徐々に心が疲弊していき、ついには引きこもりになってしまう。そんなある日、訪れた病院で「強迫性障害」と診断され、カウンセリングを受けることとなる。実在の人物、菊晴がモデル。
お母さん (おかあさん)
菊晴の母親。パートの仕事をしている。マイペースで忘れっぽい性格の持ち主。つねに適当に振る舞っているようで家族のことはしっかり観察しており、菊晴の異変にもいち早く気づいた。情緒不安定になった菊晴に厳しく接せられることも多いが、お母さん本人はまったく気にしていない。菊晴が「強迫性障害」と診断されてからも、温かく見守っている。
お父さん (おとうさん)
菊晴の父親。会社員として働いている。菊晴からは無責任な性格だと言われているが、家族の様子をしっかりと観察している。菊晴がお母さんに当たり散らす時も、二人にとって最善の策を提案するなど、家族の調整役を担っている。菊晴が「強迫性障害」と診断されてからは、言葉には出さないもののさりげなく気を遣うなど、温かく見守っている。