概要・あらすじ
中学校の転校生、天海は「ドーモドーモ」が口癖。ニコニコしており朗らかで善人のようだが、どこかがズレていて変な人物。転校早々、イスを隠されるイジメを受けるが、長時間の「空気イス」で受け流したり、暴力を受けても非常識な対応をしたり、いじめる側を気遣って天海が暴れるなど、過剰でナンセンスかつコミカルな対応をして、すべてを天海のペースに持ち込んでいく。
登場人物・キャラクター
天海 (てんかい)
中学生でクラスはB組。「ドーモドーモ」が口癖でニコニコしており朗らかで善人のようだが、何を考えているのかわからない。「ドーモ」と謎のオーラ(稲妻)を発して人を無理やり服従させることがある。転校初日から親分やギンナンからいじめを受け、理恵子らにかばわれるが、長時間の「空気イス」で受け流したり、暴力を受けてもさらに要求するといった非常識な対応をしたり、いじめる側を気遣って天海が暴れるなど過剰でナンセンスかつコミカルな対応で、すべてを天海のペースに持ち込んでいく。 当初はどこに住んでいるかもわからなかったが、「おみゃーおじさん(とうさん)」が出現して家の様子などが描かれるようになった。 バカと称されるが、テストではわざと50点を取り続けたり、A組とのテスト勝負ではリンカーン、フォード、ケネディといったアメリカ大統領の特徴や違いをスラスラ答えるなど博識な面も描かれている。
かんいち
天海の父。着物をだらしなく着ている。「おみゃー」を連発する謎の人物だが、急に深いことを言ったり、麻雀にハマるなどバカではないようである。部屋の隅や押入れに入ったり、公園のベンチの上で丸まって過ごすクセがる。地方の農民の家に生まれ、子供時代は成績が良くなかったため、教師に責められたが「大地主さま」の「お宮おじょうさま」に庇われる。 のちに二人は結婚した。天海とともに非常識な行動をすることが多い。
親分 (おやぶん)
天海の通う中学校の同級生でクラスはB組。転校してきた天海に、子分のギンナンとともにいじめを仕掛けるが、天海には通用しなかった。逆上してバットを持って天海を襲うが、思わぬ逆襲にあう。その後は天海とともにアルバイトをするなど、仲間として行動することが増えていく。
南部 銀太 (なんぶ ぎんた)
天海の通う中学校の同級生でクラスはB組。頬に絆創膏が描かれていることがある。転校してきた天海に、リーダー格の親分とともにいじめを仕掛けるが、天海には通用しなかった。さらに親分と天海を襲うが、思わぬ逆襲にあう。その後は天海とともにアルバイトをするなど、仲間として行動することが増えていく。
理恵子 (りえこ)
天海の通う中学校の同級生でクラスはB組。背の高い美少女。転校してきた天海がいじめられるとそれを庇って親分、ギンナンに抗議をするなど、やさしさや勇気がある。天海とともにアルバイトをすることもあったが、セクハラを受けることも多い。
高嶺 玲子 (たかね れいこ)
天海の通う中学校の数学教師で38歳。「オールドミス」ならぬ「オールドババア」と評されている。のちの記述では、天海らのいるB組のクラス担任である様子が描かれている。自己基準で定めた「不純」な行為が許せず生徒を攻撃していたが、天海の行為によって大きく変わり、校長が発案したA組、B組のテスト勝負時にはカンニングを認めてしまった。 その特訓をする際に、天海の父(おみゃーおじさん)に会い「おとうさま」と呼んだ。
タコ入道 (たこにゅうどう)
天海の通う中学校の同級生でクラスはB組。ハゲ頭で世の中を斜に見ている怒りっぽい男子生徒。天海の笑顔を「ムリをしてる」と断じ、同級生の親分とギンナンを焚きつけて仲間に引き入れ、天海の怒った顔を写真に収めようとする。
秀太郎 (しゅうたろう)
天海の通う中学校の同級生でクラスはB組。母子家庭に育ち、母親が病気がちなため、新聞配達などをして家計を支える。家事もこなす優等生だが、働きすぎで成績は低迷しており、クラスメイトは心配している。それを聞いた天海は秀太郎の代わりに新聞配達をしたり、二か月分の家賃を立て替えるなどして、感謝した秀太郎と「男の友情」を結ぶが、三日ほどたってから事態は意外な方向へと動いてしまう。
弱井 (よわい)
天海の通う中学校の同級生でクラスはB組。海の家でアルバイトをしている天海、親分、ギンナン、理恵子らのところに遊びに来たが、弱井は「やらない」といって何もしなかった。実は泳げなかったのを隠していたのだが、天海の指導によって、その対応法と処世術を身につけることになる。
源八 (げんぱち)
天海の通う中学校の同級生でクラスはB組。嘘ばかりつくので、親分、ギンナンをはじめとするクラスメイトに制裁されていたところを天海に救われた。その後も嘘をつくが、天海は身を挺して源八を変えようと試みる。
板滝 正彦 (いただき まさひこ)
天海の通う中学校の同級生でクラスはB組。善人の裕福な家庭で大きな家に、父、母、妹と住んでいる。大晦日の大掃除中に家の前を通りかかった天海とその父(おみゃーおじさん)に出会い、正彦の父が二人を招待したことから思わぬ騒動に巻き込まれてしまう。
野田 (のだ)
天海の通う中学校の教師でA組の担任。指導力に優れているようで、校長から成績急上昇を褒められているが、B組担任の高嶺先生に「女教師にはムリ」といったり、B組を「低能クラス」と呼ぶなどしてA組、B組のテスト勝負のきっかけを作った。
校長 (こうちょう)
天海の通う中学校の校長。A組担任の野田先生とB組担任の高嶺先生を呼び、A組を褒め、B組の奮起を促そうとしたが、二人が揉めたため、A組、B組によるテスト勝負による解決を提案する。なお、場面によって校長の容姿が異なるが、校長の交代があったかなどは明確ではない。
場所
中学校 (ちゅうがっこう)
描かれている校門には「中学校」としかなく、場所等の詳細は不明である。周辺地区の描写には「中荻」という地名が使われていることがあるため、この中学校も同地区にある可能性がある。校長が有名高校への進学を気にしたり、天海のクラスメイトが秀太郎の学業の遅れを心配するなど、勉学に熱心な校風があるようである。