おかわり飯蔵

おかわり飯蔵

料亭で腕を磨いた過去を持つ古道具屋の店主が、相手に合った料理を振る舞い、その悩みを解決していく料理漫画。料理は身近な食材で作れるものが主体で、健康にも気を使ったおいしくて体に優しいものが基本となっている。「週刊ヤングサンデー」で2001年4月から2003年10月にかけて連載された作品。2007年にはテレビ東京にて木村祐一主演でTVドラマ化もされている。

正式名称
おかわり飯蔵
ふりがな
おかわりはんぞう
作画
原作
ジャンル
ギャグ・コメディ
関連商品
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あらすじ

「大江戸出版」に勤める美咲さくらはある日、会社の飲み会で偶然、古道具屋「JIN」の店主をしている陣内飯蔵と出会う。飯蔵は北九州の料亭「陣内」で料理の英才教育を受けてきた人物で、料理の腕は超一流。そしてなにより、その調理における発想力が柔軟で、食べた人を全員感動させるという魅力を持っていた。そんな飯蔵の料理の腕を知るさくらは飯蔵監修の料理本を出版することを考え、飯蔵を深く知るために日常生活を探ることを決意。密着することにより古道具屋の店主でありながら、その料理の腕前でさまざまな人を幸せにする飯蔵の真の実力を、さくらは目撃することになる。

メディアミックス

TVドラマ

2007年、テレビ東京にて雑加俊郎、原桂之介監督によるTVドラマ版が放送された。キャストは陣内飯蔵役を木村祐一、美咲さくら役を川畑麻衣、小柳カンナ役を宮本ゆりあが演じている。さくらとカンナのキャストは一般募集のオーディションによって決定された。

作家情報

作者

大谷じろうは主に青年誌で活躍している漫画家。1971年1月22日生まれで、東京都出身。1999年7月「WEEKLY漫画アクション」にてデビュー。代表作は本作『おかわり飯蔵』の他、『下北GLORYDAYS』などがある。

原作

魚柄仁之助は食生活研究家の他にエッセイストや漫画原作者、ペーパーナイフアーティストとしても活躍中の男性。1956年4月21日生まれ。大学では農業を学び、卒業後にバイク店を1年半、その後は古道具店を10年間経営していた。漫画原作者としての代表作は本作『おかわり飯蔵』の他、『クックドッポ』がある。

登場人物・キャラクター

陣内 飯蔵 (じんない はんぞう)

古道具屋「JIN」の店主を務める男性。北九州にある料亭「陣内」で父親の陣内源介から料理の英才教育を受けており、著名な料理人すらも凌駕するほどの腕前を持つ。作る料理は身近な食材を用いた健康志向の強いものが多く、自分の料理経験を活かしたアイデアが盛り込まれていることが特徴。人付き合いが良く、世話焼きな性格で、周囲の人々からも慕われている。

陣内 源介 (じんない げんすけ)

陣内飯蔵の父親。北九州で料亭「陣内」を営んでいる。飯蔵が子供の頃から店の厨房に立たせ、作法やしきたり、調理法を叩きこんだ人物。しかし、当時の飯蔵にはそれが窮屈に感じられ、現在も顔を合わせればケンカをする犬猿の仲となっている。

小柳 カンナ (こやなぎ かんな)

陣内飯蔵の従妹。年齢は19歳。飯蔵とは小さな頃からの知り合いで、当時はよく一緒に遊んでもらっていた。現在は女優を目指して上京しており、アルバイトをしながらダンスレッスンなどをしている。努力家で女優としての素質もあり、レッスンプロたちからは期待を寄せられている。しかし、大事なオーディションでいつも体調を崩してしまい、満足に自分のパフォーマンスを発揮することができないことに悩んでいる。

美咲 さくら (みさき さくら)

出版社「大江戸出版」に勤める女性。料理関連の記事を担当しており、会社の飲み会で偶然知り合った陣内飯蔵の料理の腕に興味を持ち、追いかけるようになった。将来的には飯蔵の料理本を出すことが夢。バストは88センチのEカップで、取材が難航する際にはその自慢の胸を寄せてアピールし、色仕掛けで相手の気を引くというテクニックを持つ。 飯蔵と出会った当初は、料理の腕はからっきしだったが、飯藏から教えてもらった知識を実践して、徐々に腕を上げてきている。

美咲 ユージ (みさき ゆーじ)

美咲さくらの弟。さくらと一緒に住んでいる。浪人生で勉強漬けの日々を送っている。同じ浪人仲間であるエミに好意を抱いており、陣内飯蔵からのアドバイスを受けて、その恋を実らせることに成功する。そのため、飯蔵のことを特に慕っている。

福永 (ふくなが)

出版社「大江戸出版」に勤める女性。美咲さくらの先輩にあたる人物で、さくらに合コンをセッティングさせたり、イベントへの参加を強制したりと、少々強引な性格。30代で未婚ということもあり、結婚に焦っている。帰国子女であることを売りにしており、時々わざとらしく英語を織り交ぜてしゃべるのが特徴。

下村 愛子 (しもむら あいこ)

出版社「大江戸出版」に中途入社した女性。毎日、遅刻・中抜け・早退・無断欠席のどれか1つは必ずやる、というひどい勤務態度のせいで、現在も何の担当も任されていない。普段は「ラブちゃん」と呼ばれているが、社員たちからはバカにしたニュアンスで呼ばれている。

相沢 菜々子 (あいざわ ななこ)

出版社「大江戸出版」に勤める新入社員の女性。若くかわいらしい顔をしているため、社内での人気は高い。仕事にも貪欲に取り組む真面目な性格で、将来的にはどんな大物とも対等に仕事ができる一流の編集者なりたいと考えている。しかし、仕事に精を出しすぎるがゆえに、食事はインスタント麺や外食ばかりで、栄養バランスが偏っている。

西川 (にしかわ)

出版社「大江戸出版」でデスクを務める男性。色々な企画を出したがる美咲さくらの仕事に対する姿勢にも寛容で、西川自身も積極的に手伝ったりと協力的。ただし酒癖が悪く、酒が入るとすべての記憶がなくなってしまう。既婚者で2人の子持ち。

谷山 (たにやま)

出版社「大江戸出版」で副編集長を務める男性。色々な企画を出したがる美咲さくらの仕事に対する姿勢を、あまり快く思っておらず、新人らしくもっと基礎的なことをやるように叱責している。そのため、さくらは裏で「鬼の副編集長」と呼んでいる。

谷山 秀夫 (たにやま ひでお)

谷山の中学2年生の息子。一流高校に進学するほどの頭脳を持つ。谷山自慢の息子だが、その分、他の同級生よりも大人びていて冷めている一面がある。父親を「調子のいい、いい加減な人間」と思っており、嫌っている。

エミ

美咲ユージと同じ予備校に通う浪人生の女性。最近は模試の成績が芳しくなく、志望校を変更しようかと悩んでいる。浪人生の親睦会で、ユージから手作りおにぎりを振る舞われたことがきっかけで仲良くなり、現在ユージとは懇意の仲となっている。

シゲさん

美咲ユージと同じ予備校に通う浪人生の男性。ユージより2つ歳上で、仲間のグループ内ではムードメーカー的な存在。しかし最近、浪人仲間と行った沖縄旅行から帰って来て以来、何故か元気がなく、予備校を休む日々が続いている。

京本 剛 (きょうもと つよし)

古道具屋「JIN」を訪れた男性客。愛称「ジミー」。外資系のコンピューターメーカーで営業を務めており、愛車はポルシェ。金遣いが荒い彼女に、好き勝手に自分の金を使われた挙句に振られており、現在は食うにも困るほどの状態となっている。しかし、自分の分身ともいえるポルシェだけは、「一流のステイタス」の証として絶対に売ろうとしない。

ビッグママ

総菜屋「はる天」に勤める女性。通称「ビッグママ」。陣内飯蔵とは顔なじみで、一緒に賭け麻雀をする仲。普段は麻雀ルールなど、規律に厳しい人物ながら、自分のタイプの男性に対してはすべてが甘くなる。特に京本剛を気に入っており「ジェームス・ディーンにソックリ」と評していた。

ハタノ

ロックバンド「メルトダウン」でリードギターを担当する男性。ツアーで全国を飛び回って忙しくしているが、その半面、ツアー中はホテルに缶詰めで、プライベートがまったくないことに不満を抱いている。そのため、最近はバンド活動に対してモチベーションが上がらない日々が続いている。

サトシ

ロックバンド「メルトダウン」のボーカルを担当する男性。最近は売れっ子となって、少々調子に乗っているところがある。しかし、「地方のライブだと思って気を抜くな」とメンバーに喝を入れるなど、バンド活動に対しての意識は高い。最近、メンバーのハタノのモチベーションが下がっていることを危惧している。

島田 ゆかり (しまだ ゆかり)

島田恭平の母親。夫とは3年前に死別しているが、現在は渡辺という男性と付き合っており、近々再婚するつもりでいる。再婚に対する恭平の複雑な気持ちはわかっているつもりだが、それでもなんとか再婚を認めて欲しいと思っている。

島田 恭平 (しまだ きょうへい)

島田ゆかりの息子。小学4年生の少年。母親が近々再婚することになっているが、父親とは死別してからまだ3年しか経っていないため、母親の恋人である渡辺が新しい父親となることに抵抗がある。それでも、自分の母親の幸せを祝福したいという気持ちもあり、どうしていいかわからずに混乱している。

渡辺 (わたなべ)

島田ゆかりの恋人。38歳の男性。近々ゆかりとは結婚するつもりでいる。ゆかりの息子である島田恭平ともよく遊んで可愛がっており、自分の息子として育てていくという覚悟も持っている。ゆかりから、恭平が再婚に対して複雑な心情でいるという話をされた時も、「恭平クンに好かれるように頑張るよ」と、まったくめげることのない前向きな性格。

益田 (ますだ)

体育大学で陸上部のコーチを務める女性で、合コンでたまたま同席した美咲さくらと知り合った。その際に教え子である井上奈美のタイムが伸び悩んでいることを心配していることを吐露し、なんとか奈美を元気づけてくれないかとさくらに依頼する。

井上 奈美 (いのうえ なみ)

体育大学の陸上部に所属している女性。入学時にはレギュラーしか入れない寮に住んでいた。陸上センスあふれる有望株だったが、故障が原因で退寮してからは、練習はおろか学校にも来ないという状態が続いている。そのため、コーチの益田から心配されている。

柳生 純一郎 (やぎゅう じゅんいちろう)

フードコーディネーターを務める男性。世間的には「カリスマフードコーディネーター」とされており、業界内では「先生」と呼ばれて崇められている。出版社「大江戸出版」から刊行されている料理雑誌に「柳生純一料理塾」を連載している。その連載で取り上げられた料理店はかならず有名店になるほど、業界内では強い影響力を持つ。

清瀬 まり (きよせ まり)

癒し系アイドルとして有名な秋田出身の女性。グラビアが掲載されるだけで、その雑誌の売り上げが通常に比べ30%も伸びるといわれている。ビール、お茶、保険などのCMにも多数出演している売れっ子。秋田の郷土料理を好み、肉は大の苦手としている。

竹原 慎一 (たけはら しんいち)

広い読者層を持つ人気小説家の男性。プロ野球球団「ガバメンツ」の大ファン。野球には詳しく、野球観戦の仕方やマナーにも厳しい。一般的には気難しい性格と思われがちだが、周囲の人にも気を配ることができる。陣内飯蔵の作る料理とそのサポートをする美咲さくらを認めており、自分の連載の担当編集者として、さくらを指名している。

土井 (どい)

テレビ局「関東TV」でプロデューサーを務める男性。素人を発掘してヒット番組を連発する敏腕として世間に認められており、小説家の竹原慎一とも顔見知り。陣内飯蔵と美咲さくらの料理を味わって以来、関心を持つようになる。

荒関 (あらぜき)

原宿で小道具屋店を経営している男性。通称「社長」。陣内飯蔵が若い頃からの顔見知り。料理屋で無駄になった大量の食材に疑問を感じていた飯蔵に、「捨てるものでもアイデア1つで商品になる」と教えた。飯蔵にとって、小道具屋店を経営するきっかけを与えてくれた人物であり、師匠にあたる。普段は昼間から酒を飲むなどちゃらんぽらんな性格だが、こと仕事に関しては厳しく、仕入れなどの指導は特に徹底している。

荒関 詩郎 (あらぜき しろう)

荒関の甥。銀行に勤めている。妻の荒関リカと結婚して3か月の新婚。リカとはインターネット上で知り合い、それから3年間メールのやり取りを重ねた末に結婚した。そのため、「お互いのことはなんでも知っている」と自負している。

荒関 リカ (あらぜき りか)

荒関詩郎の妻。結婚して3か月になる。コンピューター関係の仕事をしている。詩郎とはインターネット上で知り合い、それから3年間メールのやり取りを重ねた末に結婚した。しかし、詩郎から「7時までに帰ってご飯を作れ」「家庭に入れ」と言われていることに不満を抱いており、早くも離婚を考えている。

今井 美智子 (いまい みちこ)

テレビ局「関東TV」に勤める女性。美咲さくらの学生時代からの親友。主に現場スタッフとして働いているが、最近はミスばかりしている。先輩からも「ボーっとしていて使えない」とまで言われており、自身も退社したいと考えるほどに落ち込んでいる。

斎藤 晴彦 (さいとう はるひこ)

今井美智子の彼氏。銀行に勤めている。最近異動して来た「鬼軍曹」の異名を持つ支店長と折り合いが悪く、精神的に追い込まれいる。そのため、勤めてまだ8か月にも関わらず、銀行を辞めようか悩んでいる。朝食は絶対にパンとコーヒー、というこだわりを持っている。

岡島 (おかじま)

大手出版社「平成書院」に勤める男性。美咲さくらの大学のサークルの先輩だった人物。さまざまな業界人と面識があり、「極貧料理バンザイ」を出版した江頭イサムとも懇意にしている。しかし、あまりにも気を遣い過ぎるがゆえに、業界人に対しては反論を一切しないイエスマン。

島田 研二 (しまだ けんじ)

お笑い芸人の男性。レギュラー番組を週に4本こなし、ドラマにも出演をする売れっ子。通称「シマケン」。現場スタッフの今井美智子が、自分の服に牛丼をこぼしたことに腹を立てており、近くに来るなと言い放って美智子のことを避けている。

グッピィ松木 (ぐっぴぃまつき)

お笑い芸人の男性。10年間芸人をやってきたが鳴かず飛ばず。現在は料理番組のマスコットキャラクターの着ぐるみの中に入って、なんとか食いつないでいる。それでも、いつの日か売れて自分の家族を喜ばせたいと、汗水たらしながら、望まない仕事もこなす毎日を過ごしている。飲食店でもアルバイトをしており、料理には自信を持っている。

江頭 イサム (えがしら いさむ)

「極貧料理バンザイ」という本を出版している料理人の男性。この本では主に「100円で何が食べられるか」ということを突き詰めている。巷では「極貧のカリスマ」と呼ばれ、若者を中心に絶大な支持を受けている。昔は裏方と料理の話をしたり、ADにも同じ目線で話すような優しい人物だった。しかし現在は天狗になっており、横柄な態度でスタッフと接している。

佐藤 麻衣 (さとう まい)

聖凜女子大付属高校に通う女子高校生。ソフトボール部に所属している元気な女性。最近、文化祭の予算である10万円をなくしてしまったため、部活の練習に身が入らなくなって食欲も減退している。

阿部 (あべ)

大手広告代理店に勤める男性。大学時代はお笑い研究会に所属しており、当時は友人たちと楽しい学生生活を送っていた。しかし、現在は接待などで高級料理店に行くことも多くなり、同級生に対して見下した横柄な態度を取るようになる。

マキコ

自然食品至上主義のOL。出所がはっきりしない食べ物は一切口にしない。添加物の入った食べ物を平気で食べる人に対し、苦言を呈している。また、ヒステリーを起こすことがあり、自分の意見を否定されると激昂する。

小宮 (こみや)

証券会社に勤める男性。効率的に物事をこなすことを信条としており、無駄な時間は過ごしたくないという考えの持ち主。そのため、食事も栄養を取ることだけに重きをおいており、サプリメントを飲むだけのことも多い。社内では3か月連続でトップの営業成績を取り続けているが、同僚と飲みに行かないため、付き合いが悪いと敬遠されている。

前田 (まえだ)

居酒屋「前田」を経営している男性。もともとスーパーの店長だったが、会社のリストラに遭って居酒屋を開業した。しかし、共同経営者兼料理人の片平に売上金と運転資金を持ち逃げされてしまい、現在は営業どころではなくなっている。かつてはやり手の営業マンだった時代があり、「営業の鬼」と呼ばれていたこともある。

片平 (かたひら)

居酒屋「前田」で料理人を務めていた男性。前田から話を持ち掛けられたことをきっかけに、共同経営者兼料理人として働いていた。しかし、経営が思った以上に上手くいかず、店の売上金と運転資金を持ち逃げし、前田のもとから姿を消している。

坂本 (さかもと)

コンビニでアルバイトをしている男性。地元ではかなりのワルだったため、これまでまともに相手をしてくれる人がいなかった。しかし、今のアルバイト先の「奈緒」という女性だけは、自分と正面から向き合ってくれているので感謝している。最近、その奈緒が実家へ帰ることになり、盛大にお別れ会を開いて送り出したいと考えている。

関川 弘名 (せきかわ こうめい)

銀座で日本料理店を経営している男性。以前は高級ホテル「帝日ホテル」の料理長を務めており、テレビなどでも引っ張りだこの有名人でもある。「母と子の愛情レシピ」という料理本も出版しており、若い主婦の間で大ブームになっている。「食の哲人」の異名を持つ。

工藤 (くどう)

運送会社「木村運送」に勤める女性。両親がいないため高校時代はグレていたが、その時に体当たりで自分の指導にあたってくれた教師の男性と結婚した。その後、夫を事故で亡くして以来、子供を女手一つで育てている。仕事と育児に追われている日々を送っており、生活もギリギリの状態。

山本のおばあちゃん (やまもとのおばあちゃん)

隠居生活を送る老婆。自分が若かった時代に食べた「高級サンドイッチ」をもう一度食べたいと考えており、家族にもいろいろなサンドイッチを買ってきてもらっているが、中々その味に巡りあえていない。最近、家族からはボケていると思われており、施設への入所を検討されている。

鈴木 (すずき)

路上ライブをしている22歳の男性。他の同級生やバンド仲間が全員就職した一方で、自分は今まで何の結果も残していないことにストレスを感じている。かつてバンドを組んでいた時にはエレキギターを弾いていたが、バンドを解散してからはアコースティックギターの良さに気づき、愛用している。夢はすべてのドーム球場でライブをすること。

(もり)

スパゲッティ屋を経営している男性。大学を出てすぐに店を立ち上げたが、近くにある弁当チェーン店に客足を取られてしまい、その経営状況はあまり良くない。卒業後は親のコネを使って一流企業へ就職することも可能だったが、それを蹴って現在に至っているため、親からは勘当されている。

八木 (やぎ)

スーパー「オギノストア」目黒店に勤める男性。毎日チーフから言われるがままに飲み会に連れて行かれ、そこで毎回一気飲みをさせられては潰されている。将来は漫画家になることを夢見ており、漫画の執筆も行っているが、毎日の飲み会で思うように時間がとれていない。

和泉 (いずみ)

スーパー「オギノストア」目黒店の店長を務める男性。一流大学出身のエリートで、32歳という若さながら店長を任されていることもあって、女子社員の憧れの的となっている。しかし、部下の八木を馬鹿にするなど、人を見下すところがある。

松村 利樹 (まつむら としき)

酒癖の悪い男性。陣内飯蔵がひいきにしている小料理屋店に、最近顔を出すようになった。実家は金沢で、松村利樹自身が「片町の鬼松」と呼ばれていた不良時代に、松村利樹の母の店で暴れたことをきっかけに、実家を飛び出す。既に7年も帰っていない。後ろめたい思いはあるものの、いつか母親に、自分が立派になった姿を見せたいと考えている。

松村利樹の母 (まつむらとしきのはは)

松村俊樹の母親。利樹を女手一つで育てた女性。金沢で飲み屋を営んでいる。それが原因で、利樹が「水商売をしている母親の子供」とからかわれていたことも知っており、自分のせいで利樹を傷つけてしまったと考えている。利樹が7年前に家を飛び出してから会っていない。

矢島 秀一 (やしま しゅういち)

最近、静岡から東京の学校に転校して来た小学4年生の少年。同級生から「もやしっコのモヤッシー」と言われていじめられており、学校へ行きたくないと思うほどに悩んでいる。教育熱心な母親から、将来は東京の有名私立中学に入学することを期待されている。

矢島秀一の母 (やしましゅういちのはは)

矢島秀一の母親。秀一には東京の有名私立中学に入学して、自分の夫が行けなかった大学に進学し、一流の人間になって欲しいと考えている。普段から教育熱心で、「魚を食べると頭が良くなる」ということを信じており、毎日秀一に魚を食べさせている。

鈴木 博美 (すずき ひろみ)

国会議員を務める男性。もともとは、他の議員の疑惑追及の先鋒に立ち、国民から絶大な人気を誇っていた。今は自らの秘書が違法な金品を受け取っていたことが発覚し、責任を取るため国会議員を辞職する考えでいる。最近は食事をしても味が分からないほど追い込まれており、精神的に余裕のない日々が続いている。

松下 アヤ (まつした あや)

小柳カンナと同じダンススクールに通う女性。可愛いうえに頭も良く、ダンススクール内の成績もトップレベルの優等生。コネクションを作るために、アルバイト先もキャバクラを選んだり、食事も一日一食に抑えて太らないように気を遣うなど、あらゆる面においてプロ意識が高い。

安達 みゆき (あだち みゆき)

小林カンナと同じダンススクールに通う女性。子供の頃からフランスに住んでいたため、歌とダンスはフランス仕込みでレベルが高い。海外生活が長いため生ものが苦手。狂牛病が流行してから、肉も一切口にしなくなったため、食べられるものが限られている。

井上 敬三 (いのうえ けいぞう)

元帝国陸軍の音楽隊を務めていた老人。戦地で演奏した経験もあり、音楽に関する知識は豊富。ロックバンド「メルトダウン」が売れる前からの知り合い。かつて一緒にセッションをして「メルトダウン」のメンバーに刺激を与え、奮起を促したこともある。このセッションが「メルトダウン」が売れるきっかけとなったため、メンバーからは今でも慕われている。

北村 若菜 (きたむら わかな)

中山俊介と同じ高校に通う2年生の女子。屋上で偶然出会った俊介に、お弁当を作る約束をした。実は中学2年生の時に付き合っていた相手に作ったお弁当がきっかけで、振られた経験がある。そのため、お弁当を作ることに関しては後ろ向きになっている。

中山 俊介 (なかやま しゅんすけ)

北村若菜と同じ高校に通う2年生の男子。サッカー部に所属しており、高校1年生の時からインターハイで大活躍したエースストライカー。その練習姿を見るために黒山の人だかりができるほどで、特に女子生徒からの人気が高い。母親とは死別しており、現在ほとんどの食事をコンビニ弁当に頼っている。

黒田 徹 (くろだ とおる)

会社を経営している男性。現在は知人の借金の保証人となってしまったため、自身の経営する会社を手放し、家族とも離れ離れになっている。なりふり構わず親戚中から借金しており、そのことが原因で人間関係も悪くなっている。

下山 (しもやま)

目黒東署で警察官を務める男性。昔、カツアゲされている時に警察官に助けられたことがきっかけで、自分も警察官を志した。しかし、これまで何一つ手柄を立てたことがない。特に最近はミスを繰り返すようになり、始末書の数は署内でも5本の指に入るほど。始末書を書くたびに、やけ酒とやけ食いを繰り返しており、どんどん太ってきている。

桐山 一樹 (きりやま かずき)

フリーライターの男性。24歳にしてスポーツ誌、アイドル誌、ファッション誌とあらゆる分野の雑誌で活躍している。端正な顔立とモデル顔負けのスタイルで、女性からの人気も高い。常に鞄にマヨネーズを持ち歩いているほどのマヨラー。食事の際には何にでもマヨネーズをかけて食べることが習慣となっている。

遠藤 (えんどう)

TV番組の制作プロダクションに勤める男性。毎日朝から夜中まで収録現場のセッティングや人員の手配、編集作業などをこなして忙しくしている。将来はその経験を活かして、有名な放送作家やプロデューサーになってヒット番組を作りたいと考えている。また、近々婚約者の久子と結婚を控えているが、まだ仕事での稼ぎが少なく、式を挙げることは半ばあきらめている。

久子 (ひさこ)

遠藤の婚約者の女性。子供の頃に潮干狩りに行った際、アサリに指を挟まれたことがトラウマとなっており、以来貝に触ることができなくなっている。しかし、調理された貝類を食べることはむしろ好きなので、自分で貝類の料理ができないことで悩んでいる。

後藤 (ごとう)

フリーターの男性。高校を卒業して「上京すれば何かやりたいことが見つかる」と、東京へやって来たが、ここ2年間何も自分のやりたいことを見つけられていない。アルバイトもこれまで30種近くこなしてきたがどれも長続きせず、短期間で辞めている。夢はいつか必ずビッグになること。

丸山 翔 (まるやま しょう)

小学生の少年。毎回、遠足の時にコンビニ弁当を持たされていることに不満を抱いており、周りの友達が母親の手作り弁当を手にしていることを羨ましく思っている。小柳カンナによく懐いており、将来はカンナと結婚することを夢見ている。

丸山翔の父 (まるやましょうのちち)

丸山翔の父親。配送関係の仕事をしている。18歳の高校生の時、クラスメイトの女子との間に翔をもうけて結婚したが、現在は離婚している。それからは男手一つで翔を育てている。仕事が朝早いこともあり、食事の面はコンビニ弁当などに頼ることが多い。

藤沢 幸子 (ふじさわ さちこ)

小学5年生の女子。私立中学校の受験を決めている友人が2人いる。自分もその中学校への進学を希望しているため、よく友達の家に行って勉強会をしている。その友達の家で振る舞われる本格的なコロッケやカレーなどの昼食に憧れを抱き、自分の家でも本格的な料理が食べたいと思っている。将来の夢は仕事と家庭を両立できる女性になること。

中田 (なかた)

警備員のアルバイトをしながら司法試験合格を目指している男性。将来は弁護士となって、北海道にいる両親を楽させたいと考えている。アルバイトと勉強ばかりの生活のうえに他人と接するのが苦手なため、人付き合いはほとんどない。そのため周りからは「変な人」「変わり者」と思われている。

野中 (のなか)

コンビニのフランチャイズ店を経営していた男性。近所にライバル店ができたことにより経営は失敗し、高利の消費者金融に手を出した。現在は5000万円を越える借金を抱えている。そのため、すべてから逃げ出してこの世から消えたいと考えている。

なぎさ 寛一 (なぎさ かんいち)

フォークシンガーの男性。ラジオのパーソナリティをはじめテレビのコメンテーターやエッセイ本の出版、俳優業とマルチな活躍を見せている。いろいろな街の居酒屋を訪れて1人で飲むことを好み、自分で自分のことを「神出鬼没」と評している。

田中 (たなか)

サラリーマンの男性。大阪から上京し、関西弁を使わずになんとか東京に馴染もうとしている。仕事のフォローもしてくれない上司から怒られることに不満を抱き、ストレスをため込んでいる。最近はホームシック気味で、大阪の味を恋しく思っているが、東京には大阪の味を正確に再現してくれる飲食店がなくて困っている。

デーブ中村 (でーぶなかむら)

タレントとして活動している男性。テレビでは明るいキャラクターで通っていたが、3年前に妻を亡くしてから元気がなくなった。テレビの出演も断り続け、毎日酒を飲んではゴロゴロしている。全盛期は「お笑いトライアングル」というトリオの漫才コンビで一世を風靡しており、現在も漫才界の大御所として世間からは高い評価を得ている。

柏原 (かしわばら)

都立成南高等学校の野球部に所属する男子。130km後半の直球を武器とする二番手ピッチャー。21世紀枠で甲子園に初出場する成南高等学校野球部のキーマンとなっている。しかし食事に偏りがあり、毎食エビ味のせんべいだけでお腹を満たしているため、スタミナの面で不安を抱えている。

矢口 (やぐち)

都立成南高等学校の野球部のマネージャーを務める女子。部員に献身的に尽くしており、練習の手伝いから食事のサポートまで幅広く手掛けている。野球部員の二番手ピッチャーである柏原とは幼なじみで、彼の偏った食事を心配している。

一条 (いちじょう)

研修医を務める男性。現在はその立場から月収が4万円以下と非常に少ない。ピアスの穴を開けるアルバイトや当直勤務、企業の健康診断などをして、なんとか生活費をまかなっている。イケメンで女性からの人気が高く、ピアスの穴を開けるアルバイトでは女性客が殺到するほど。小柳カンナからも、1人の男として高い評価を受けている。

木下 (きのした)

本格焼酎活火山の蔵元「木下商店」の社長を務める男性。鹿児島出身で、現在は東京で薩摩料理の飲食店の経営にも携わっている。しかし最近は鹿児島県人しか常連客がいないことに悩んでおり、もっと幅広い客層を獲得するために、やり方を変える必要があると考えている。

集団・組織

メルトダウン

4人組ロックバンド。知名度が非常に高く、美咲さくらも彼らの大ファン。陣内飯蔵とはデビュー前からの知り合い。まだ世間では認知されていない時に、古道具屋「JIN」を訪れては、飯蔵に食事を振る舞ってもらっていた。その際に飯蔵からフィンガー・ピッキングも習っており、そのテクニックは現在の演奏にも活かされている。

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