おこしやす、ちとせちゃん

京都で暮らすコウテイペンギンのヒナであるちとせが四季折々の京都を楽しみながら、橘千昭ら京都の人々や関西に住んでいるペンギンの雪之介たちとの交流を通し、日常にちょっとした癒やしを届ける姿を描いたほのぼのショートストーリー。「BE・LOVE」2016年第6号から掲載の作品。

正式名称
おこしやす、ちとせちゃん
ふりがな
おこしやす ちとせちゃん
作者
ジャンル
動物・ペット
 
日常
レーベル
ワイドKC(講談社)
巻数
既刊7巻
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作品誕生のいきさつ

夏目靫子が執筆していた、ペンギンが京都に出没する同人誌が担当編集者の目に留まり、本作『おこしやす、ちとせちゃん』の連載が決定した。前身となった作品ではちとせが人間の言葉を話しており、「苦しゅうない」など、貴族のような口調だった。

あらすじ

第1巻

3月のある夜、ちとせは暖を求めて先斗町を歩いていた。ちとせは、ほろ酔い気分の人間たちを見るにつけ、自分も浮かれた気分に浸っていた。そんなちとせがたどり着いたのは、一軒のおでん屋台だった。(エピソード「第1羽目」。ほか、14エピソード収録)

第2巻

初めて京都で秋を体験するちとせは、秋の紅色を求めて八瀬を訪れていた。紅葉やセンリョウの実、ヤマボウシなどを集めて回っていたちとせは、転がったホオズキを追って瑠璃光院を訪れた。そこでちとせは、一面真っ赤に染まった紅葉を目にする。(エピソード「第16羽目」。ほか、14エピソード収録)

第3巻

ある雨の日、ちとせは祇園に住む女性から、五花街のどこかに鳥柄の提灯が下がっていると聞かされる。興味を持ったちとせは街にあるさまざまな提灯を見て回り、先斗町で念願の提灯を見つける。しかし、店先に下げられた提灯はちとせの手には届かず、ちとせはガッカリしてしまう。(エピソード「第31羽目」。ほか、14エピソード収録)

第4巻

大雪の日、雪之介が珍しく「ラーメンを食べたい」と呟いた。それを聞いたちとせは、食べたことのないラーメンを食べるため、雪之介を連れて市内に出る。そして、雪で人通りの少ない木屋町で凍った川をすべる二匹は、京都を貸切っているような気分に浸る。(エピソード「第46羽目」。ほか、14エピソード収録)

第5巻

1月8日の初えびすの日、お祭りで非常に大きな餅をつくと聞いたちとせは、京都ゑびす神社を訪れていた。人々が集まって湯立神楽神事を待つあいだ、ちとせはスープが振る舞われるのではないかと期待する。しかしその直後、ちとせは笹に付着した熱湯を浴びせられ、驚愕する。(エピソード「第61羽目」。ほか、14エピソード収録)

メディアミックス

TVアニメ

本作『おこしやす、ちとせちゃん』のTVアニメ版『おこしやす、ちとせちゃん』が、5分間アニメとして、2018年10月よりTOKYO MXで放送された。全24話。ナレーションを堤真一、ゲストキャラクターを遊佐浩二と小岩井ことりが担当している。原作漫画版とは異なり、ちとせはジェスチャーだけでなく、「キュイ」と鳴き声を発して人間たちとコミュニケーションを取っている。

登場人物・キャラクター

ちとせ

京都に住んでいるコウテイペンギンのヒナで、メス。両手で抱き上げられるくらいの大きさで、つねに緑色の風呂敷を斜め掛けにして背負っている。筆で絵や簡単な文字を書いたりすることができるため、知能的には4歳児程度ではないかと考えられている。京都内外の人間に知られているほど有名で、京都の人間からはかわいがられると同時に、時にはおつかいなどを頼まれることもあるほど親しまれている。京都以外の人間には「本当にいたんだ」と珍しがられ、観光案内を頼まれることもある。人間の言葉は話せないが理解はしており、喜怒哀楽の表現も豊かである。特に嬉しいときは両翼に日の丸の扇子を持って踊ることで、周囲の人間にも喜ばれている。

雪之介 (ゆきのすけ)

コウテイペンギンのオスの成鳥で、鞍馬山付近に住んでいる。大きな編み笠をかぶっており、丁寧な人間の言葉で話し、日本語で手紙を書いたり、難しい学術書を読めたりと、大学生程度の知能がある。ヒナの頃は文学少年で本をよく読み、船岡温泉に毎日通っていた。現在は山中にあるくらま温泉に長く入り浸っているため、京都市内の情勢に疎い。しかし、ちとせに懐かれたのをきっかけに市内の流行や変化を知り、時々市内に降りてくることを決めた。

春国 (はるくに)

アデリーペンギンのオスの成鳥で、神戸市の北野異人館付近に住んでいる。目つきが鋭く、上嘴にピアスをつけており、ギターケースを背負っている。粗暴な言葉で話し、日本語で書かれた手紙を読むなど、一般的な高校生程度の知能がある。雪之介とは旧知の仲だが、ヒナの頃に雪之介にメスとして育てられたり、勝手に詩を読まれたりするなどしたため、苦手としている。元々は京都に住んでいたが、理由があって神戸に移り住んだ。老齢の女性が一人で営んでいるカフェを手伝っており、春国自身が手伝わなければ店が成り立たないという危機感から神戸にとどまっている。

橘 千昭 (たちばな ちあき)

橘千尋の弟で、年齢は11歳。足が速く、女子小学生から非常にモテる。ちとせと寺の境内で行われているラジオ体操の出席日数を競ったり、いっしょに三千院の付近にある祖父母の家に行ったりするなど、非常に仲がよい。老人たちがちとせを「雪之介」とまちがえて呼んでいるのを見て、ちとせのほかにペンギンがいるということに気づいた。

橘 千尋 (たちばな ちひろ)

洛曜中学校に通う女子で、美術部に所属している。橘千昭の姉。明るい色で肩までの髪をローツインテールの髪型にしている。友人がいるからという理由でなんとなく美術部に入部したが、絵が下手であることを気にして、絵画コンクールにも積極的ではなかった。しかし、ちとせをモデルにデッサンをするうち、絵を描く楽しさを知った。ちとせといっしょに喫茶店に行ったり植物園に行ったりするなど、仲がよい。

サラリーマン

ボサボサの髪をした独身男性で、年齢は34歳。金曜の夜、友人と飲みに行く予定で四条河原町を訪れたが、土壇場でキャンセルされて途方に暮れていたところ、偶然にちとせと出会った。東京出身で京都に住み始めて1年ほどしかたっておらず、慣れない土地での不満が溜まっていたため、ちとせに食事を奢る代わりに愚痴を吐いた。ちとせの存在は知っていたが実際に見たことはなかったため、初見で本物のペンギンであることに驚愕していた。

風呂敷屋の店主 (ふろしきやのてんしゅ)

西陣に風呂敷屋を構えている老齢の男性。無愛想で気難しそうな顔をしているが、周囲からは単に照れ屋なだけではないかと考えられている。ちとせが京都に来て間もない頃、初めて出会った人間であり、ちとせが背負っている緑の風呂敷をあげた人物でもある。現在はちとせにたくさんの友達ができていることに安心している様子を、妻にだけ見せている。

大文字を見に来た老女 (だいもんじをみにきたろうじょ)

白髪のショートボブヘアに花のヘアピンをつけた老齢の女性。五山の送り火の日に京都を訪れており、かつて新婚旅行で夫と大文字を見た場所を探している際にちとせと出会った。ちとせと共に大文字が見える場所を歩き回り、新婚旅行の思い出を語っている。

歩くのが遅い男子小学生 (あるくのがおそいだんししょうがくせい)

小学1年生の男子。歩くのが遅いことを気にしており、集団登校で周囲からからかわれたりするため、小学校に通うのを嫌がっていた。しかし、集団登校にちとせが同行するようになってから、通学路を楽しむようになっている。

太秦 萌 (うずまさ もえ)

カメラ好きの少女で、肩までの髪をハーフアップにしている。いい写真を撮ることができず悩んでいたところ、ちとせと出会い、いい撮影スポットはないかと相談し、ちとせと共に京都市内を歩き回った。

小野 陵 (おの りょう)

眼鏡を掛けた男子大学生。時間や期限に厳格な人間になりたいと考えており、定刻を守る地下鉄を愛好している。友人との待ち合わせに向かう途中、風呂敷が飛ばされて泣いているちとせと出会い、遅刻覚悟で世話を焼いた。

柳の木の女幽霊 (やなぎのきのおんなゆうれい)

若い女性の幽霊で、祇園白川の橋のたもとにある柳の木に取り憑いている。江戸時代、継母にいじめられて自殺したといわれている。夜半にこの柳の近くを通ると柳の木の女幽霊が化けて出るといわれているが、この霊を避けて柳の葉を結べた場合、願いが叶うともいわれている。カキ氷の布団で眠りたいという願いを叶えるためにやって来たちとせの前に現れた。

ソロキャンパーの女性 (そろきゃんぱーのじょせい)

営業職を務める女性で、長い黒髪をうなじで一つにまとめている。仕事や上司との軋轢に疲れ、るり渓にあるグランピング場のGRAXでソロキャンプを行っていたところ、テントのクッションに埋もれていたちとせと出会った。

ハリウッド男優 (はりうっどだんゆう)

ハリウッドで有名な俳優の男性。肩までの金髪で、中性的な顔立ちをしている。観光名所を巡るのに飽き飽きしていたところ、ちとせと出会い、観光案内を頼んだ。ちとせのお勧めの場所がインコを見ながら風呂につかる銭湯だったりと、目新しく刺激的だったため、ちとせを非常に気に入っている。

タヌキ

狸谷山不動院に住んでいる子ダヌキ。いたずらばかりするため、群れの仲間から嫌われ、一人で暮らしている。畑を荒らして回っていたために人間からも嫌われていたが、ちとせが人間にかわいがられているのを目にし、ちとせのまねをすればかわいがってもらえるのではないかと考え、ちとせに化けていた。

書誌情報

おこしやす、ちとせちゃん 7巻 講談社〈ワイドKC〉

(2016-11-11発行、 978-4063930757)

第2巻

(2017-07-13発行、 978-4063378658)

第3巻

(2018-03-13発行、 978-4065111482)

第6巻

(2021-06-11発行、 978-4065237649)

第7巻

(2022-10-13発行、 978-4065295441)

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