あらすじ
第1巻
中学を卒業して高校に入る前の春休みのある日、一人でゴルフ場のショートコースを回っていた月影篝は、コース上で日向廻と出会う。廻の服装から外部から迷い込んでしまったと判断した篝は、廻をクラブハウスに送り届けるためにいっしょに行動することにした。コースを逆走して戻るのは危険なため、篝はプレーを再開する。篝のプレーする姿を見た廻はゴルフに興味を示し、そんな廻の様子を見た篝は廻にゴルフを教える。廻は初心者でありながらみごとなショットを放ち、ボールを打った時の爽快感や、飛んでいくボールに感動するのだった。その後、高校の入学式で篝と再会した廻は、休日に別のゴルフコースでいっしょにプレーしてゴルフにハマっていく。
第2巻
ゴルフを通じて天王寺都や水城雫と知り合った日向廻と月影篝は、いつもの距離が短い9ホールのショートコースではなく、18ホールで距離もショートコースより長い本コースを四人で回ることを目標に日々腕を磨いていた。そんな中、アルバイト代で自分のクラブを買った廻が、購入特典のクジ引きで四名まで参加できる沖縄ゴルフツアーを引き当てる。いきなり本コースでプレーできることとなった四人は、それぞれ準備をして沖縄へ向かう。そして沖縄滞在2日目、ついに本コースのティーグラウンドに立つのだった。
登場人物・キャラクター
日向 廻 (ひなた まわり)
高校進学で三重県の神島から関東圏に引っ越してきた少女。年齢は15歳。月影篝とは同じ学校に通っているが、クラスは別。物怖(ものお)じしない素直な性格で、誰ともすぐになかよくなれる。道に迷ってゴルフ場に入り込んでしまい、偶然出会った篝のプレーを見てゴルフに興味を抱く。篝に教わりながら初めて打ったボールが、高く遠くに飛んでいくのを見て気持ちの高ぶりを覚える。その後、篝といっしょにコースを回っているうちにゴルフにハマる。身長165センチの体格と、島を駆け巡っていたことで鍛えられた身体能力のおかげで、ヘッドスピードが速くて飛距離は出るが、パターは苦手。
月影 篝 (つきかげ かがり)
ゴルフ歴3年の女子高校生。年齢は15歳。同年代にゴルフをやっている知り合いがいないため、いつも一人でプレーしていたが、高校入学直前の春休みに日向廻と出会い、高校で再会したあとはいっしょにプレーするようになる。ゴルフ知識が豊富なため、初心者の廻に的確なアドバイスを送る。落ち着いた性格で感情を表現するのが苦手ながら、動物やカワイイものが好きといった年相応の一面を持つ。
天王寺 都 (てんのうじ みやこ)
ゴルフ歴5年の少女。年齢は12歳。素直で優しい性格をしている。実家は天王寺カントリー倶楽部を経営しているお嬢様。人見知りが激しくて初対面の人とはまともに話すことができず、いつも一人でプレーしている。海外にいる母親からもらって大切にしているボールを間違って森の中に打ってしまい、探しているところを日向廻と月影篝に声をかけられる。無事ボールを見つけられたあと、勇気を出してプレーに誘ったことで二人と友達となる。
水城 雫 (みずき しずく)
ゴルフ歴1年の女性。年齢は23歳。非常にネガティブな思考の持ち主で、何をするにも失敗することが前提となっている。天王寺カントリー倶楽部で行われたゴルフ練習会で日向廻、月影篝、天王寺都と同じ組になり、プレー後はゴルフ仲間になるまで打ち解ける。失敗しても気にせず励ましてくれる三人と付き合っていくうちに、少しずつポジティブな考え方をするようになる。