おんなのこ物語

おんなのこ物語

1978年頃の京都近郊が舞台。インディーズロックバンドステッカーのドラマー、 八角京介を中心に、バンドの解散までの確執と、八角が自分の進むべき道を見つけるまでの過程を描くバンド系音楽漫画。森脇真末味の代表作のひとつ。

正式名称
おんなのこ物語
ふりがな
おんなのこものがたり
作者
ジャンル
バンド
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概要・あらすじ

八角京介はインディーズロックバンドステッカーにドラマーとして参加していた。完成度の高い技術とハイセンスな音楽性で人気、評価とも高いバンドだったが、内情はリーダーである仲尾仁桑田の音楽に対する考え方の違いなどから崩壊寸前だった。八角はこの崩壊を押さえようと、自分を殺してまで仲尾の言葉に従うが、GIG(ライブ)で発生した事件によって、解散が決定してしまう。

居場所を失った八角は以前助っ人として参加したコミックバンド桃色軍団に加入し、そこで出会った尚子との恋やバンドメンバーとの交流などから、自分が本当にやりたいことを見つけ、独り立ちする。

登場人物・キャラクター

八角 京介 (やすみ きょうすけ)

17歳高校生。インディーズロックバンドステッカーのドラマー。仲尾仁にドラムを教えられ、ステッカーに参加。仲尾を慕っており、従順とも言えるほど。音楽の才能は仲尾を越すほどだが、本人は気づいていない。作中では有名校として名高い西高に通い、成績も優秀だが、音楽以外にあまり興味を持っておらず、学校はさぼりがち。 性格は優しく穏やかでお人好しだが、内面に複雑な思いを抱えており、時に暴力性を見せる。母が再婚した都合か、アパートで一人暮らしをしている。『緑茶夢』にも登場する。

尚子 (なおこ)

高校1年生。桃色軍団のファンクラブ会長だが、ファンというよりはサポートメンバーの色が強い。桃色軍団がライブを行うライブハウススタジオかえるのマスターの姪でもある。口が悪く、はねっかえりだが、前向きで明るい性格。後に八角京介の恋人となる。『緑茶夢』では主人公となっているが、設定が少々変更されている。

仲尾 仁 (なかお じん)

22歳大学生。インディーズロックバンドステッカーのリーダー。作曲、ボーカル、ギターを担当する。ワンマンで傲慢ながら、才能とカリスマ性のある魅力的な人物。何事も遊びだと捉えており、バンド活動も趣味の一環として行っているが、凝り性で完璧主義な面があるため、練習はかなり厳しい。 八角京介にドラムを教え、ステッカーに参加させる。ギターはレスポールを使用。裕福な家庭で育っているため、お金や物に対して無頓着な一面がある。大学生だが、講義にはほとんど出席していない。バイセクシャル。梶山弘は仲尾が評論などで執筆を行う場合のペンネーム。 小学校の校長の名前に由来する。『緑茶夢』他、『男は寡黙なバーテンダー』等にも登場している。

水野 礼二 (みずの れいじ)

18歳大学生。インディーズロックバンドステッカーのベーシスト。頭がよく器用で、大抵のことは人並み以上にこなす秀才タイプ。ステッカーの曲の作詞を担当することもある。八角京介と年齢が一番近いこともあり、仲が良い。物事に対して斜に構えた姿勢を取るものの、仲尾仁の言いなりになっている八角のことを気にかけるなど、面倒見のよい一面もある。 視力が0.08とかなり悪く、眼鏡をかけているが、ライブのさいは外す。『緑茶夢』にも登場する。

桑田 (くわた)

22歳。インディーズロックバンドステッカーのギタリスト。ロック雑誌への投稿を行っており、ギターをやるより執筆に気持ちが傾きつつある。音楽やロックという表現方法にに対して真面目に向き合っており、仲尾仁と対立している。また、仲尾とは小学校から中学までずっと同じ学校に通った幼なじみでもある。 の『緑茶夢』にも登場する。

大城 (だいじょう)

コミックバンド桃色軍団のリーダー。ボーカルとギターを担当する。おおらかで物怖じしない性格で、ステッカー解散後、ドラムから離れていた八角京介に再度スティックを握らせる。ギターとしては三流だが、声量があり、歌はうまい。関西弁で話す。『緑茶夢』にも登場する。

松浦 (まつうら)

コミックバンド桃色軍団、およびMR.Xのベーシスト。童顔で女ウケのいい容姿をしており、本人も女好きだが、本命は尚子。『緑茶夢』にも登場する。

金子 (かねこ)

ディスコの荷物番兼用心棒をしている。祖母が外国人で、黒髪に浅黒い肌、青い眼をしている。体が大きく厳つい雰囲気のため周囲から怖がられる事が多いが、面倒見は良い。ゲイ。仲尾仁とは体の付き合いがあり、取引として頼まれ事を引き受けることもある。『踊るリッツの夜』では主人公を務め、その他、『ブルームーン』関連の作品にも登場する。

章子 (あきこ)

仲尾仁の恋人の女性だが、仲尾の父の愛人でもある。仲尾が頭の上がらない数少ない人間のひとり。八角京介の作った曲を、ロック評論誌ドラッグへ送り、同誌が主催するGIG(ライブ)にステッカーが出場するきっかけをつくる。

飛田 (ひだ)

音楽の才能はあるが、素行が悪く、暴力を振るうこともある。八角京介の作った曲に嫉妬し、ステッカーのGIG(ライブ)を止めてしまう。後に、八角を力尽くで自分のバンドに引き入れようとするも失敗する。

小川 栄治 (おがわ えいじ)

インディーズロックバンドガンモールのギタリスト。好きにさせてくれることを条件に、1年前にガンモールに参加する。自分の腕には自信を持っている。容姿が良く、女性ファンも多い。口が悪く、一言多いため、トラブルになることも少なくない。八角京介の才能を認めており、自分と一緒にバンドをやるべきだと考えている。

集団・組織

ステッカー

『おんなのこ物語』に登場するインディーズロックバンド。メンバーはリーダーでボーカル兼ギターの仲尾仁、ギター桑野、ベース水野礼二ドラム八角京介。活動当初より完成度の高い技術、コンセプトで注目される。都会的とも言われる、ハイセンスな音楽性が評価される一方、くろうと受け、完成されすぎているとの批判もある。

桃色軍団 (ももいろぐんだん)

『おんなのこ物語』に登場するインディーズバンド。メンバーはリーダーでボーカル兼ギターの大城、ベース松浦、ドラム八角京介。カバー曲をメインとするコミックバンドながら、迫力ある大城の歌と八角のドラムで客を沸かせる。『緑茶夢』にも登場する。

ガンモール

『おんなのこ物語』に登場するインディーズバンド。メンバーはリーダーの権平純平(ジュン)、ギター小川栄治、ベース山下、マネージャー権平(純平の弟)。おしゃれで都会的な雰囲気作りのためか、テクノポップを思わせる衣装を着用している。人気はなかなか高く、EPを出し、完売するほど。 リズム隊の腕がなく、演奏は今ひとつ。八角京介をドラマーとして迎えたいと思い、大城を通じて声をかける。

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