『BECK』に続く新たな音楽ドラマ
本作は、ハロルド作石の代表作『BECK』と同じく、バンドをテーマにした音楽漫画。主人公は、小学生時代から理不尽ないじめに苦しんできた友平と、音楽に情熱を注ぐ同級生の眞太朗。まったく接点のなかった二人が、あるきっかけで音楽という共通の趣味を通じて出会い、バンドを結成する。当初は自信を持てず、周囲からも評価されなかった友平のギターの才能が、眞太朗とのライブ活動を重ねるうちに徐々に開花していく様子や、彼らを取り巻く仲間たちとの熱い友情が、青春ドラマや日常のコメディを交えながら描かれている。また、『BECK』と同様に、実在するバンド名や曲名が登場することで、物語に深みとリアリティが加わっている点も大きな魅力となっている。
ロックに目覚めた友平の挑戦
小学5年生の友平は、母親に連れられて初めてライブに行った際、その光景と音に衝撃を受け、ロックに目覚める。学校ではいじめに悩まされる日々を送っていたが、となりのクラスに転校してきた眞太朗と、ライブで観たバンドのステッカーをきっかけに意気投合する。二人は好きな音楽について語り合ううちに親友となるが、その幸せな時間は長く続かず、1年半後に眞太朗は再び転校してしまう。中学校に進学すると、友平へのいじめはさらに激しくなっていた。そんな絶望的な日々の中、叔父から国産ギターカワイの「ムーンサルト」を譲り受け、さらに眞太朗と再会したことを機に、友平はギターを弾き始める。眞太朗にギターを教わりながら腕を磨いた友平は、やがて彼とバンドを結成。商店街のイベントに出演するなど、本格的に音楽の世界へと踏み出していく。
反軽音部同盟から始まるバンド活動
紅林高校に進学した友平は、成績も運動も思うようにいかず、退学を考えるほど落ち込んでいた。そんな彼を見かねた友人たちの計らいで、軽音部から派生した「反軽音部同盟」に参加することになる。やがて同盟は、合同学園祭フェスへの出演が決定し、このフェスをきっかけに、別の高校に進学していた親友の眞太朗と再会を果たす。フェス当日、友平は個性的なドラマー、“カスミン”こと渡会香澄と出会う。さらに、スペシャルゲストとして登場した謎の男性、路地屋錦人からギターの才能を高く評価され、大きな自信を得る。フェス後、反軽音部同盟は軽音部と合併することが決まり、友平は正式に軽音部への加入を勧められる。しかし同時期に、香澄が所属する一樹学園の軽音部からもスカウトを受ける。
登場人物・キャラクター
新木 友平 (あらき ゆうへい)
とある中学校に通う男子。小学校5年生の時、母親に連れられて人気バンド「JUST KIDS」のライブを初めて体験し、ロックに目覚めた。小学校時代はいじめを受けていたが、となりのクラスに転入してきた眞太朗と出会い、音楽を通じて親しくなった。しかし、1年半後に眞太朗が転校したため、疎遠になってしまう。その後、中学生になって再会し、眞太朗の指導を受けながらギターにのめり込んでいく。ギターは叔父のマコから譲り受けたカワイの「ムーンサルト」を愛用している。やがて紅林高校へ進学し、一人孤独にギターの練習に励んでいる。
井畑 眞太朗 (いばた しんたろう)
小学校5年生の時、友平のとなりのクラスに転入してきた男子。成績優秀で、丸い眼鏡をかけている。愛称は「マタロー」。かつて「JUST KIDS」のライブで友平を見かけたことがあり、その後、彼がランドセルに付けていたバンドの限定ステッカーをきっかけに声をかけ、音楽の話題で意気投合した。1年半後に転校してしまうが、中学生になって友平と再会し、ギターの弾き方を教えることになる。中学校では軽音部に所属していたが、馴れ合いの雰囲気が苦手で、周囲から少し浮いた存在だった。やがて進学校の吉見高校に進学し、相変わらず完璧主義な性格から周囲と距離を置きつつも、軽音大会で個人賞を取るほどの活躍を見せている。







