概要・あらすじ
叶降ルビと叶降紅は仲の良い小学生の兄妹で、母親と3人暮らし。母は不治の病を患っているが、幼い紅に悟られまいと、いつも明るく振る舞っていた。紅は何かにつけて我慢ができない子供で、母のために買ったケーキを食べてしまったり、信号を待つのを嫌う性格だった。ある日の学校帰り、ルビと紅は真っ黒なレインコートを着た小さな少女に出会う。
少女はちぎれてしまったぬいぐるみの腕をもとに戻し、さらに小さな草花を一気に成長させてみせた。魔法使いの少女は、自らを神に近い存在だと言い、ルビたちの願いを叶えてやるという。ルビは迷い疑いながらも「お母さんを元気にしてください」と願いを述べる。それを聞いた魔法使いの少女の口は裂け、目は見開き、みるみる恐ろしい形相になった。
ふと気がつくと、ルビと紅は公園のベンチで横になっていた。いつの間にか寝てしまったらしい。家に帰ってみると、母親はすっかり元気になっていた。魔法使いの少女に願った通りになったのだ。喜ぶ兄妹だったが、すぐに体に異変が起きる。2人の背中がパックリ割れて、中から小さな子供が現れたのだ。子供は人間の姿をしているが、ミミックという人を喰らう化物だった。
母親を襲おうとするミミックを抱きかかえて制止するルビだったが、紅は欲望を抑えきれず母親を食べてしまう。放心するルビを置いて、紅は「もっと美味しいものを食べたい」と言い残して家を出て行く。しばらくして正気に返ったルビは、妹を取り戻すために旅に出るのであった。
登場人物・キャラクター
叶降 ルビ (かなふり るび)
小学生の男子。叶降紅という妹がいる。マリンキャップのような帽子と、ベスト、スカーフが特徴。魔法使いの少女に願いを言ったために、人を喰らうミミック・おタエさんの宿主となる。同じくミミックを背負った行方不明の妹を探す。自制心が強く、人を喰らおうとするおタエさんをなだめて、うまくコントロールしている。
叶降 紅 (かなふり べに)
小学生の少女。叶降ルビの妹。ロングヘアー。買ったケーキを家につく前に食べてしまうなど、我慢のできない女の子。兄であるルビのことを「お兄さま」と呼び、語尾に「~ですわ」とつけるお嬢様口調で話す。兄が大好きで、いつも手を繋いで一緒に歩いている。魔法使いの少女に願いを言ったために、人を喰らうミミックの宿主になる。 母親すら食べてしまうほど欲望に忠実。さらに美味しい人間を求めて行方不明になってしまう。
魔法使いの少女 (まほうつかいのしょうじょ)
真っ黒なレインコートに身を包む少女。ツインテールが特徴。公園の草花を一気に成長させたり、壊れたぬいぐるみを元通りにするといった魔法を使う。人の願い=欲望が大好物。叶降ルビと叶降紅の願いを叶える代わりに、2人に人を喰らうミミックを背負わせる。
おタエさん
おかっぱ頭で着物姿の少女。人を喰らうミミックという化物で、叶降ルビの背中から生まれ、ルビとは紐で繋がっている。会話はできず、「あう」などの言葉しか発することができない。食いしん坊でいつもお腹をすかせている。人間を喰らおうと凶暴化することがあるが、ルビに制止されるため、一度も人は食べていない。頭を撫でられると、落ち着いておとなしくなる。
上尾 アイ (あげお あい)
蜘蛛のようなミミックを背中に隠し持った女子大生。シュークリームが大好物だが、イケメンはもっと好き。イケメンを色香で誘ってはミミックで喰らう。ミミックの宿主でありながら、人を喰らわない叶降ルビや音無音子に反感を持っている。
音無 音子 (おとなし ねこ)
女子中学生。京ちゃんというミミックの宿主。猫耳のような癖がついた髪の毛とメガネが特徴。資産家の娘で大豪邸に住む。根暗でコミュ障のため、いつもひとりぼっち。友達が欲しいと願ったら、ミミックである京ちゃんの宿主になったという。「豚豚相撲」のとんこつラーメンが大好物。
京ちゃん (きょうちゃん)
猫耳とロングヘアーが特徴の少女。音無音子と紐で繋がったミミック。「みゃー」あるいは「み゛ゃー」などと猫のように鳴く。音子にとっての初めての友達であり、心の支えとなっている。人を喰らった経験はない。
その他キーワード
ミミック
人を喰らう化物。普段は人間と同じような姿をしている。宿主と紐状のもので繋がっていて、外にいるのが普通だが、上尾アイのように背中に収納している場合もある。叶降ルビの場合は、魔法使いの少女に願いを叶えてもらった代わりに、ミミックの宿主になった。
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