概要・あらすじ
時は戦国、群雄割拠の時代。一清が千沙を奪い返したことにより、加賀の国と安住の国の対立は決定的なものとなった。これに伴い一清は、近いうちに起こるであろう大きな戦に備えて準備を開始する。そのかいあって、一清は攻め込んできた安住軍を水場におびき寄せ、水門からの鉄砲水で半壊させることに成功する。こうして戦は加賀の国の勝利に終わるが、この作戦で囮として使われた大谷源十郎は反発し、加賀の国を出ることを決意。
また、自害しようとした敵軍の将である峯月を助けようとしたふえは、加賀の国に捕らえられてしまう。それから数か月。復讐に燃える峯月は、再び加賀の国への侵攻を開始する。
登場人物・キャラクター
千沙 (ちさ)
安住の国から加賀の国の一清のもとへ嫁入りしたお姫さま。基本的に能天気な性格だが、ちょっとしたことですぐに泣いてしまう。喜怒哀楽が豊かで、周囲の人たちを脱力させながらも笑顔にしてしまう魅力がある。お腹に赤ちゃんがいる。
一清 (いちきよ)
加賀の国の領主で、千沙の夫。基本的に温厚で優しい人物だが、加賀の国を守るためなら手段を選ばない覚悟がある。千沙のことをとても大切に想っている。責任感が強く、自分を追い込んでしまうところがある。
ふえ
加賀家に仕える間者の女性。髪の長い美人だが、冷静でサバサバした男っぽい性格。間者として非常に優秀なだけでなく、面倒見の良い一面もある。かつて密かに想い合っていた一和を敵である峯月に重ねてしまい、殺すのをためらう気持ちが生じている。
峯月 (ほうげつ)
安住の国に仕える家臣の息子。頭が良く行動力もあるが、弱視のせいで出家させられた過去を持つ。そのため、いつも袈裟を着ている。プライドは人一倍高く、安住の国の領主から認められたいという野心を捨てていない。出家する前の名前は「峯也」。千沙とも面識がある。安住の国の軍を率いる大将を任される。
泉丸 (せんまる)
峯月に仕える男性。目が細く、いつも笑っているように見えるので相手に警戒心を持たれにくい。目端の利いた有能な人物だが、調子に乗りやすいという悪癖があり、守銭奴の一面も持つ。
大谷 源十郎 (おおや げんじゅうろう)
かつて情報屋として諸国を渡り歩いていた男性。現在は加賀の国に仕えている。情報収集能力に優れ頭の回転が速く、度胸もあり、一清らに頼りにされている。安住の国との戦において加賀の国を優勢に導くため、昔の人脈を使って人材を集める。
かえこ
千沙に仕えている侍女で、安住の国から嫁ぐ千沙についてきた。きえことは双子で顔がそっくりなので、髪形を変えている。後ろで1つにくくっているのが特徴。千沙の行く末を心から心配しており、もはや身内の感覚。千沙の成長に涙を流すほど。
きえこ
千沙に仕えている侍女で、安住の国から嫁ぐ千沙についてきた。かえことは双子で顔がそっくりなので、髪形を変えている。前で2つにくくっているのが特徴。優しくて大らかな性格だが、意外と鋭いツッコミを見せる時もある。
克乃 (かつの)
加賀の国に仕えている年配の女性。千沙に代わり、奥向きのこと全般を取り仕切っている。言いたいことは遠慮なくハッキリと口に出す性格で、8人の子供を生んだ肝っ玉母さん。
下条 浩美 (しもじょう ひろよし)
下条家の領主の男性。幼い頃は人質として、養子の名目で安住の国の領主のもとにいたため、千沙とは幼なじみの仲。同じく各国から人質として集められた養子たちに苛められ、卑屈な性格になった。子供の頃から千沙のことが好きだったが、今はかえこのことが気になっている。
お香の方 (おこうのかた)
下条浩美の母親。出家して仏門に入っているが、浩美がもっとも頼りにしている女性。頭が良く、物事を先まで見通すことができる。アイデアも豊富で、浩美に頼まれて加賀の国を助ける方法を考えついた。
保 (やす)
大谷源十郎の昔の仲間だった男性で、現在は下条家に仕えている。身体が大きいが気は弱く、能天気な性格で頭もあまりよくない。峯月が率いる安住の国との戦いにおいて討ち死にする。
安住の領主 (あずみのりょうしゅ)
安住の国の領主で、千沙の父親。計略に長けた残酷な性格だが、妻には弱く、娘には甘いところがある。加賀の国を乗っ取って自分のものにしたいという野心を持っているが、一清のことは気に入っている。峯月の精神的な弱さを知りながらも、安住の国の軍勢を任せた。
千絵 (ちえ)
安住の領主の妻であり、千沙の母親。夫の性格をよく理解し、信頼もしている。美人だが食えない性格で、調子に乗った夫を笑顔でやりこめることができるのはこの人だけ。身重の千沙を心配している。賭けごとが好き。
一和 (いちかず)
一清の亡くなった兄。すでに故人で、ふえのことが好きだったが、想いを遂げられないまま加賀の国に侵略してきた男に殺された。いつも温厚でにこにこしており、めったに怒らない。慎重で粘り強い性格のため、気が弱いと誤解されることもあった。