新・仮面の忍者赤影

新・仮面の忍者赤影

天下統一を目指す織田信長勢力と、それに対抗する一向宗一派が激烈な戦闘を繰り広げていた戦国時代。邪教集団を隠れ蓑にして織田軍勢を倒そうと目論む甲賀忍群と、これに対抗する仮面の忍者、赤影をリーダーとする飛騨忍者軍団との激闘を描く忍者アクション。横山光輝の漫画『仮面の忍者 赤影』のセルフリメイク作品だが、青影が女言葉を話す女形忍者になっているなど、キャラクター設定が一部変更されている。「週刊少年チャンピオン」に連載された作品で、1987年にはTVアニメ化され、日本テレビ系列の全国21局ネットで放送された。

正式名称
新・仮面の忍者赤影
ふりがな
しん かめんのにんじゃあかかげ
作者
ジャンル
侍・忍者
関連商品
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あらすじ

第1巻

日本各地の大名達が領土拡張の戦さを繰り広げ、各地で武士と一向宗との戦いが続く戦国時代。木曽山脈の秘境に潜む謎の宗教組織、金目教一派は、甲賀幻妖斎が率いる甲賀忍群にあやつられ、一向宗の信者らを煽動して織田信長の軍勢に戦いを挑んでいた。一方、織田勢もその動きを察知して、金目教の信者を装った忍者を本山に潜入させるが、誰一人として戻る事はなかった。そこで、木下藤吉郎秀吉の軍師、竹中半兵衛は飛騨地方の忍者軍団、影一族に白羽の矢を立てる。そして、影一族の青年忍者、赤垣源之助は、彼の育ての親でもある影一族の頭領から一族の首領の印である赤い仮面を譲り受け、「仮面の忍者、赤影」となって甲賀忍群に最初で最後の戦いを挑む。(エピソード「謎の金目教」)

赤影は、白影青影という二人の影一族の忍者を呼び寄せ、金目教の本山がある木曽山脈に潜入して調査する事を命じる。女装した青影は道中で山賊に襲われるが、苦もなく撃退する。その様子を見ていた甲賀忍群の蜘蛛の長七郎は、青影に補術を仕掛けるが、青影はこれをうまくかわして難を逃れる。(エピソード「影一族」)

青影が発した狼煙の合図を見た赤影は、木曽山中に向かう。その途中で赤影は数名の甲賀忍群一味に襲われるが、戦闘の末に彼らを撃退する。強敵の出現を知った幻妖斎は、影一族との命がけの戦いを決意する。(エピソード「甲賀忍軍」)

闇夜の山中で、横笛を吹いて大蛇をあやつる甲賀忍群の忍者、おろち丸が赤影と青影の前に現れる。大蛇に襲われた二人は辺りに火を放つが、火の海も難なくぐり抜けた大蛇に飲み込まれそうになる。しかしその時、夜空に白影が乗った大凧が現れ、赤影と青影は凧の綱をつかんで間一髪で空中に逃れる。(エピソード「おろち丸」)

青影や白影らと共に金目教の本山を探る赤影は、しばしの休息時に眼前に広がる山中の景色を眺める。そして、子供時代に育った村の風景を重ね合わせ、自身の過去に思いを巡らせる。農民一家に生れた赤影は、子供の頃に戦時の雑兵に両親を殺され、影一族の頭領に拾われて育てられたという過去があった。そして赤影は、未だに戦乱が続き、孤児を生み続けるこの世を嘆く。その時、甲賀忍群の忍者、朧一貫が赤影を襲う。朧一貫は、樹木にまぎれて正体をくらますナナフシの術で赤影を惑わすが、赤影はこの術を見破り、朧一貫を捕縛する。(エピソード「ナナフシ」)

赤影は、捕らえた朧一貫から金目教の本山の位置を白状させるために、青影に命じて朧一貫に催眠術をかけさせる。ところが青影は朧一貫の逆催眠術にかかってしまい、朧一貫の思うままとなった青影は赤影を襲う。赤影は青影をみね打ちを当てて気絶させ、逃げた朧一貫を追い駆ける。(エピソード「逆催眠」)

朧一貫は、再びナナフシの術を使って赤影を背後から襲うが、返り討ちに遭う。しかし、朧一貫が死んでも青影にかかった催眠術は解けず、仕方なく赤影は青影を捕縛する。そして白影は夜空に大凧を飛ばし空中から偵察し、ついに金目教の本山を発見する。(エピソード「敵地潜入」)

白影は農民に変装して、金目教の本山である山中の洞穴に入る。ところが甲賀忍群に見つかって奮闘むなしく捕縛され、大巨人の忍者、岩鉄によってあばら骨を折られてしまう。そして斬られても突かれても死なない特異体質の忍者、不死身の甚内は、金目教信者の村人に命じて信長を討つために、尾張領に向かわせる。(エピソード「白影の危機」)

敵に捕まった白影を救うため、赤影は敵陣に向い、おとりのイノシシを走らせて、敵がひるんだスキを突いて森に火を放つ。そしてまずは蜘蛛の長七郎と対峙する。(エピソード「救出作戦」)

第2巻

赤影分身の術を用いて、補術を繰り出す蜘蛛の長七郎を倒す。そして赤影は蜘蛛の長七郎に変装して白影を救出し、岩鉄をうまく欺いて彼の怪力で通り道を作らせ、森林を抜け出す。(エピソード「分身の術」)

森の焼け跡から蜘蛛の長七郎の焼死体を発見した甲賀忍群一味は、赤影の策略に気付いて復讐の炎を激しく燃やす。一方赤影は、まだ逆催眠術から醒めない青影を白影に託し、単身で金目教の本山に向かう。その途上で赤影は、村人が誰もいない不審な無人の村を見つける。(エピソード「無人の村」)

赤影は、無人の村で甲賀忍群の忍者、火走りの弥兵衛に襲われる。弥兵衛の火術によって周りを業火で囲まれた赤影だったが、危機一髪で逃げ道を探し出し、火の海からの脱出に成功する。その頃、森の大木の枝の上に身を隠していた青影と白影に、大蛇が迫り来る。(エピソード「火走りの弥兵衛」)

間一髪のところで、大蛇はおろち丸の吹く笛の音にきびすを返し立ち去り、青影と白影は難を逃れる。そして翌朝、赤影が戻り、三人は村外れの祠に移動する。この時期、甲斐の国で武田信玄に謁見した甲賀幻妖斎は、信玄の余命が長くない事を感じ取り、信玄に織田信長討ちの出陣をうながす。幻妖斎には、信玄の死後に武田軍団をあやつり、影の天下人になるという野望があった。その頃、木曽山中では赤影がおろち丸と大蛇の動向を監視していた。(エピソード「幻妖斎の野心」)

赤影は大蛇に気づかれるが、池に潜って難を逃れる。その頃、ようやく青影の催眠術が解ける。赤影は大蛇をあやつるおろち丸の横笛を奪う作戦を考える。一方、幻妖斎は甲賀忍群の女忍者、山吹に命じて赤影そっくりに変装させ、青影と白影を欺いて倒すという策略を謀る。(エピソード「解けた催眠術」)

青影は巨大なコウモリ型の南蛮凧をあやつって夜空を飛び、隠れ家にいたおろち丸をおびき寄せ、彼を大蛇と引き離す事に成功する。(エピソード「南蛮凧」)

おびき寄せられたおろち丸は、赤影、および青影と戦い命を落とす。そして大蛇をあやつる横笛を手に入れた赤影は、洞穴にある大蛇の巣に向かう。一方、精鋭を三人も殺された幻妖斎は激怒し、残った手下達に赤影らの捜索を命じる。(エピソード「おろち丸の死」)

大蛇の巣に近づいた赤影を援護するために、白影は青影と共に大凧に乗って空に舞い上がる。しかし、それに気づいた岩鉄に大凧を支える綱を切られてしまい、白影は地上で岩鉄と対決する事となる。(エピソード「大凧と大蛇」)

白影は岩鉄を池までおびき寄せ、岩鉄を池の底に沈めて溺死させる事に成功する。そこに赤影に変装した山吹が現れ、白影と青影を罠にかけようとするが、青影がその正体を見抜き、山吹を捕縛する。(エピソード「白影と岩鉄」)

隠れ家に急ぐ白影と青影の前に大蛇が現れるが、赤影が吹く笛の音によって危機を回避する。赤影ら三人は笛を吹き、大蛇にまたがって金目教の本山を目指す。その途上で、再び火走りの弥兵衛が火術を用いて襲い来る。(エピソード「影一族の反撃」)

第3巻

大蛇に乗った赤影は、火走りの弥兵衛火術によって窮地に陥るが、機転を利かせて敵の背後に廻り込み、分身の術を用いて弥兵衛に瀕死の重傷を負わせる。そして赤影は再び大蛇にまたがって笛を吹きながら、金目教の本山へと急ぐのだった。(エピソード「火中突破」)

金目教の本山に近付いた赤影は、待ち伏せていた甲賀忍群に襲われるが、そこに青影が現れて赤影の窮地を救う活躍を見せる。しかしその時、甲賀幻妖斎が立ちふさがり、幻術を用いて青影を襲う。そこに白影が現れ、煙の霧を使って青影を救い出す。そしてようやく本山を目前にした赤影だったが、またしても甲賀忍群から大蛇ごと弓矢の攻撃を受ける。(エピソード「金色の目」)

弓矢攻撃に激怒した大蛇は、甲賀忍群に反撃し彼らを一網打尽にする。地中に身を隠していた赤影は笛を吹いて大蛇を呼び戻そうとするが、そこに現れた山吹に笛をうばわれてしまう。笛を持って逃げる山吹を追う赤影は、分身の術みだれ髪を使って山吹を捕縛するが、山吹は笛を崖下に落としてしまう。(エピソード「うばわれた笛」)

赤影は、山吹を縛っていた縄をほどいて彼女を自由にする。そして、影一族が織田信長に味方する真意を語る。それを聞いた山吹も、孤児だった自身の身上と、非道な野心家の幻妖斎に利用されているだけという自身の苦悩を吐露する。そして山吹は、生き残った甲賀忍群の精鋭忍者達の特徴を赤影に明かす。一方、幻妖斎は伊勢長島で諜報活動をしていた幻術の使い手、霞丸を呼び寄せ、金目教本山の金目像が黄金製であり、天下統一後の軍資金となる事を明かし、赤影ら影一族の壊滅を霞丸に命ずる。そしてその夜、赤影は霞丸と対峙する。(エピソード「かげろう霞丸」)

霞丸は自身の身体のサイズを自在に変化させる幻術を用いて、赤影を窮地に陥れる。しかし、赤影は分身化した霞丸の居場所を見破り、手裏剣を投じて攻勢に出る。(エピソード「幻術と分身の術」)

幻術の弱点を突かれた霞丸は一旦隠れ家に逃れる。その時、彼らを内偵していた白影が甲賀忍群に見つかり、取り囲まれる。そして白影は不死身の甚内に抱き締められ、手裏剣の雨を浴びてしまう。(エピソード「白影の危機」)

傷を負って逃げる白影を、霞丸と火走りの弥兵衛が追い駆ける。そこに赤影が現れ、包帯姿の弥兵衛と対峙する。復讐に燃える弥兵衛は赤影に一対一の決闘を挑むが、赤影の剣で右足を切断されてしまう。白影が崖下から拾い上げていた横笛を手にした赤影は、単身で金目教の本山目指して走る。一方、隠れ家での幻妖斎率いる甲賀忍群は、影一族壊滅に向けて本山に向かう準備をするが、その時彼らの耳には、赤影が吹く笛の音が聞こえてきた。(エピソード「弥兵衛の自尊心」)

甲賀忍群が一斉に赤影を追っている間に、弥兵衛は仲間におぶさり、火薬を持って金目教の本山に向かう。赤影に迫る敵を倒そうと白影が現れるが、白影は霞丸の幻術にかかり、窮地に陥る。赤影は危機一髪で白影を救い、大蛇を呼び寄せる笛を吹き続ける。(エピソード「大蛇を呼ぶ」)

赤影と白影は甲賀忍群に取り囲まれピンチとなるが、その時ようやく大蛇が現れて敵を蹴散らし、二人は大蛇と共に金目教の本山へと急ぐ。甲賀忍群は本山近くの崖の上で待ち伏せし、赤影達めがけて岩を落とす。間一髪で岩をよけた赤影達は、忍者松明を焚いて煙の霧を出し、目くらましとする。(エピソード「本山にせまる」)

金目教の本山がある洞穴の入り口では、赤影達もろとも本山を爆薬で爆破し、彼らを生き埋めにする事を弥兵衛が幻妖斎に進言する。黄金の金目像を埋もれさせたくない幻妖斎だったが、結局本山の爆破を容認する。本山の洞窟に入った赤影達は、金目像の実態に気付く。とその時、大爆破が起こり、その衝撃で崩れた岩で洞穴は埋まってしまう。さらにこの大爆発によって辺り一帯の地殻が変動し、大きな地すべりが起きる。赤影達は洞穴に閉じ込められるが、大蛇が岩を押しのけて通路を作り、全員脱出に成功する。洞窟の外には、地すべりで落ちてきた岩によって命を落とした甲賀忍群の死体が、累々と横たわっていた。赤影は横笛を折って投げ捨て、大蛇を自然に還す。 こうして影一族と甲賀忍群との死闘は終わりを告げる。(エピソード「埋もれた金目像」)

登場人物・キャラクター

赤影 (あかかげ)

影一族の首領を務める青年忍者。平凡な農民の子として生まれたが、戦さによって幼い頃に両親を亡くした。その後、影一族の頭領の養子となり、表向きは「赤垣源之助」と名乗って、忍者修行を積んできた。成人したのち、養父から影一族の首領の印である赤い仮面を譲り受け、「仮面の忍者、赤影」となる。多くの忍術を駆使して敵と戦う。

青影 (あおかげ)

影一族の一員で、赤影に仕える少年忍者。女形忍者としての訓練を受けており、腰元に変装して城の中を探る事が本来の役目。女言葉で愚痴ばかり言っている、一見ひ弱そうな少年だが、催眠術や南蛮凧の使い手で、剣術や杖術にも長けている。

白影 (しろかげ)

影一族の一員で、赤影に仕える青年忍者。大柄で屈強な身体をした優秀な忍者で、二人が乗れる大凧をあやつる事ができる。胴体には鎧を着込んでおり、普段は山伏の扮装をしている。水中では着物の糸を解いて細い布とし、敵の身体に絡みつかせて溺死させるという技を使う。

影一族の頭領 (かげいちぞくのとうりょう)

影一族の首領を務める男性忍者。長い白髪と白髭を生やした老人。幼い頃に孤児となった赤影を引き取り、影一族の忍者として修行させた赤影の育ての親。一族に伝わる赤い仮面を赤影に譲り渡し、頭領の座を継承させる。

田助 (たすけ)

忍者の男性。織田信長勢に雇われ、金目教の動向を探る目的で、里見村の農民を装って金目教の本山に潜入していた。不死身の甚内に正体を見破られて岩鉄に捕まり、殺害される。

甲賀 幻妖斎 (こうが げんようさい)

甲賀忍群の頭目を務める男性。長髪に隻眼で、村人の前では山伏の恰好をした金目教の教祖になりすましている。眼帯を外すと金色の義眼が光り、それを見た敵を幻惑するという「幻術」の使い手。武田信玄の配下だが、実際は自分が影の天下人となるという野望を胸に秘めている。

竹中 半兵衛 (たけなか はんべえ)

木下藤吉郎秀吉に仕える軍師の男性。織田信長の天下統一を実現するために、秀吉からの命を受け、不穏な動きをしている金目教の調査を影一族の頭領に依頼する。実在の人物、竹中半兵衛がモデル。

不死身の甚内 (ふじみのじんない)

甲賀忍群の男性忍者。禿頭で腹が突き出たずんぐり体型の中年。これといった特技はないが、剣で斬られても槍で突かれても死なない、という特異体質の持ち主。相打ちで相手を倒す事を最大の秘術としている。

岩鉄 (がんてつ)

甲賀忍群の男性忍者。身長、体重共に普通の大人の2倍以上もある桁違いの大男で、人間を片手でひねり潰すほどの怪力の持ち主。全身に鎧をまとっており、剣や槍にも平気だが、水の中には入れないのが最大の弱点。

おろち丸 (おろちまる)

甲賀忍群の忍者。横笛を吹いて思いのままに大蛇をあやつる、という独特の忍術を持った男性。大蛇にまたがって移動する。食欲旺盛な大蛇の餌にするために、うさぎや猿を捕まえる事を日課としている。

大蛇 (だいじゃ)

おろち丸が横笛を吹いてあやつる巨大な蛇。剣も弓矢も刃が立たず、火の中でも平然と樹木をなぎ倒して突き進むという無敵の怪物。生きたうさぎや猿を餌としてぺろりと平らげる大食漢でもある。

朧一貫 (おぼろいっかん)

甲賀忍群の男性忍者。やせた体格で、樹木に擬態して姿をくらます「ナナフシの術」を駆使して戦う。催眠術をかけられたふりをして、逆に相手に催眠術をかける「逆催眠の術」も得意としている。

蜘蛛の長七郎 (くものちょうしちろう)

甲賀忍群の男性忍者。蜘蛛の糸のように細く長くて丈夫な糸をあやつり、敵を絡め取ってしまうという「捕縛の術」の使い手。クールな性格で、美しい長髪をなびかせて華麗に戦う。

火走りの弥兵衛 (ひばしりのやへえ)

甲賀忍群の男性忍者。頭は禿げ上がり、顔半分には火傷の痕が残る、不気味な雰囲気の持ち主。何種類もの火薬を用いる「火術」の使い手。

武田 信玄 (たけだ しんげん)

甲斐国の守護大名。宿敵の上杉謙信と並んで戦国大名としてその名を馳せた武将。天下統一を目指しており、甲賀幻妖斎に命じて、織田信長打倒の策略を講じている。労咳(結核)に罹患している。実在の人物、武田信玄がモデル。

山吹 (やまぶき)

甲賀忍群の女性忍者。変装を得意としており、赤影に化けて青影と白影を罠にはめようとする。孤児から忍者になったという経歴が赤影と同じだった事から、敵である赤影に好意を寄せるようになる美しいくノ一。

かげろう霞丸 (かげろうかすみまる)

甲賀忍群の男性忍者。さまざまな「幻術」の使い手で、自分の身体のサイズを自在に変えて敵を惑わす。また、長髪を伸ばして敵の身体をからめ捕る術も使う。仲間の失敗を皮肉る言葉を吐くなど、ニヒルな性格の持ち主。

集団・組織

金目教 (きんめきょう)

戦国時代の宗教団体。山伏姿をした甲賀幻妖斎を教祖として崇める。実態は甲賀忍群の思いのままに信者を動かすための集団で、木曽山脈にある洞窟を本山とし、ご神体の金目像は黄金で作られており、幻妖斎が謀る天下統一後の秘密の軍資金となっている。

一向宗 (いっこうしゅう)

江戸時代における浄土真宗本願寺派の別称。鎌倉時代の僧侶、一向俊聖を開祖とする仏教の一派で、戦国時代には僧侶を筆頭に農工商各層の民が結集し、自治を求めて各地で一揆を起こす。その勢力拡大を恐れた織田信長に熾烈な弾圧を受けた。

影一族 (かげいちぞく)

飛騨地方を拠点とする忍者軍団。飛騨山中が本拠地で、巨大な凧を用いて闇夜にまぎれた諜報活動を主体とし、影を使った忍術を得意とする。織田信長の配下に属し、100年以上続く乱世を信長の天下統一によって終結させる事を目標に、敵対する甲賀忍群と対決する。

甲賀忍群 (こうがにんぐん)

木曽山中を拠点とする甲賀忍者軍団の一派。「霞谷衆」とも称される。武田信玄の配下に属し、頭目は金目教の教祖を兼ねる甲賀幻妖斎。得意体質の人物やさまざまな忍術を使う精鋭の忍者達を揃えた強力な忍者軍団。一向宗を利用して織田信長を倒す事で天下統一を成し遂げるため、影一族と対決する。

その他キーワード

ナナフシの術 (ななふしのじゅつ)

朧一貫が用いる忍術。樹皮にそっくりな布をまとい、樹木に紛れて敵を襲うという術。小枝に擬態して捕食を免れる習性がある昆虫ナナフシが、命名の由来となっている。

逆催眠の術 (ぎゃくさいみんのじゅつ)

朧一貫が用いる忍術。催眠術にかけられているふりをして、実は術をかけているはずの相手に対し、逆に催眠術をかけてしまうという術。柏手を2回叩くまで術が解けない仕掛けとなっている。

分身の術 (ぶんしんのじゅつ)

赤影が得意とする忍術。自分の全身像を何重にも出現させる事で敵を混乱させ、敵が虚像を相手にしているスキに、本人は敵の「影」に紛れて近づいて敵を討ち取る。影一族に古くから伝承されてきた秘技で、一族の名称の由来ともなっている。

火術 (かじゅつ)

火走りの弥兵衛が用いる忍術。自分は予め用意しておいた秘密の逃げ道に隠れておき、敵の周りを火の海にして焼死させる。状況に応じて何種類もの火薬を使い分け、大規模な施設などには爆薬を使って大爆発を起こす事も可能。

補術 (ほじゅつ)

蜘蛛の長七郎が用いる忍術。蜘蛛の糸のような何本もの丈夫な細い糸を敵の身体に絡めて敵を捕縛する。一度かかった者は誰も脱出できない、と長七郎は豪語している。

幻術 (げんじゅつ)

霞丸と甲賀幻妖斎が用いる忍術。どちらも、幻覚を見せて相手をを撹乱し、敵がひるんだスキに倒すという技。霞丸は自身の身体のサイズを自在に変化させたり、長髪を伸ばして敵の身体を捕縛する。幻妖斎は眼帯を外し、輝く金色の眼を見せて敵を幻惑させる。

煙の霧 (けむりのきり)

赤影が用いる忍術。影一族をはじめとする飛騨忍者に伝承される術。忍者松明を使い、辺り一帯に濃霧を発生させて姿をくらまし、ひるんだ敵を攻撃する。

みだれ髪 (みだれがみ)

赤影が用いる飛騨忍法。指先から無数の長い髪の毛を出して敵の身体に巻き付け、動けなくして捕縛するという術。

忍者松明 (にんじゃたいまつ)

影一族が使う独自の松明。火を灯けても炎は出ずに、霧のような煙だけが出る仕掛けが施されている。これを用いると、辺り一帯は濃霧で覆われたようになり、敵は一寸先も見えなくなってしまう。

大凧 (おおだこ)

白影が使いこなす巨大な凧。大人二人が同時に乗ってもびくともしない頑丈な構造をしている。スペインの宣教師から入手したレオナルド・ダヴィンチ作の図面を参考に作られており、緊急時には落下傘に変化する仕掛けとなっている。

南蛮凧 (なんばんだこ)

青影が使いこなす大きな黒いコウモリ型の凧。現代のハンググライダーに似た構造をしており、骨組みは竹製で折りたたみ式となっている。闇夜にまぎれて偵察活動する際に最適な忍者アイテム。

金目像 (きんめぞう)

金目教の本山に置かれている巨大な彫像。背中には羽があり、頭には野牛のような角が生え、金色の眼で鬼のような顔をしている。侵入者が近づくと、右手に持った太刀を振り下ろすからくり仕掛けがある。内部は黄金でできている。

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