からん

京都の名門お嬢様高校が舞台の女子柔道漫画。柔道経験者の高瀬雅と、初心者だが特別な才能を有する九条京の運命的な出会いを軸にして、驚異的なスピードで成長していく京を、合理的なスポーツ理論を持った雅が見守りつつ、一癖も二癖もあるその周囲の人間模様や、歴史ある京都の町並の姿が描かれていく。

正式名称
からん
作者
ジャンル
柔道
レーベル
アフタヌーンKC(講談社)
巻数
全7巻
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概要・あらすじ

中学時代、女子柔道で京都府2位の成績を残した高瀬雅は、名門お嬢様高校・私立望月女学院に外部入学する。高校進学後も、超高校級の柔道選手・大石恵がいる柔道部に入部。クラブ見学に付き添った3人のクラスメイトも共に部員となるが、その中でも柔道の魅力に強く惹かれていた九条京は、初心者ながら身体能力とメンタル共に特別な才能を有しており、の興味を引くことになる。

名門高校ゆえの対立や軋轢を抱えた学院の中で、は持ち前の性格と能力で柔道部の人間関係を改善しようとしつつ、恵から得られる柔道の技術を味わい、ときには先輩らと対立しながら、部員全員の信頼を勝ち得ていく。急速に柔道の才能を開花させようとする京の成長スピードにも驚かされる一方、生徒たちがそれぞれ抱える家庭の事情や個人的な問題も次第に判明していく。

その上では、自分の腕が届く範囲では誰一人理不尽な目には遭わせないと柔道部の友達たちに誓う。

登場人物・キャラクター

高瀬 雅 (たかせ みやび)

私立望月女学院に入学する、15歳の少女。醍醐北中学出身。クラスは1年・葵組に所属し、九条京と隣の席になる。出身校の部活は柔道部で、柔道初段、44kg以下級で京都府2位の成績を持つ。進学後も柔道部に入部する。快活な性格で面倒見がよく、合理的に周囲の問題を解決しようとするタイプ。 しかし人を食ったような言動を好み、目上の人間にも堂々と意見したり、進んで嫌われ者を演じたりと、「目的とかのために自分をすごく粗末にする」と後輩の成沢成子から指摘されている。まるで自分を他人事のように捉える思考の持ち主。クラス担任の小浜道子からは、若い頃の高瀬螢生(雅の親戚で、学院理事長)に見た目もやる事もそっくりだと評されている。 ただし、螢生よりも大物かもしくは普通の人間かのどちらかだと後々訂正されることも。身長162cm。

九条 京 (くじょう みやこ)

私立望月女学院に入学する、15歳の少女。御陵中学出身。高瀬雅がその声を初めて聞いた時から、「蝉の鳴き声がする夏の風景」を幾度も幻視することになる、運命的な相手。入学後、クラスは1年・葵組で、雅と隣の席になる。雅に誘われて柔道部を見学し、自分も柔道をやってみたいと感じるようになる。 かなり小柄で武道も素人だが、運動能力は非常に高く、観察力や集中力も優れている。ただし負けず嫌いな性質でもあり、危険に物怖じしない反面、集中すると周りが見えなくなるタイプ。雅は京に柔道の才能と、その特別さゆえの危険性を同時に感じ取り、注意深く見守るようになる。なお、渡部君代という師匠から渡部流の京舞を習っており、舞妓として「雛菊」という名も持つ。 身長138cm。

高瀬 螢生 (たかせ けいき)

一見して優しそうな笑顔をたたえた、白髪でぽっちゃりした体型の女性。和菓子好き。私立望月女学院の理事長を務める。学院OGであり、教師として教鞭を執っていた時期もあるらしい。なお、主人公の高瀬雅は螢生の姪である。自分と親戚であることが周囲にバレると退学になる、と雅に釘を差しており、校舎内では理事長室を使ってこっそりと面会している。 雅のクラスの担任・小浜道子が螢生の性格を指していわく、「策略好き」の「人材マニア」。大石萌と九条京を特待生として学院に招いたのも螢生であった。ちなみに道子とは学生時代に先輩後輩の関係であり、現在も理事長室でよく一緒に話をしている。

大石 萌 (おおいし めぐみ)

京都府にある私立望月女学院の3年生で、柔道部の主将(キャプテン)。京都人ではなく、大阪府の今池中学から越境入学してきた、学院唯一のスポーツ特待生。関西でもトップレベルの道場に通う、超高校級の実力者であり、今年の全国大会優勝候補。高瀬雅に「担ぎ技の専門家(スペシャリスト)」と呼ばれ、袖釣り込み腰を得意技とする。 柔道経験は中学からで、それ以前は空手もやっていた。言葉遣いは粗暴で、一人称は「わし」。学院の問題児と噂されているが、柔道部副主将の吉見百によると、以前の萌はもっと荒れていて、現在はだいぶマシになった方だという。上級生に対しても挑発的な雅を生意気扱いする一方、雅が努力して得た柔道の強さや、その根性は認めている。 身長157cm。

吉見 百 (よしみ もも)

私立望月女学院の3年生で、柔道部の副主将。はんなりとした美人で、主将の大石萌に対する世話女房的な存在。京摂電鉄グループの総帥を祖父に持ち、父親は京摂百貨店の社長・吉見丈雄というVIP。祖母は元芸姑のため、祇園の花街の事情に詳しく、九条京の京舞の師匠・渡部君代とも知り合いだった。 身長160cm。

比嘉 聖 (ひが ひじり)

私立望月女学院に入学する少女。御陵中学出身。中学時代は図書委員をしていた。高瀬雅とは、望月女学院の入学試験合格発表会場で初めて出会う。その雅と入学後にクラスメイトとなり、一緒に柔道部へ入部(柔道は未経験)。同じくクラスメイトとなった九条京とは小学校から学校が同じで、小学5・6年はクラスメイトだった。 ボサボサの髪型が特徴。柔道部主将の大石萌からは「バーゴン」「モジャ子」などのあだ名で呼ばれている。身長151cm。

穂積 喫 (ほづみ のり)

私立望月女学院の内部進学者で、高瀬雅と同じ1年・葵組に進級する少女。身長は168cmと長身だが、引っ込み思案で恥ずかしがり屋。勉強も苦手で、自分に自信が持てないタイプの性格。雅に誘われて柔道部のクラブ見学に加わった後、雅・九条京・比嘉聖と共に入部する。柔道は初心者だが、入部動機は「強くなりたいから」。 学生寮に住む寮生であり、坂江愛之という望月中学の女子生徒と同室。葵組のクラスメイトとは苗字で呼び合う関係だが、親しい人間からは「ノン」と呼ばれていたという。

金春 千成 (かなはる ちな)

私立望月女学院の2年生で、望月中学からの内部進学者。大石萌への憧れが非常に強い、柔道部部員。自分以上の高い評価を萌から受ける新入部員・高瀬雅に激しい対抗心を抱く。さらに九条京とも柔道を通して対立し、練習中に過剰な技をかけてしまうという問題を起こした。千成の実家は外資系の葬祭業をしており、古くからある京都の家ではない。 余所者に厳しい望月女学院の環境で育ったことが、彼女の攻撃的な性格に繋がっていると柔道部副主将の吉見百は認識している。

成沢 成子 (なるさわ しげこ)

高瀬雅の出身校・醍醐北中学の柔道部に所属する1学年下の後輩女子。雅のことが好き。雅いわく、一目で本質を見抜く鋭さを持った、とても霊感的な人間であると同時に、雅と同じことをその十分の一の練習量で可能とする「柔道の天才」である。ただし練習嫌いのため、持久力は不足している。 髪型はショートカットで、背丈は雅よりも高い。

小浜 道子 (おばま みちこ)

私立望月女学院の体育教師をしている女性。学年主任であり、高瀬雅や九条京が入る1年・葵組の担任教師となる。柔道部の顧問もしているが、本人に柔道経験はなく、本来はソフトボール部を担当していた。柔道部主将・大石萌からのニックネームは「みっちゃん」。ちなみに理事長の高瀬螢生とはかつて先輩後輩の仲であるが、彼女から「先輩」と呼ばれることは嫌がっている。 スモーカーのため、校内で煙草を一服するときは理事長室をよく利用している。

次田 芹那 (つぎたせりな)

私立望月女学院の内部進学者で、高瀬雅と同じ1年葵組に進級する、眼鏡をかけた少女。中学時代は2期1年間にわたって生徒会長をしており、卒業生の総代表も務めていた。勉強はよくできるがプライドが高く、クラスメイトから「いけずばっかり言う」と評されている。学校の代表になろうとする意識が強いため、新入生代表に選ばれた九条京や、京と一緒に1年度初月の学級委員に選ばれた雅によく突っかかろうとする。 その一方、雅からは「セリーナ」の愛称で呼ばれることも。

渡部 君代 (わたべきみよ)

京舞渡部流の宗家であり、九条京の師匠。祇園花街での発言力は一二を争うほど高く、京都市の市長選挙で現市長のために様々な根回しを行ったなど、多くの逸話を持つ。舞に関しては特に厳しく「芸の鬼」「先代の再来」などと呼ばれていたという。芸姑の立場から安曇流という流派の名取にまでなった唯一の人物とされる。

集団・組織

私立望月女学院 (しりつもちづきじょがくいん)

『からん』に登場する高校。高瀬雅や九条京の入学する、京都府の名門お嬢様高校。理事長は高瀬螢生。通称は「望月女(もちじょ)」。制服は「黒セーラー」と呼ばれているが、カラーイラストでは紺色に彩色されている。生徒は通学に京阪京津線を主に利用。雅と京が入部する柔道部には、2人以外に大石萌(3年・主将)、吉見百(3年・副主将)、金春千成(2年)、中松梅香(2年)、中松桃香(2年)、比嘉聖(1年)、穂積喫(1年)が所属。

その他キーワード

京津線 (けいしんせん)

『からん』に登場する路線。近畿地方に実在する電車の路線で、「京阪京津線」ともいう。私立望月女学院の生徒が通学によく利用している。京都府から滋賀県の琵琶湖南端を結び、地下鉄と登山電車、路面電車という3つの顔を持つ。作者が多感な時期を過ごした洛東地域のノスタルジー(いわく「自分が最も好きだった京都」)を描くために必要な舞台装置のひとつであるという。

書誌情報

からん 全7巻 講談社〈アフタヌーンKC〉 完結

第1巻

(2008年10月発行、 978-4063145359)

第2巻

(2009年5月発行、 978-4063145632)

第3巻

(2009年11月発行、 978-4063106091)

第4巻

(2010年3月発行、 978-4063106466)

第5巻

(2010年10月発行、 978-4063107036)

第6巻

(2011年4月発行、 978-4063107456)

第7巻

(2011年8月発行、 978-4063107616)

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