ヤワラーマン

ヤワラーマン

廃部の危機を迎えた弱小柔道部員達の奮闘をコミカルに描く柔道漫画。「週刊少年チャンピオン」1996年第29号から1997年第16号まで連載された。

正式名称
ヤワラーマン
ふりがな
やわらーまん
作者
ジャンル
柔道
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概要・あらすじ

ある夏の日、私立秀舞高等学校に通う1年生の吉本三平は、3回目の赤点を取ってしまい、落第の危機を迎えていた。同じ状況の柴田明治と共に教師の信田耕作に呼び出された三平は、柔道部に入って1年頑張れば、今回の赤点を取り消してもいいという取引を持ちかけられる。2人が柔道部へ向かうと、そこにいたのは2年生の大橋大吾一人だけだった。

しかも、不人気部を次々と廃部にする学校側からは、この秋の大会で実績を残せなければ、柔道部も解散だと通告されていた。部員は大橋が一人だけ。柔道部がなくなれば、赤点取り消しの道も途絶える。新たに2人の生徒を入部させ、大会に出場できる5人の部員を何とかそろえた彼らは、秋の大会に向けて練習を始める。

登場人物・キャラクター

吉本 三平 (よしもと さんぺい)

私立秀舞高等学校に通う高校1年生の小柄で気弱な男の子。赤点を取り消すという信田耕作先生との取引で柔道部員となる。生まれて初めて人に期待されたことに喜び、修行に打ち込んで次第に柔道に魅了されていく。5人兄弟の末っ子で、小さい頃より兄や姉からオモチャにされてきたため、身体がやたらに柔軟。また、自宅が坂の上にあり、買い物のため自転車で1日に坂を何往復もさせられているので、強靭な足腰が作られた。 さらに、ペダルを踏み続けたことで、足指が下向きに大地をガッチリつかむように曲がって、伝説の「蛸足」に変形し、柔道をするうえで強力な武器となる。自転車で鍛えられた身体と蛸足によって、相手を竜巻のように投げる巴投げを編み出す。両親と5人兄弟、犬と一緒に暮らしており、表札では吉本三平の名は犬の「チロ」よりも下にある。 身長162センチ、体重54キロ。

柴田 明治 (しばた めいじ)

私立秀舞高等学校に通う高校1年生の男の子。勉強はできないが、地元では有名なほどケンカが強い。吉本三平と同じく、赤点を取り消してもらうために柔道部に入部する。負けず嫌いで腕力があり、運動神経も抜群のため、始めたばかりの柔道でも才能を発揮する。恵子という名の母親との2人暮らし。差し入れを持って大挙して押しかけるほど女子生徒から人気があるが、実は熟女が好きで、女の子の好みが少しマニアックらしい。 覆面レスラーと藤あや子に憧れている。身長186センチ、体重72キロ。

大橋 大吾 (おおはし だいご)

私立秀舞高等学校の柔道部員。吉本三平と柴田明治が入部するまで、たった1人の柔道部員だった。2年生だが、やたらに礼儀正しく、後輩である1年生にも敬語で話す。すぐに感激して泣く感動体質で、明治からセンパイと呼ばれただけで大泣きしていた。柔道はめっぽう強い。とある事情から、中学校で同級生だった堂島大介とは因縁のある関係。 身長176センチ、体重70キロ。

信田 耕作 (のぶた こうさく)

私立秀舞高等学校の日本史教師。33歳独身。メガネをかけた男性で、柔道部の顧問。吉本三平と柴田明治が持つ柔道の素質を見抜き、1年間柔道部を続けたら、日本史のテストで取った赤点を取り消してもいいと取引を持ち掛ける。33歳独身。榊原郁恵のファンらしい。

春田川 靖 (はるたがわ やすし)

私立秀舞高等学校に通う高校1年生の男の子。小柄で髪はリーゼント。スキあらば天下を取ろうと狙う姑息な性格で、アンケートで1位となり、校内でもっとも強いとされた柴田明治の弱ったところを倒して最強の座を得ようとするが、あっさり失敗し柔道部に入部する。俺様の目標は全国制覇と、言うことだけは大きいが、初試合では2秒も持たずに敗退。 初試合から4試合全敗で、すべて10秒以内で負けていることから「秒の殺され屋」という不名誉なあだ名を付けられる。実家は甲州街道沿いにあるラーメン屋「春ちゃんラーメン」。行列ができるほどうまいと評判である。情報収集能力に長け、強豪である私立暁座学園高校に忍び込むが、見つかってボコボコにされていた。 身長154センチ、体重45キロ。

須下 喜春 (すげ よしはる)

私立秀舞高等学校の教頭。リーゼントに教育ママのようなメガネ、チョビ髭に蝶ネクタイという出で立ちの男性。語尾に「ゲス」と付けて話す。校長の座を狙っており、柔道部を含む不人気クラブを次々に廃部に追い込もうと企む。そうして余った予算を、全国的に人気のある野球部やサッカー部に継ぎ込んで、学校のイメージアップを図ろうとしている。

花黒 平太 (はなぐろ へいた)

私立秀舞高等学校の国語教師。ベレー帽を被った小柄な男性。生徒から「教頭のコシギンチャク」と呼ばれている。教頭の須下喜春が進める秀舞高校改造計画のため、不人気部を廃部に追い込んでは教頭へ報告に走る。その際は「吉報♪吉報♪シュッポウ♪シュッポウ♪ キッポウ♪キッポウ♪シュッポッポーっ♪」と「汽車ポッポ」の替え歌を歌いながら走る。

山嵐 雁次郎 (やまあらし がんじろう)

私立秀舞高等学校に通う高校1年生の太った男の子。柔道の教本にも載っていない幻の必殺技「山嵐」が苗字であるというだけで、柔道部員たちに目を付けられて、勧誘される。食べることと寝ることを愛する温厚な人物で、語尾に「デブ」と付けて話す。運動するとお腹が減るからという理由で勧誘を断るが、春田川靖の実家がチャーシューメンがうまいと評判のラーメン屋「春ちゃんラーメン」だと知ると、春田川を師匠と呼び、入部を決めた。 普段は温厚だが、酒が入ると凶暴な性格に豹変する。また、睡眠学習によって学年テストで1位を取るほど成績優秀。身長160センチ、体重120キロ。

堂島 大介 (どうじま だいすけ)

私立暁座学園高校柔道部のキャプテンの男の子。大橋大吾の中学での同級生。2人が所属していた市立留松中学校柔道部は全国大会で優勝し、それは堂島大介の活躍によるところが大きかった。しかし、ムラッ気があり、気に食わない審判には食ってかかるので評判は悪かった。大橋の存在が気に入らないようで、試合ですでに負かしていた大橋を、さらに投げて首をケガさせるという卑劣な性格。

桜井 美咲 (さくらい みさき)

私立秀舞高等学校に通う女子生徒。同じクラスの春田川靖に誘われて、友人の勝又勝子と一緒に柔道部の試合を見に来る。2人ともやたらと大食いで、試合を観戦しながら、バナナ、ハンバーガー、ラーメン、寿司、タコ焼きと食べ続け、さらにはエダマメ、モロキュウ、ジャガバター、ツクネ、タンシオ、煮込み、豚肉のキムチ炒め、ピザポテト、イカソーメン、ホーレンソウのカラシ和え、C・C・レモン1.5リットル2本を注文していた。 なぜかネギをくれた山嵐雁次郎に運命的な出会いを感じる。

勝又 勝子 (かつまた かつこ)

私立秀舞高等学校で柴田明治の隣のクラスに所属する女子生徒。セミロングの髪にヘアバンドをした、ソバカス顔の少女。柴田のファンの一人で、桜井美咲と共に柔道部の試合の応援に来る。

場所

私立秀舞高等学校 (しりつしゅうまいこうとうがっこう)

吉本三平の通う高校。共学。1学年で赤点を3つ以上取ると、進級できないという規則がある。教師たちは、校長を中心とする温厚派と、校長のイスを狙う教頭の革新派という二大派閥に分かれていると言われる。

谷戸高校 (やとこうこう)

私立秀舞高等学校の近くにある高校。地区では常にベスト8に残るちょっとした柔道の強豪高校で、秀舞高校柔道部の初試合の相手となる。大橋大吾以外の部員は全員柔道を始めてまだ1か月という弱小柔道部の秀舞高校に3対2で敗れ、秋の大会で雪辱を果たすことを狙う。

私立暁座学園高校 (しりつぎょうざがくえんこうこう)

私立秀舞高等学校とは学区が異なるが、柔道で5年連続インターハイに出場している強豪校。柔道部の設備も充実しており、アスレチッククラブなみのトレーニング器具を備え、合宿所まである。現在、柔道部のキャプテンは、大橋大吾が中学校で同級生だった堂島大介が務めている。

西井高校 (にしいこうこう)

秋の大会で私立秀舞高等学校と第1回戦であたる高校。都内でも有数の進学校で、柔道をやっている人間はさげすまれ、犬猫同様の扱いを受けている。柔道部員は全員白帯でメガネをかけており、大会会場でも参考書を広げて勉強をしているようなガリ勉集団。創部以来20年間、一度も勝ったことがない。

加仁多摩高校 (かにたまこうこう)

秋の大会で私立秀舞高等学校と第3回戦であたる高校。ダーティなプレイを得意とし、審判の見ていないところでパンチなどを使ってダメージを与えてくる。しかし、それもケンカ慣れしている柴田明治には通用しなかった。

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