概要・あらすじ
大学生の所洋影は親友の夢明と男2人でルームシェアをしていた。しかし、夢明は新しくできた彼女と住みたいという理由で、いきなり洋影を部屋から追い出してしまう。行くあてがなくなり、飲み屋を訪れた洋影は、隣に座っていた登坂鶏子と意気投合。深酒をした2人は、勢いで結婚の約束をし、さらに洋影は、鶏子が前夫からもらった慰謝料3000万円を歩道橋の上からばら撒く暴挙に出るのだった。
酔いがさめた鶏子は、洋影に対し2か月以内にばら撒いた3000万円を返却するか、それとも本当に結婚するかの選択を迫る。こうしてとりあえず登坂家に住むことになった洋影は、鶏子や彼女の3人の娘と親交を深めていくが、次第にそれぞれの関係は複雑に絡み合っていく。
登場人物・キャラクター
所 洋影 (ところ ひろかげ)
大学3年生の男子で、年齢は21歳。周囲からは「ヨーケイ」の愛称で呼ばれている。普段は常識人でモテるタイプだが、一度アルコールが入ると大胆な行動を取ってしまう、いわゆる酒乱。酔った勢いで登坂鶏子と結婚の約束をし、彼女がもらった慰謝料3000万円を歩道橋の上からばら撒いてしまう。それがきっかけで2か月以内に3000万円を返すか、鶏子と結婚するかを迫られている。 同じ大学の同級生である小石川蘭子に片想いをしている。実家は歯科医院を開業している。
登坂 鶏子 (とさか けいこ)
売れっ子シナリオライターとして活躍中の女性。登坂雛子、登坂多摩子、登坂黄味子ら三姉妹の母親で、三姉妹はすべて父親が異なる。結婚はこれまで5回しており、現在は独身。最後の結婚でもらった慰謝料3000万円を、酒に酔った所洋影とともに歩道橋の上からばら撒いた。その責任をすべて洋影に押しつけ、2か月以内に3000万円を用意するか、自分と結婚をするかの選択を迫っている。 見た目は、子供がいるとは思えない若さを保っており、初対面の洋影にも「年増のイイ女」と評されたほどの美人。酒豪で、特に日本酒好き。
登坂 雛子 (とさか ひなこ)
登坂鶏子の長女で、父親は最初の夫である小説家。所洋影と同じ大学に通っている。大人びた清楚な雰囲気の黒髪美人で、かつて洋影がアプローチをしたが振り向いてもらえなかった。経済的に困窮しているわけではないが、週末だけ喫茶店でアルバイトをしている。
登坂 多摩子 (とさか たまこ)
登坂鶏子の次女で、父親は2番目の夫である土建屋。目つきの鋭いクールな容姿の女子高校生。登坂家の中では1人だけテンションが低く冷めた性格だが、実際には強がって素直になれないだけ。料理など、女性らしいこと全般を苦手としている。父親には近況報告も兼ねて、小遣いをもらいに度々会っており、鶏子が所洋影と再婚するかもしれないことを伝えている。
登坂 黄味子 (とさか きみこ)
登坂鶏子の三女で、父親は3番目の夫である喫茶店経営者。ふわふわとしたかわいらしい容姿の中学2年生女子。外見とは裏腹に性格はしっかりとしており、適当な性格の鶏子から自分が生まれたことを、心底不思議に思っている。若い父親が欲しかったこともあり、鶏子と所洋影の再婚を歓迎している。
夢明 (ゆめあき)
所洋影と同じ大学に通う2年生の男子。力仕事の一切を嫌う今時の若者。一方で流行に敏感で、ファッションや髪型にこだわり、女性からモテることに全力を尽くす。洋影とは親友同士で、マンションをシェアして暮らしていたが、彼女ができたことをきっかけに洋影を追い出した。洋影を良い奴だと思っているが、酒癖の悪さだけは気にしており、注意しろと助言している。
小石川 蘭子 (こいしかわ らんこ)
所洋影と同じ大学に通う2年生の女子。長身の華やかな美人で、大学のマドンナ。モデルとして芸能事務所にも所属しており、たまにテレビに出演している。洋影がずっと片想いをしている相手で、のちにその熱意が通じ、デートに応じる。シナリオライターの登坂鶏子のファン。
洋影の父 (ひろかげのちち)
所洋影の父親。田舎で歯医者をしている恰幅の良い男性。医師会に出席するため、度々上京している。酒が飲めることを理由に、酒屋の娘と結婚をしたほどの無類の酒好き。趣味はきき酒。洋影が振り回されていることを聞きつけて登坂鶏子に意見をするが、酒を酌み交わすうちに鶏子と意気投合してしまう。