この勇者が俺TUEEEくせに慎重すぎる

この勇者が俺TUEEEくせに慎重すぎる

土日月原作の同名小説『この勇者が俺TUEEEくせに慎重すぎる』のコミカライズ作品。魔に蝕まれた世界を救うため、女神のリスタルテは勇者を召喚するが、召喚された竜宮院聖哉はありえないくらい慎重な性格をしていた。慎重な勇者が周囲を振り回しながらも世界を救う様を描くファンタジーバトルアクション。「月刊ドラゴンエイジ」2018年12月号から連載の作品。

正式名称
この勇者が俺TUEEEくせに慎重すぎる
ふりがな
このゆうしゃがおれつえーくせにしんちょうすぎる
原作者
土日 月
作画
ジャンル
バトル
 
ファンタジー
レーベル
ドラゴンコミックスエイジ(KADOKAWA)
巻数
全6巻完結
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あらすじ

第1巻

統一神界に住まう女神のリスタルテは、救世難度Sクラスの異世界「ゲアブランデ」の救済を任される。新人女神のリスタルテは初めての高難易度救済を前に悩み、勇者を厳選した結果、圧倒的なステータスを持つ竜宮院聖哉を見つける。聖哉を召喚し、容姿端麗で強い力を持つ聖哉の存在に浮き立つリスタルテだったが、聖哉の性格はありえないくらい慎重だった。リスタルテは聖哉をゲアブランデに送り込もうとするが、常軌を逸した慎重な性格である聖哉はそれを拒絶し、危険な異世界に行くための準備としてその場で筋肉トレーニングを始める始末。結局、彼が異世界に旅立つまで四日もかかった。また聖哉の慎重さは異世界に降り立つとさらにエスカレートし、行く先々でトラブルを巻き起こし、リスタルテを悩ませることとなる。そして強敵、ケオス=マキナとの遭遇ですぐに逃げ出す聖哉を見て、リスタルテは臆病者と失望する。しかしリスタルテは聖哉から、彼なりの勇者としての覚悟を聞く。そしてケオスとの再戦で聖哉が圧勝するのを見て、この勇者の慎重さはもはや病気であると、リスタルテは確信するのだった。

登場人物・キャラクター

竜宮院 聖哉 (りゅうぐういん せいや)

リスタルテが召喚した黒髪の青年。180センチを超える長身で、整った凛々しい容姿をしている。勇者としての素質は高く、体から放たれるオーラは男神なみに神々しい。しかし、容姿と能力の評価は非常に高いのに「ありえないくらい慎重」な性格が、すべてを台無しにしている。つねに最悪を想定して行動し、目に見えるものすべてを疑ってかかる。異世界「ゲアブランデ」に出発する際には準備に4日かけたり、たとえ敵を倒しても死体が復活すると考えて念入りに追撃をしたりするなど、その様は「病気」と言われるほど。統一神界の地上世界と時間の流れが違う特性を利用し、たびたび統一神界に戻ってはトレーニングをしている。当初は筋肉トレーニングだけだったが、のちにセルセウスから剣術を学んだ。ステータスは軒並み高く、筋肉トレーニングだけで、ケオス=マキナを凌駕するほど鍛え上げている。剣も魔法も使える一方で、竜宮院聖哉自身の力を知られることを恐れ、ステータスを偽装し、リスタルテにも本当のステータスは教えていなかった。準備が整うと「準備は完全に整った(レディパーフェクトリィ)」と言うのが口癖。

リスタルテ

治癒の女神。金色の髪を長く伸ばした女性で、白いドレスを着ている。女神としては新人で、生まれて100年ほど経っておらず、救世した世界も五つほど。同時期に生まれた神々の中では落ちこぼれで、成績は統一神界のワーストテンに入るくらいに悪いらしい。しかし新人にもかかわらず、救世難度Sクラスの異世界「ゲアブランデ」の救済を任される。数多の勇者候補の中でも「一億人に一人の逸材」といえる竜宮院聖哉を勇者に選んで召喚するが、聖哉のありえないくらい慎重な性格に振り回されることとなる。初対面の人の前では猫を被り、厳かな女神として振る舞うが、性格は基本的にお調子者。ゲアブランデでは聖哉のサポートを務めるが、神々は異世界では能力に大幅な制限を受けるため、軽いケガ程度を治癒する力しか使えず、聖哉からは存在意義が「薬草」レベルといわれている。アリアドネはリスタルテにとって姉のような存在で、仲がいい。

アリアドネ

統一神界に住まう封印の女神。ボブカットヘアのスタイル抜群の女性で、明るくやさしい性格をしている。幼い頃からリスタルテの面倒を見てきたため、彼女にとって姉のような存在。今まで300以上の世界を救ってきた超ベテラン女神で、リスタルテからは何をやっても敵わないと思われている。

セルセウス

統一神界に住まう男神。剣を司る「剣神」で、髭を生やし、逞しい体つきをした中年の男性のような姿をしている。アリアドネに頼まれ、竜宮院聖哉に剣の稽古をつけた。人間相手には神の力を使うことができないが、それでも剣士として超一流で、当初は聖哉に対しても居丈高に接した。しかし類まれな素質と、ありえないくらい慎重な性格の聖哉の稽古には根を上げて「もう剣を見たくない」と言わせるほど憔悴。最後は聖哉に怯え、逃げ回っていた。実は人間から神へと転生を果たしており、人間としての記憶はなくしているが、元は気弱な人物だった。聖哉との稽古で過去の魂の記憶がもれ出たため、気弱な性格となってしまったが、結果的にセルセウスにとっていい経験だったのではないかと、イシスターは語った。

イシスター

統一神界に住まう大女神。恰幅のいい体形で、老婆のような姿をしている。未来を予知する力を持ち、その力を使って神々を導いている。裏に手を回してリスタルテに救世難度Sクラスの異世界「ゲアブランデ」の救済を任したのも彼女で、人と神の安寧のために尽力している。リスタルテを生まれてから見守ってきた存在であるため、リスタルテからは母親のように慕われている。

ケオス=マキナ

異世界「ゲアブランデ」を侵攻する魔王軍四天王の一人。角が生えた黒い髪の女性で、動物のように毛むくじゃらな手足をしている。勇者召喚を察知し、ゲアブランデを訪れたばかりの竜宮院聖哉の前に現れた。残虐な性格で、聖哉が逃げ出すと近隣のエドナの町で町民を人質に取り、聖哉をおびき寄せようとする。強大なステータスを持つが決して油断しない慎重な性格をしており、召喚されたばかりの聖哉を危険視して執拗に追撃したり、奥の手と呼ばれる手段をここぞという時まで温存していたりする。聖哉との戦いでは、ケオス=マキナ自身の能力制限を一気に解除する「封印解除(リリース)」、巨大な悪魔の姿へと変身する「魔神呪殺剣(デモニック・カースド)」で、ケオス自身の能力を大幅に跳ね上げる。魔神呪殺剣を使った際には難度Dクラスの魔王すら超えるステータスを誇る。しかし病的なまでに慎重な聖哉には敵わず、聖哉に一蹴されて滅ぼされた。

場所

統一神界 (とういつしんかい)

人間たちの住む地上世界とは異なる次元に存在する世界。数多ある地上世界を見守る神々が暮らしており、人々に魔の手がせまる時、異世界より魔を討つ者「勇者」を召喚し、困窮する世界に遣わす。困窮する世界は難度によって「救世難度」というランク分けをされており、救世難度Sクラスを超える世界は、神に匹敵する力を持つ悪しき者がいるとされる。

その他キーワード

ステータス

能力を数値化したもの。勇者や神々は「ステータス」と唱えることで自身の能力を見ることができる。可視化されるステータスの項目は「Lv」「HP」「MP」「攻撃力」「防御力」「素早さ」「魔力」「成長度」「耐性」「特殊スキル」「特技」「性格」となっている。また「能力透視」のスキルがあれば他人のステータスも見れるが、「偽装(フェイク)」のスキルがあれば表面上のステータスを偽装し、他者の目を欺くことも可能。竜宮院聖哉はリスタルテからステータスの説明をされるがいっさい信用せず、掛け声も「ステータス」ではなく「プロパティ」と唱えたが、「プロパティ」でもなぜかふつうに使えた。

クレジット

原作

土日 月

キャラクター原案

とよた 瑣織

書誌情報

この勇者が俺TUEEEくせに慎重すぎる 全6巻 KADOKAWA〈ドラゴンコミックスエイジ〉

第6巻

(2022-12-09発行、 978-4040747835)

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